因数分解を利用して2次方程式を解く方法、手順です。
2次方程式を解くには公式があるので1つを覚えておけばすべて解けますが、因数分解を利用すると早く答えが出せる場合が多いです。
文章問題を解くときに立式された2次方程式は、因数分解で解ける問題がほとんどです。


2次方程式を因数分解で解く重要性

文章問題で立てた2次方程式が「ほとんど因数分解で解ける」というのは、
逆に言えば因数分解では解けない問題もあるということです。

しかし、それは2次方程式の係数がどうのこうのという代入問題、
面積がどうのこうのという図形の長さの問題、
関数の交点が無理数になる場合で、公立高校入試ではほとんどありません。
(関数の問題を文章問題と見るかどうかはどうでもいいです。)

他の文章問題、例えば人数に関する問題は整数であるはずだし、
年齢、代金、濃度、道のりなどの問題で無理数になることはないでしょう。

いろいろな文章問題の答えだけを見て回ってみて下さい。
無理数が答えになる問題で、数えることができるものが関係する場合はないはずです。

だから2次方程式を解く場合は因数分解を利用することから考えましょう。

単なる「2次方程式を解きなさい。」という問題では「解の公式を使えますか?」、
ということがあるので小問集合では別ですよ。

なぜかというのは、単に時間を無駄にしないということなので、「明らかに解の公式だろう」と思われるときは因数分解を試す必要もありません。
解の公式で突っ走って下さい。
もし、「あ、因数分解できたんだ。」と後で気がついたら、因数分解して見直しにすればいいのです。

因数分解で2次方程式を解くのは無駄な時間を省くためです。
解の公式がダメといっているのではありません。

2次方程式を因数分解を利用して解くときのコツ

因数分解のコツは簡単です。

⇒ 因数分解とは?公式と問題の解き方のポイント解説1(中学3年)

これは「式の計算」で相当な練習をしてきたはずなので、くどくど言わず2次方程式を解いていきましょう。

問題-(4)次の方程式を解きなさい。
 \(x^2-2x-35=0\)

\(x^2\) の係数が1で3項ある (\(x\) の1次の項もある)方程式の場合は、因数分解を利用することを先ず考えましょう。

因数分解のコツは、定数項から見るんでしたよね。

定数項の35が整数の因数の積となるのは
  \(\fbox{ 1 × 35 } \color{red}{\fbox{ 5 × 7 }}\)
だけです。

この2つの組のうち足したり、引いたりして1次の項の係数-2になる組み合わせを探せばいいのです。
5と7で、7に-を付ければ、\(x\) の1次の係数(2つの数の和)が-2にります。

 \((x+5)(x-7)=0\)

 \(x+5=0\) または \(x-7=0\) であれば左辺は0になるので、これらをを解けばいいのです。

 答え \(\underline{x=-5\,,\,7}\)

問題1-(5)次の方程式を解きなさい。
 \(x^2-9x+20=0\)

これも(4)と同様に定数項「+20」から見ます。
+20なので「両方+」か、「両方-」です。
 \(\fbox{ 1 × 5 } \fbox{ 2 × 10 } \color{red}{\fbox{ 4 × 5 }}\)
のうちで1次の項の係数が-9になるのは、\(\fbox{ 4 × 5 }\)の両方を「-」にするときで、

 \((x-4)(x-5)=0\)

これを解いて \(\underline{x=4\,,\,5}\)

このように2次方程式でも因数分解のコツは同じです。

少し数字を大きくしてみましょう。

問題1-(6)次の方程式を解きなさい。
 \(x^2+21x+108=0\)

定数項を見ると「+108」です。
定数項が+なので両方同じ符号(+や-のこと)です。
積が108になる組み合わせは、
 \(\fbox{1×108} \fbox{2×54} \fbox{3×36} \fbox{4×27} \fbox{6×18} \color{red}{\fbox{9×12}} \)
この中で+21を作れるのは \(\color{red}{9 と 12}\) の組み合わせで、

 \((x+9)(x+12)=0\) から答えは \(\underline{x=-9\,,\,-12}\)

これは組み合わせが多く感じるかもしれませんが、
 \(\fbox{ 1 ×108 }\)
 \(\fbox{ 2 × 54 }\)
 \(\fbox{ 3 × 36 }\)
 \(\fbox{ 4 × 27 }\)
 \(\fbox{ 6 × 18 }\)
 \(\color{red}{\fbox{ 9 × 12 }}\)
と縦に書き出すと、次は
 \(\fbox{ 12 × 9 }\) (左が右より大きくなったら終わり)
なので折り返した時点でやめればいいのです。

忘れがちな因数分解を利用する2次方程式(要注意)

因数分解の第一歩は?

共通因数を抜き出すことです。
これは高校生になっても変わりませんからね。

問題1-(7)次の方程式を解きなさい。
 \(7x^2=9x\)

因数分解の前に、2次方程式に限らず方程式では項をすべて左辺に集めることから始まります。
(1)の \(x^2=8^2\) ように左辺に集めなくてもできる方法もありますが、

⇒ 2次方程式を解の公式を使わず平方根を利用して解く方法(中3)

左辺に集めることから始めるのです。
因数分解できなくても2次方程式の場合なら解の公式で全て解決しますから。

 \(\begin{eqnarray}
7x^2&=&9x\\
7x^2-9x&=&0\\
x(7x-9)&=&0
\end{eqnarray}\)

ここで忘れていけないのは \(\color{red}{x=0}\) という解です。

上の2次方程式は \(x=0\) または \(7x-9=0\) で成り立ちます。

よって解は、\(\displaystyle \underline{x=0\,,\,\frac{9}{7}}\) です。

この \(x=0\) を忘れる人が多いので注意しておきましょう。
普通は2次方程式の解は2つありますよ。

しかし次は解が1つしかない場合です。

問題1-(8)次の方程式を解きなさい。
 \(x^2+16x+64=0\)

左辺にすべての項があるので基本通り定数項「64」に着目します。
 \(\fbox{1×64} \fbox{2×32} \fbox{4×16} \color{red}{\fbox{8×8}}\) 

この中で足して1次の項の係数+16になるのは \(\color{red}{\fbox{8×8}}\) です。

 \(\begin{eqnarray}
x^2+16x+64&=&0\\
(x+8)(x+8)&=&0\\
(x+8)^2&=&0
\end{eqnarray}\)

これは \((x+8)(x+8)=0\) を解くことで \(x=-8\) と \(x=-8\) のように同じ解が出てきます。
これを重解といいますが、1つの解を書くだけでいいです。

 (答え)\(\underline{x=-8}\)

もちろん \((x+8)^2=0\) を解いても \(x=-8\) です。
 \(A^2=0\) となるのは \(A=0\) だけです。

ただし、重解は解2つと数えますので「2次方程式の解は2つ」、といつも考えておいて下さい。
 \(x=0\) という解を忘れないためにです。

もう一つ、因数分解できなさそうで因数分解できる方程式をやっておきます。

問題1-(9)次の方程式を解きなさい。
 \(9x^2-49=0\)

これは実は平方根型の解き方で解は出ますが、因数分解もできるという問題です。

平方根を利用すると、
 \(\begin{eqnarray}
9x^2-49&=&0\\
9x^2&=&49\\
\displaystyle x^2&=&\frac{49}{9}\\
\displaystyle x&=&\pm \frac{7}{3}
\end{eqnarray}
\)

一方で、2次の項と定数項が平方数(二乗の数)なので因数分解もできます。

 \(\begin{eqnarray}
9x^2-49&=&0\\
(3x)^2-(7)^2&=&0\\
(3x+7)(3x-7)&=&0\\
\displaystyle x&=&-\frac{7}{3}\,,\,+\frac{7}{3}=\pm \frac{7}{3}
\end{eqnarray}
\)

これは \(x^2\) の係数が \(1\) じゃないし、共通因数もないのでわかりにくいですが、
係数が平方数のときによく使う因数分解ですね。

ここでは \(\color{red}{a^2-b^2=(a+b)(a-b)}\) を使ってます。

何度も言いますが、2次方程式では因数分解する方法から試す方がはやいです。
因数分解は計算問題だけじゃなく、方程式でも利用されるということです。

次は分数係数や小数係数を持つ2次方程式や、因数分解や解の公式を使う前の処理の仕方を説明しておきます。

中1の方程式でも詳しく説明してありますので、確認しておくといいです。

⇒ 分数や小数を係数に持つ1次方程式の問題と解き方(中1)

高校の数学でも使うことなので今のうちに習得しておくと後が楽です。
普通に数学の勉強をしていれば身についているはずなのですが、
計算が遅いという人はこういった基本作業ができていないことが多いですよ。

確認できたら2次方程式の解を求める最終段階に入りましょう。

⇒ 分数係数のある2次方程式を因数分解で解く方法と手順(中3)

ここを見直しておけば後は解の公式を使うだけです。