2次方程式の解を求めるとき因数分解が利用できるとはやいですが、因数分解できるかすぐに見分けることができない場合があります、
係数に分数や小数がある場合もそうですが、文章問題などで立式した方程式が左辺と右辺に文字式がある場合などもそうです。
しかし、方程式には決まった処理の仕方があります。


分数、小数の係数がある2次方程式の解き方

分数や小数が係数にあるときの方程式の解き方は、1次方程式でも同じです。
まずは分母、小数をなくすために両辺に同じ数をかけてしまいましょう。

⇒ 分数や小数を係数に持つ1次方程式の問題と解き方(中1)

方程式で分母や小数を残すメリットはないといってもいいくらいですよ。

問題1-(10)次の方程式を解きなさい。
 \(\displaystyle \frac{1}{12}x^2+\frac{1}{2}x-\frac{4}{3}=0\)

分母の最小公倍数「12」を両辺にかけます。
すると普通に因数分解できます。

 \(\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{12}\times \left(\frac{1}{12}x^2+\frac{1}{2}x-\frac{4}{3}\right)&=&\color{red}{12}\times 0\\
\displaystyle \color{red}{12}\times \frac{1}{12}x^2+\color{red}{12}\times \frac{1}{2}x-\color{red}{12}\times \frac{4}{3}&=&0\\
x^2+6x-16&=&0\\
(x+8)(x-2)&=&0\\
x&=&-8\,,\,2
\end{eqnarray}\)

これは暗算でできるレベルでしょう。
分数係数を含む方程式を見たらすぐに公倍数を両辺にかけましょう。
最小公倍数が一番いいですが、見つけにくいときは公倍数なら何でもいいです。

次も分数係数です。
ややこしそうに見えるけど、最初にすることは同じです。

問題1-(11)次の方程式を解きなさい。
 \(\displaystyle \frac{1}{2}-\frac{1}{3}x=\frac{1}{8}\left(x^2+\frac{1}{3}x\right)\)

分母をなくすために公倍数を両辺にかけましょう。
最小公倍数は「24」なので両辺に24をかけます。

 \(\begin{eqnarray}
\displaystyle 24\times\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{3}x\right)&=&24\times \frac{1}{8}\left(x^2+\frac{1}{3}x\right)\\
12-8x&=&3\left(x^2+\frac{1}{3}x\right)\\
12-8x&=&3x^2+x
\end{eqnarray}\)

または最初の公倍数がわかりにくいときは、右辺を展開して

 \(\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{1}{2}-\frac{1}{3}x&=&\frac{1}{8}\left(x^2+\frac{1}{3}x\right)\\
\displaystyle \frac{1}{2}-\frac{1}{3}x&=& \frac{1}{8}x^2+\frac{1}{24}x\\
\end{eqnarray}\)

としてからでもいいです。

 \(12-8x=3x^2+x\) 

このように左辺にも右辺にも項があると方程式は解きにくいので、左辺に全部を集めます
そうすれば今までと同じです。

 \(\begin{eqnarray}
12-8x&=&3x^2+x\\
12-8x-3x^2-x&=&0\\
-3x^2-9x+12&=&0\\
3x-2+9x-12&=&0\\
x^2+3x-4&=&0\\
(x+4)(x-1)&=&0\\
x&=&-4\,,\,1
 \end{eqnarray}\)

左辺と右辺両方に文字式がある方程式の解き方

前の問題でも少し説明しましたが、方程式を解くには左辺に全部を集めた方がわかりやすいです。
特に2次方程式は最終的に解の公式が使えるので解けないということがなくなります。

問題1-(12)次の方程式を解きなさい。
 \((x-8)(x+4)=22-x\)

パッと見た目左辺は因数分解された形に見えますが、使えません。
一度展開して左辺にすべての項を集めます。

 \(\begin{eqnarray}
(x-8)(x+4)&=&22-x\\
x^2-4x-32&=&22-x\\
x^2-4x-32-22+x&=&0\\
x^2-3x-54&=&0
\end{eqnarray}\)

ちょっと因数分解の基本に戻ります。
定数に着目して 54 になるのは、
 \(\fbox{ 1 × 54 } \fbox{ 2 × 27 } \fbox{ 3 × 18 } \color{red}{\fbox{ 6 × 9 }}\)
この中で1次の項の係数を-3にできるのは \(\fbox{ 6 × 9 }\) の組み合わせです。

 \(\begin{eqnarray}
x^2-3x-54&=&0\\
(x+6)(x-9)&=&0\\
\end{eqnarray}\)

よって解は、 \(\underline{x=-6\,,\,9}\)

後はすべて今までの手順で解けます。

問題1-(13)次の方程式を解きなさい。
 \((2x-3)^2-19=3(x^2-3x)\)

展開して左辺に集めます。

 \(\begin{eqnarray}
(2x-3)^2-19&=&3(x^2-3x)\\
4x^2-12x+9-19&=&3x^2-9x\\
4x^2-12x+9-19-3x^2+9x&=&0\\
x^2-3x-10&=&0\\
(x+2)(x-5)&=&0\\
x&=&-2\,,\,5
\end{eqnarray}\)

次は見た目に手が進まなくなるタイプです。笑

問題1-(14)次の方程式を解きなさい。
 \((x-7)(x-5)+(x-4)(x+4)=1\)

見た目にはめんどくさそうな方程式ですが、式の展開も含めた復習にはいいですよ。
左辺を展開し、項をすべて左辺に集めます。

 \(\begin{eqnarray}
(x-7)(x-5)+(x-4)(x+4)&=&1\\
(x^2-12x+35)+(x^2-16)&=&\color{red}{1}\\
x^2-12x+35+x^2-16\color{red}{-1}&=&0\\
2x^2-12x+18&=&0\\
x^2-6x+9&=&0\\
(x-3)^2&=&0\\
x&=&3 (\color{red}{重解})
\end{eqnarray}\)

数学のほとんどの項目で使うので、
式の展開でミスを減らす方法は復習しておきましょう。

⇒ 式の展開公式 練習問題と計算ミスを減らす方法

次も似たような確認問題です。

確認問題

ミスなしに解けるか、自分で解いてみるといいです。

問題1-(15)次の方程式を解きなさい。
 \((2x-1)^2=2x(x+2)+25\)

展開して、左辺にすべての項を集めます。
その後は因数分解できるか試しますが、展開しないと見えてきませんよ。

 \(\begin{eqnarray}
(2x-1)^2&=&2x(x+2)+25\\
4x^2-4x+1&=&2x^2+4x+25\\
4x^2-4x+1-2x^2-4x-25&=&0\\
2x^2-8x-24&=&0\\
x^2-4x-12&=&0\\
(x+2)(x-6)&=&0\\
x&=&-2\,,\,6
\end{eqnarray}\)

展開する、移項する、それだけで簡単に因数分解できて解が求まります。
めんどくさい、けど、やらないと数学の答えは見えてきません

ここまでが何の迷いもなく解けるようになれば、文章問題はほぼ大丈夫です。
もちろん立式のポイントをしっかり押さえておけば話ですよ。

次は解の公式を利用する2次方程式を解いておきましょう。
割と大学入試でも確認問題として取り上げられるので忘れないようにしておきましょうね。

⇒ 2次方程式を解の公式で解く問題の見分け方と例題

「解の公式」は使えて当たり前、の世界です。

しかし、文章問題を解ける方が高校入試では重要性が高いです。
ここまでの因数分解できるタイプは確実に処理できるようにしておきましょう。