身の回りにある植物にも多く含まれるデンプンなどの糖類には種類があります。それ以上加水分解されないブドウ糖のような単糖類やブドウ糖が2つ結合した二糖類、デンプンなどの多糖類などですが先ずは名前を覚えておきましょう。

糖類と言ってもいろいろな種類がありますが、そもそも糖類とは何か知っておきましょう。

糖類

天然に存在する高分子であるデンプンやセルロースは分子式 \(\mathrm {(C_6H_{10}O_5)}_n\) で表され加水分解するとブドウ糖や麦芽糖のような糖が得られますがもとの高分子はすべて植物の光合成によってつくられます。
これらの高分子や加水分解された糖などを「糖類」というのです。
また糖類はヒドロキシ基を多く含み、一般式を \(\mathrm{C_m(H_2O)_n}\) と表すこともでき、
炭素と水の化合物と見ることができるので「炭水化物」とも呼ばれます。

糖類の分類

単糖類

それ以上加水分解できない糖の最小単位としての糖を単糖類といいます。
分子式は \(\mathrm{C_6H_{12}O_6}\) で表されます。
ブドウ糖や果糖はこの単糖類になり果物などに含まれています。
ブドウ糖は有機化合物をあつかう上で重要なので分子式は覚えておくと良いでしょう。

二糖類

加水分解すると単糖類を2分子生じる糖類を二糖類と言います。
分子式はブドウ糖2分子から水1分子が取れた \(\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}}\) となり、麦芽糖やショ糖や乳糖が二糖類になります。

加水分解により1分子から単糖を2から10分子程度を生じる糖類を少糖類(オリゴ糖)といい、二糖類も少糖類に含みます。

多糖類

加水分解すると単糖類を多数生じる糖を多糖類といいます。
分子式はブドウ糖多分子から水が抜けたものとなるので \(\mathrm{(C_6H_{10}O_5)}_n\) と表されます。
デンプンや植物の細胞壁を構成するセルロース、グリコーゲンなども多糖類です。

単糖類や二糖類は水によく溶けて甘味を示すものが多いですが、多糖類は水に溶けにくくほとんど甘味は示しません。

糖類の加水分解

多糖類は酵素によって加水分解され、二糖類や単糖類まで分解され体内に吸収されます。
例えば、
デンプンは人の唾液に含まれるアミラーゼによって麦芽糖マルトース)に分解され、さらにマルターゼによってグルコースにまで分解され吸収されます。

セルロースはセルラーゼによってセルビオースに分解されますが、
人はこの酵素を持っていないので人はセルロースは分解できません。

草食動物などはセルラーゼを持っているので分解できます。
さらにセルビアーゼによってグルコースに分解して吸収します。
他にも加水分解すると生成する物質の例をあげておきます。

麦芽などに含まれるマルトース(麦芽糖)はデンプンの過程と同様グルコース2分子になります。

サトウキビなどに含まれるスクロース(ショ糖)はグルコースとフルクトースに分解されます。

動物の乳などに含まれるラクトース(乳糖)は酵素ラクターゼによってグルコースとガラクトースに分解されます。

ここで出てきた単糖類や二糖類の構造式は詳しく見ることにしますが、
単糖類が基本単位で組み合わせによって二糖類や多糖類ができていると言うことは覚えておきましょう。

糖類と炭水化物は同じものですのでややこしく考えないでくださいね。
炭水化物は太るとか、いやいや糖類は太るとか、どっちも同じもので悪いものではありません。
炭水化物はエネルギー効率のいい栄養素です。

太る原因は、病気でなければ「食べ過ぎ」ですよ。笑

もう少し詳しく書いておきました。
単糖類は
⇒ 単糖類(グルコースとフルクトース)の構造と性質
二糖類は
⇒ 二糖類(マルトース、スクロース、ラクトース)の構造と性質
多糖類は
⇒ 多糖類(デンプン、グリコーゲン、セルロース)の構造と性質
でもう少しだけ詳しく見ておいてください。
細かくやり過ぎると時間がかかりすぎますので、大まかに覚えてから余裕があれば「もっと詳しく」と進めた方が良いと思いますよ。