乙4試験とは、危険物取扱者乙種第四類の資格試験のことです。ここでは化学になじみの少ない人でも合格点が取れる勉強法とポイントを書いておきます。本当なら化学を理解していないと免状の意味はないのですが、小学生や中学生でもポイントをおさえれば合格点は取れますよ。

危険物取扱者の受験をすると決めた人は知っていると思うので受験制度や免状の種類に関しては省略します。
筆者自身は甲種を一回の受験で合格しているので、細かい受験制度がよくわかっていないというのも理由の1つです。笑

なぜ乙4は合格率が低いのか?

なぜここで取り上げているのが乙4なのかというと、乙4だけが他の類に比べて合格率が低いというのを知ったから。
理由で「受験者数が多いから」とか言っている人がいますが、そんなわけが無い。

危険物取扱者の試験は選抜ではなく資格試験です。
合格点に到達していれば何人でも合格できるので受験者数は関係ありません。
受験者数を理由としているなら、合格は遠いだろうなあ、と思います。
だって、試験の合格基準すら理解できていないのだからこの試験も厳しいでしょう。笑

実際には「高校で半分強制的に乙4から受けさせられるから」だと思えます。
普通科高校で危険物をとるというのはよっぽどの理由があるか、趣味に近いと思いますが、工業高校となると一年生から乙4受験を必須にしている高校もあります。
高校1年生はまだ化学基礎も勉強し終えていません。
2年生でも化学基礎等が理解できていなければ苦労するでしょう。
クラス単位で受験申し込みをしても合格できるほどの受験対策ができていない人が多い、というのが理由ではないでしょうか?
これが「乙1から」という規制があるなら乙1の合格率が低くなると思うのですが、どうでしょうか。

実際に高校1年生の不合格者の得点率(得点率は通知されます)を見たのですが、
「法令」や「性質と火災予防と消火」についてはまあまあですが、「物理・化学」がひどい。
中には、「消火」の正答率が9割なのに、「物理・化学」3割とか、勉強方法間違えているとしか思えないです。
(そもそも問題が5択なので確率的に2割は当たるんですよね。w)

でも、高校1年生でもあきらめないで下さい。
乙4に合格するのに化学基礎をすべて理解する必要はありません。
ポイントをおさえておけば合格できますよ。

乙4の試験内容と合格基準

先ずは問題構成と合格基準を知っておきましょう。
「危険物に関する法令」15問
「基礎的な物理学及び基礎的な化学」10問
「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」10問
で構成されていて、
それぞれの科目で6割を超えれば合格です。
つまり、9問、6問、6問以上とれば良いのです。

「科目ごとに6割以上、なおかつ全体で6割以上」と説明している人もいますが、意味ありません。
科目ごとに6割以上なら全体では6割超えますから。笑
こういう人達って本当に危険物の試験受けたことあるの?って思うし、
こんなことも分からず合格した人が危険物あつかっているのかと思うと危険物取扱免状って「大丈夫?」って思いません?
まあ、筆者は良く理解できていないので免状を使うことはありませんけど。w
危険物を扱っている人は、試験でほぼ満点合格して、危険性と法令などを熟知している人だと信じましょう。

ただ、試験に合格するだけなら満点は必要無いのです。
6割で良いんですよ、各科目6割で合格です。

乙4に合格するための勉強法

科目は3つありますが、すべてで6割以上とれば合格です。
言い換えると、「満点はいらない」ということ。
もちろん高得点取れる対策をした方が確実ではありますが、高校1年生で初めて受ける場合は、いかに合格点まで到達出来るか、対策期間の問題も出てきます。

「6割取れれば合格」
これを知っておくことが合格への近道になります。
化学や物理の基礎を理解できている人は、「基礎的な物理と化学」1つの科目が対策無しでもクリアーできると思います。
1問か2問落としても良いくらいのレベルなら、他の2科目に時間を割いた方が良いです。

そこで具体的な方法ですが、
先ずは一通り過去問を解いてみます。
これをすることでどういう問題が出るか、どういう形で問われるか、どれくらい時間が必要か、というのが大まかに実感できます。
もちろん最初はできなくて当たり前です。
「法令」なんて危険物に関する法令なので見たことも聞いたこともないものばかりでしょう。
でも、数年分解いてみると、どういうところがポイントかが見えてくるのです。

次に、対策問題集を数回分解いてみて、解説を読みます。
このとき何故その答えが正解なのかを覚えます。
そして、同じ問題で数回分繰り返します。
少なくともその問題が出れば正解が選べるようにします。
正解番号を覚えるのではなく、「何故か?」を覚えるのですよ。w

よく見かけるのが、参考書を先に読んで、解説を受けて、それから問題演習をしようとしている「真面目」な人です。
悪いことではなく、普通に考えればまともな勉強法に見えますが、合格への道のりは遠い、と言っておきましょう。

何故なら、参考書は完全に理解させようとかなり多くの情報を詰め込んであります。
しかし、試験できかれるのは危険物に関する情報です。
あんなに分厚い参考書は必要ありません。

考えてもみてください。
6つある内1つでも乙種の危険物免状を持っていれば、他の類を受験するとき「法令」と「基礎的な物理と化学」が免除されるんですよ。
毎回かたよった問題が出るなら、たまたま受かった場合があれば、それこそ危険物取扱者免状そのものが危険ですよね。
だから問題の主軸になるものはそれほど変わらないと思って良いです。

過去問と同じ問題は出にくいですが、特に重要なことは変わらないので、似たような内容は必ず出るといっても間違いありません。
だから、
過去問数回分と予想問題集数回分を何度も解いて解説を読む方がかなり効率的なのです。
もちろん時間が許す限り、用意する問題の回数は多い方が良いです。
(多すぎても時間が足りなくなるので5回前後で考えてください。)

ただし、問題集選びをするときは過去問に似た出題形式の問題集にしましょう。
現在は予想問題集はほとんどが似た形式で作成してくれているので「ハズレ」は少ないですが、ここで失敗するとものすごく効率が悪いですよ。

筆者が甲種に合格したときにはそれほど参考書や問題集は出版されていませんでした。
消防署の講習なども一度も受けたことがなかったし、よくわからないままで勉強を始めたのですが、イマイチ内容がつかみにくかったので途中で問題集を変えました。
会社での仕事があったので勤務時間外での勉強だったのですが、ひと月程度の勉強で合格できたのも「アタリ」の問題集を探し出せたからでしょう。w
何故受験したか?
それは、「責任者が足りないから甲種とって」と当時の課長に言われたから。笑

本試験と類似形式の問題集なら、
先ずは1冊分を何度も解いて、
理由をつけて正解できるようになるまで繰り返す、
それで合格はぐっと近くなります。

最短合格への時間配分

ここで言っているのは試験を受けるときの時間配分ではありません。
試験を受けるときの時間配分は、「分かる問題から解いていく」、という当たり前の方法です。

合格への時間配分とは対策時間の配分です。

当然ですが、勉強時間の確保はある程度必要です。
でも無駄な時間は省かないと高校生が受験する場合、合格は難しくなります。

そこで大切なのが各科目の時間配分です。
これは最初に決めるのではありません。

先ずは問題数の多い「法令」からでも良いですが、「法令」は問題集のどこから出題されても7割から8割が正答できるようになるまで専念するのです。
そのあとは他の科目に変えて対策をする、というのを3つするだけです。

甲種は割と情報量が多かった部分もありますが乙4だけだと少ないです。

「法令」は8割取れているのにいつまでも「法令」に時間を割いて勉強しているのは無駄です。
他の科目が6割に届かなければ合格はないんですよ。
それなのにいつまでも全体を均等に勉強するのは何故ですか?
知識が足りていない科目に時間をまわしましょうよ。

各科目均等に高得点を取れるようにするもの良いですが、
先ずはすべての科目で基準の6割超えないと意味がないということを知っておいて下さい。

「最初に対策した科目を忘れてたらどうする?」
と不安になる人もいるかもしれませんね。

短期間の対策で受験する場合、繰り返しの対策している科目なので試験の2日か3日前にもう一度やり直せばたぶん思い出せるでしょう。
それでも不安な人は1週間前に復習を始められるくらい早めの対策と時間をかけてして下さい。
でも、
それくらい対策を早めにしっかりできる人は普通に合格出来ますよ。笑

このサイト全体では「基礎的な物理や化学」は合格点が取れる情報が入っていますが、
乙4に必要な部分だけを例題を取り上げて説明しますので参考にして下さい。

まとめ

危険物取扱者は小学生でも合格できる資格試験です。
上位何%だけとか、上位何人だけとかしか合格できないわけではありません。

危険物を取り扱う上での必要な知識を持っているかどうかの試験なので、
やり方によって高校生でも十分合格できる、ということです。

⇒ 乙4試験対策 物質の三態と状態変化(練習問題と解説) 

問題例ですが、問題集を解く方が良いです。
5問択一だからといって、対策なしのマグレを狙っても合格はしませんよ。笑