愛知県公立高校入試2018(平成30年度)A日程で行われた数学の問題と解説です。
解答だけはなく解説を入れています。
全部をまとめると長くなりますので、各大問題番号でページを分けてあります。
ここでは大問1の(9)番までの解説ですが小問集合なので確実に取っておきたい問題です。

問題は愛知県の公式サイトで公開してくれています。

問題 ⇒ 愛知県A日程問題

正負の数、文字式、無理数の式の計算

(1)は正負の計算で簡単なものですが、暗算するとミスをしやすくなるのでこういう問題ほど確実に進めましょう。

加減乗除(足し算引き算かけ算割り算)が混じった計算では、
足し算引き算よりもかけ算割り算が先です。

 \(6-(-24)\div 6\\
=6-(-4)\\
=6+4=\underline{10}\)

(2)は分数の文字式の計算です。

分数計算では分母を一つしか書かないというのは、
会員にとっては当たり前ですよね。

普通の人は分母を二つ書いてももちろん良いですよ。

 \(\displaystyle \frac{7x-4}{8}-\frac{x-1}{2}\\
\displaystyle =\frac{(7x-4)-4(x-1)}{8}\\
\displaystyle =\frac{7x-4-4x+4}{8}\\
\displaystyle =\underline{\frac{3x}{8}}\)

通分は分母の最小公倍数ですると決まっているわけではありません
公倍数なら何でも良いんですよ、計算結果は同じになります。
最小公倍数を探すのに時間がかかるなら二つの分母をかけた数を分母にした方がはやいです。

 \(\displaystyle \frac{7x-4}{8}-\frac{x-1}{2}\\
\displaystyle =\frac{2(7x-4)-8(x-1)}{16}\\
\displaystyle =\frac{14x-8-8x+8}{16}\\
\displaystyle =\frac{6x}{16}=\frac{3x}{8}\)

「最小公倍数を見つけるのが遅い」
と生徒に文句を言っている先生がいましたが、それって生徒が遅いんじゃなくて教え方が悪いんです。笑

分母を一つにすることで分子の計算だけに集中することで計算ミスが減ります。

分子には(かっこ)が着いていることは忘れないようにしおきましょう。

(3)は無理数の足し算です。
通分が基本の分数計算ですが有理化を先にしていいですよ。

 \(\displaystyle \frac{3}{\sqrt{5}}+\frac{20}{5}\\
\displaystyle =\frac{3\color{red}{\sqrt{5}}}{\sqrt{5}\times \color{red}{\sqrt{5}}}+\frac{2\sqrt{5}}{5}\\
\displaystyle =\frac{3\sqrt{5}}{5}+\frac{2\sqrt{5}}{5}\\
\displaystyle =\frac{3\sqrt{5}+2\sqrt{5}}{5}\\
\displaystyle =\frac{5\sqrt{5}}{5}=\underline{\sqrt{5}}\)

この計算はどこまで省略するかは人によって違います。
しかし、あまり過度の暗算をするとミスします。
暗算で出せるってかっこいいと思っているのかわかりませんが間違えるとかっこ悪いですよ。

かっこ悪くても良いけど、点数落とすのもったいないでしょう?

(4)式の計算です。

(かっこ)の中を計算してから(かっこ)を外すのが普通です。

 \((2x-3)(x+2)-(x-2)(x+3)\\
=(2x^2+4x-3x-6)-(x^2+3x-2x-6)\\
=(2x^2+x-6)-(x^2+x-6)\\
=2x^2+x-6\color{red}{-}x^2\color{red}{-}x\color{red}{+}6\\
=\underline{x^2}\)

2行目の計算が暗算できる人は暗算で良いです。

2行目から3行目を計算する目にかっこを先に外すのはミスは増えません。

4行目の符号を間違えるミスが非常に多いので(かっこ)を外すのを一つの計算とみているのです。
二段階以上の暗算はしない、これ、ミスを減らすためには当たり前です。
(『覚え太郎』講座を受けている会員に向けて厳しめにいっています。非会員の人は気にしないでください。笑)

方程式とルートの着いた数が自然数になる条件

(5)は2次方程式です。

左辺に項をすべて集めて、右辺を0にすることから始めます。

 \(\begin{eqnarray}
(x+6)(x-2)+2&=&7x\\
x^2-2x+6x-12+2&=&7x\\
x^2+4x-10-7x&=&0\\
x^2-3x-10&=&0\\
(x+2)(x-5)&=&0\\
x&=&\underline{-2\,,\,5}
\end{eqnarray}\)

展開はと移項は順序は逆でも良いですが慎重にしましょう。
 \(\begin{eqnarray}
(x+6)(x-2)+2&=&7x\\
(x+6)(x-2)+2-7x&=&0\\
x^2+4x-10-7x&=&0\\
x^2-3x-10&=&0\\
(x+2)(x-5)&=&0\\
x&=&\underline{-2\,,\,5}
\end{eqnarray}\)

因数分解は定数項に注目ですね。
定数項の-10になるのは
 \(\color{black}{\fbox{1×10}}\) \(\color{red}{\fbox{2×5}}\)
の組しかありません。
どちらかにマイナスをつけ\(\,x\,\)の1次の項\(\,-3\,\)になるものを選べば良いだけです。

(6)\(\sqrt{24n}\)を自然数にします。

ルートの着いた数が自然数になるにはルートの中身が平方数にならなければなりません。
\(k\) が正の数だとすると
 \(\sqrt{k^2}=k\)
となることを利用します。

素因数分解すると
 \(24=2^2\times\color{red}{ 2\times 3}\)
ここで平方数になっていないのは \(\color{red}{2\times 3}\) の部分です。

この平方数になっていない部分を処理するだけです。

簡単に言えば最小の自然数なので \(n=2\times 3=\underline{6}\) が答えです。

 \(\begin{eqnarray}
\sqrt{24n}&=&\sqrt{2^2\times 2\times 3\times \color{red}{n}}\\
&=&\sqrt{2^2\times 2\times 3\times \color{red}{2\times 3}}\\
&=&\sqrt{2^2\times 2^2\times 3^2}\\
&=&2\times 2\times 3=12
\end{eqnarray}\)

もっと突っ込んで話すとこの\(\,n\,\)が
 \(\,n=2\times 3\times k^2\,\)
となっていれば、

 \(\begin{eqnarray}
\sqrt{24n}&=&\sqrt{2^2\times 2\times 3\times n}\\
&=&\sqrt{2^2\times 2\times 3\times 2\times 3\times k^2}\\
&=&\sqrt{2^2\times 2^2\times 3^2\times k^2}\\
&=&2\times 2\times 3\times k
\end{eqnarray}\)

のようにすべて自然数になります。
(\(\,k=0\,\)のときは\(\,\sqrt{24n}=0\,\)なので自然数ではありません。整数です。)

つまり、\(\,\sqrt{24n}\,\)が自然数になる\(\,n\,\)は無数にありますが、そのうち最小ものなので、
 \(\,k=1\,\)のとき\(\,\underline{n=6}\,\)
がこの問題の答えになります。

多くの問題では最小のものを聞いてくるのでそこまで考えなくてもいいです。
ただし、会員は普通の受験生より時間に余裕ができるはずなので『基礎レポート』を何度も読んでおくようにしてください。

連立方程式(文章題)のポイント

(7)は小問題集合としては少し手間のかかる文章題の連立方程式です。

高校入試の場合の連立方程式は文字二つまでしかありません。
だから条件を抜き出し、関係式を二つ作れば終わりです。

ただ、この問題は『全部で何人か』と聞いているので連立方程式を解けば終わりではありません。

条件を見つけます。

 1.生徒数が\(\,180\,\)人
 2.男子の\(\,16\,\)%、女子の\(\,20\,\)%が自転車通学
 3.自転車通学生は男子女子同じ

まず認識して欲しいのが、生徒は男子と女子しかいないということです。

ここで自転車通学している男子と女子を文字でおくのは間違いです。
「男子の\(\,16\,\)%」というのは男子全体が基準になっています。

文字でおく場合、基準になるものを文字で置くのでしたよね?

そこまでを覚えておけば後は単純作業です。

男子生徒を\(\,x\,\)人、女子生徒を\(\,y\,\)人とすると、
1.の関係式から

 \(x+y=180 ・・・①\)

次に2.の条件、自転車通学しているのは

 男子の\(\,16\,\)% \(\displaystyle \frac{16x}{100}\)
 女子の\(\,20\,\)% \(\displaystyle \frac{20y}{100}\)

3.の関係式から

 \(\displaystyle \frac{16x}{100}=\frac{20y}{100} ・・・②\)

答えは自転車通学している生徒数なので
 
 \(\displaystyle \frac{16x}{100}+\frac{20y}{100}\)

ですが、式変形がややこしくなる難しいことは考えない。
実際の人数を求めた方がはやいし、確実です。

人数なので整数で出なければ計算ミスしてますよ。

①②から\(\,x,y\,\)を求めます。

②を簡単にしておきましょう。

両辺\(\,100\,\)倍して様子を見ても良いのですが、係数をできるだけ小さくしておきます。

 \(\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{16x}{100}&=&\frac{20y}{100}\\
16x&=&20y\\
4x&=&5y ・・・②’
\end{eqnarray}\)

①②’から代入法でも加減法でも良いので連立方程式を解きます。
ここでは加減法にします。(代入法でもいいですよ。)

 \( \begin{cases}
\hspace{7pt} x+y=180 ・・・①\\ \\
\hspace{7pt} 4x=5y ・・・②’
\end{cases}\)

①を辺々4倍します。
 \(\,4x+4y=720 ・・・①’\,\)
②’の右辺を左辺に移項します。
 \(\,4x-5y=0 ・・・②”\,\)

 \(\,①’-②”\,\)より
 
 \(\hspace{10pt}4x+4y=720\\
\underline{-)4x-5y=0\hspace{10pt} }\\
\hspace{34pt}9y=720\\
\hspace{40pt}y=80
\)

女子は\(\,y=80\,\)人とわかりましたので男子は\(\,x=100\,\)人です。

よって求める自転車通学している生徒数は

 \(\displaystyle \frac{16\times 100}{100}+\frac{20\times 80}{100}\\
=16+16\\
=\underline{32}(人)\)

男子も女子も自転車通学者の数は同じなので片方を計算して2倍でも良いです。

説明くどいけど自分でやってみると「たいしたことない」というのがわかります。

標本の考え方

(8)は標本です。

これは確率よりも簡単で、出てくる値は単なる推測でしかありません。

抽出したサンプル数と母集団の比率が比例だということがわかればそれでいいのです。

\(\,60000\,\)世帯全部を調べるのは時間がかかるので、
無作為に\(\,300\,\)世帯調査して、比率が同じだと推測しよう、としているだけです。

 \(300:60000=45:x\)

比例式でも良いのですが、比例の便利な使い方で出します。

 \(\displaystyle 45\times \frac{60000}{300}=\underline{9000}(世帯)\)

これは推測なので、「およそ \(9000\) 世帯」が答えになります。

⇒ 比例式の応用 文章題への利用と便利な比の使い方

角度を求めるときのポイント

角度は図形における角度です。
なのでやることは決まっています。

図を書く、図に書き込む、それだけです。
この問題は与えられた図で十分足ります。

書き込むものは何か?

問題に与えられた条件すべてです。

なければ解けないから与えてくれているのですよ。

 \(\color{magenta}{\fbox{四角形\(\,\mathrm{ABCD}\,\)は長方形}}\)
 \(\color{black}{\fbox{\(\angle \mathrm{DEF}=18°\)}}\)
 \(\color{black}{\fbox{\(\angle \mathrm{FGC}=26°\)}}\)

一つ考えてみてください。

長方形は平行四辺形の一種です。
なぜこの問題は平行四辺形ではないのでしょうか?

長方形という条件が必要だからです。
単純な理由です。

これに与えられた条件をすべて書き込みます。
ついでにそれからわかることも書き込んでおきます。

\(\triangle \mathrm{DEF}\) において
 \(\begin{eqnarray}
\angle \mathrm{DFE}&=&180°-\color{red}{\angle \mathrm{EDF}}-\color{magenta}{\angle \mathrm{DEF}}\\
&=&180°-\color{red}{90°}-\color{magenta}{18°}=72°
\end{eqnarray}\)

\(\triangle \mathrm{CFG}\) において
 \(\begin{eqnarray}
\angle \mathrm{CFG}&=&180°-\color{red}{\angle \mathrm{FCG}}-\color{magenta}{\angle \mathrm{CGF}}\\
&=&180°-\color{red}{90°}-\color{magenta}{26°}=64°
\end{eqnarray}\)

もちろん直角を除いて(\(\,180°\,\)は抜きにして)
 \(\angle \mathrm{DFE}=90°-\angle \mathrm{DEF}=90°-18°=72°\)
 \(\angle \mathrm{CFG}=90°-\angle \mathrm{CGF}=90°-26°=64°\)
と求めておいても同じです。

これですべてです。

後は求めたい角度を求めるだけです。

 \(\begin{eqnarray}
\angle \mathrm{EFG}&=&180^{\circ}-\angle \mathrm{DFE}-\angle \mathrm{CFG}\\
&=&180^{\circ}-72^{\circ}-64^{\circ}\\
&=&\underline{44^{\circ}}
\end{eqnarray}\)

途中の計算に\(\,70^{\color{red}{\circ}}\,\)とか書いてますけど\(\,72\,\)と数値だけで進めて、
答えにきっちり角度記号をつけるとか「度」と書くとかすれば良いですよ。
どちらかは問題の指示に従うしかありません。

図形問題は図の中で完結させる、それがポイントです。

これで大問1が終わりです。

ここまでは時間もかかりませんが計算ミスを減らし、次に進みましょう。

⇒ 大問2

大問2は確率、文字式、座標(\(y=ax^2\)の比例定数)、1次関数のグラフの小問集合のような問題構成ですが、
見方を間違えると一つひとつが大問1よりは重く感じるかもしれません。

⇒ 全国の公立高校入試 数学過去問の解答解説(順次公開)

更新記録は「過去問解説まとめ」から確認してください。