純物質と混合物の見分け方、単体と化合物との見分け方、教科書で読んだときは分かるけどいざ問題となると見分けにくい、という人多いですね。何度も復習しておけば問題ありませんので繰り返せば良いだけですがもう一度例題を通して見直しておきましょう。

復習です。

単体と化合物

「単体」とは、元素1つでできた物質です。
例えば、気体の窒素や酸素は単体ですね。
( \(\mathrm{N_2\,,\,O_2}\) の気体は単体)

「化合物」とは元素が2つ以上でできた物質です。
例えば、水は水素原子2つと酸素原子1つが結合してできている化合物です。
( \(\mathrm{H_2O}\) は純物質としての化合物)
⇒ 物質の成分 元素と単体と化合物

純物質と混合物

「純物質」とは、単体や化合物が混ざっていない物質です。
溶媒の水100gに対して溶けるの物質の溶解度というのがあります。
この場合の水は「水分子」という意味で使われていますが、「川の水」という場合、水と小さな砂の粒子やゴミが少し混じった状態です。
この「川の水」は「混合物」ですね。
水を化合物として見る場合は「純水」を示します。
食塩水などは水と食塩(塩化ナトリウム)が混じった混合物です。
これは文中の内容をよく読まないと分かりづらいところがありますよね。
溶媒としての水は化合物「水」だけを示していて純物質なので、混合物ではありませんよ。

簡単にまとめると、
純物質は、単体と化合物に分けられます。

混合物は純物質が2つ以上混じっている状態です。
⇒ 純物質と混合物の区別

例題で確認してみましょう。

例題
水と一言で言っても川の水や井戸水は2種類以上の物質が混じり合った状態であり、身の回りの多くの物質はこの混じり合った状態で存在しています。
このような物質を「①」といいます。空気や海水も「①」です。
一方、他の物質が混じっていないものを「②」といいます。
「②」は1つの元素からなる「③」と2種類以上の元素からなる「④」があります。
また、同じ「③」でも性質の異なるものを互いに「⑤」といいます。
さらに、「②」の融点や沸点は物質ごとに一定となります。
反対に「①」の融点や沸点は混じっている物質や割合によって変化します。
例えば「②」の水の沸点は一定ですが、食塩水の沸点は水の沸点に比べると少し高くなります。
これを「⑥」といいます。

(答)
 ①:混合物 ②:純物質 ③:単体 ④:化合物 ⑤:同素体 ⑥:沸点上昇

同素体については別記事にも書いていますが、「SCOP」が有名です。
 S(硫黄)は、斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄があります。
 C(炭素)には、黒鉛と呼ばれるグラファイト、ダイヤモンドなどがあります。
 O(酸素)には、酸素とオゾンがあります。
 P(リン)には、黄リンと赤リンがあります。
詳しくは
⇒ 物質の成分 同素体と生じる原因
で確認して下さい。

沸点上昇とは、
「不揮発性物質を溶かした溶液では、蒸気圧降下が起こるため、液体の蒸気圧を外圧と同じにするには純溶媒よりも高い温度にしなければならず、沸点は純溶媒よりも高くなる。」
現象のことをいいます。
そもそも「沸点」というのは液体の蒸気圧が外圧(大気圧など)に等しくなり、沸騰が起こる温度のことです。
簡単にいうと液体が気体になろうとする力と外圧(大気圧)が等しくなる温度、ということで、外圧が高くなれば沸点も高くなり、外圧が低くなれば沸点も低くなる、ということです。
純水よりも食塩水の方が沸点は高くなるということですね。

沸点上昇については
⇒ 希薄溶液の蒸気圧降下と沸点上昇と凝固点降下
でも書いてありますが、溶媒の種類によって沸点上昇度は変わりますが、溶媒として出てくるのはほとんどが水です。

単体?それとも元素?

もう一つ、説明を加えておきます。

同じ名称で呼ばれたとき、単体を示しているのか、元素を示しているのか分かりづらい場合があります。
例えば、
「空気は窒素と酸素がだいたい4:1で混じっている」
と書かれた場合と、
「水は水素と酸素で構成されている」
といった場合、
空気の酸素は「単体」で、水の酸素は「元素」を示しています。

何が違うのか?
単体は、実際に存在している物質を示し、
元素は、物質の構成成分を示している、
ということができます。

元素は、化合物や物質を構成している「成分」として書かれている場合にいうのです。

例えば、血液をつくるのに鉄が必要だからといって、鉄を丸かじりする人はいないでしょう?
鉄分を含んだ食物をとる、ということですよね。
この場合は元素としての鉄ですからね。
間違っても鉄の棒をなめたりかじったりしないようにしましょう。w

今ではサプリの種類も多いですから、足りていない、と思う人はサプリで補うのも健康維持の手段の1つです。

混合物の分離の方法や

⇒ 混合物の分離 分留・再結晶・昇華法・抽出他

分離のときの注意点は

⇒ 混合物の分離と精製 ろ過・蒸留の注意点

どちらも基本的ですが重要なところなので参考にして下さい。