H28年度「化学基礎」のセンター試験第1問の解説は既にしましたが、今回は問題の続きとなる第2問の解説です。
第1問でお伝えしていますが、対策は分野を絞らず基本事項を広くすることです。
難しいことより基本中心の対策ですね。ここでも確認してみましょう。

さっそく問題に行きましょう。

問題は ⇒ 2016(平成28年度)センター試験「化学基礎」問題

第2問 「化学反応」と「酸と塩基」と「酸化還元」

問1-ダイヤモンド中の炭素の物質量

⇒ 物質量(mol)とモル質量と原子量の関係

物質量は単位がmolで質量と原子量から出せますね。
余談ですが宝石としてのダイヤモンドは4Cと呼ばれるもので品質分けされます。
color:色、carat:大きさ、clarity:質(透明度)、cut:カット(研磨)
価格は同じ4C評価でもブランドよって様々です。笑
さて、センターに戻りましょう。
1カラットのダイヤモンドは0.20gと問題に書いてあります。
ダイヤモンドは炭素だけでできているので、
「0.2gの炭素は何molか?」
という問題です。
 \(\displaystyle \mathrm{\frac{0.20}{12}}\) を計算するだけですので、「0.017」が答えですね。

問2-有機化合物の燃焼

⇒ 有機化合物の成分分析と組成式、分子式の決定

有機化合物の燃焼ですが、mol比が分かれば出せます。
もとの有機物から二酸化炭素の炭素すべてと、水の水素すべてが与えられます。
酸素は空気中の酸素も含むので有機物中の酸素か空気中の酸素か分かりません。
もとの有機物中に酸素を含んでいるかどうかも分かりません。
二酸化炭素(\(\mathrm{CO_2}\))は分子量が44なので1.1gは\(\mathrm{1.1\div 44=0.025mol}\)です。
水(\(\mathrm{H_2O}\))は分子量が18なので0.90gは\(\mathrm{0.90\div 18=0.050mol}\)です。
水には水素が2つあるので水素原子のモル数はこの2倍で\(\mathrm{0.050\times 2=0.10mol}\)となります。
ここまでで炭素と水素の原子数の比が出せます。

 \( \displaystyle \mathrm{C:H=0.025:0.10=1:4}\)

つまりもとの有機物の炭素と水素の原子数の比は1:4だということで、選択肢が2つに絞られます。
 炭素0.025molは\(\mathrm{0.025\times 12=0.30g}\)、
 水素0.10molは\(\mathrm{0.10\times 1=0.10g}\)
これらは合わせてももとの有機化合物0.80gには足りていません。
ということはもとの有機化合物は酸素も0.40g含んでいたということになり、答えは1つになります。
ちなみに酸素の原子量は16なので0.40gは0.025molです。
従ってもとの有機化合物はC:H:O=1:4:1の構成比となるはずですが答えもその通りですよね。
ややこしそうに見えますが実際に計算してみると計算自体は算数です。
分かることだけでも書き出して計算してみましょうね。

⇒ 有機化合物の実験式(組成式)を求める計算と分子式の決定

こちらも参考にして下さい。

問3-水溶液のモル濃度の計算

⇒ 溶液の濃度 質量パーセント濃度とモル濃度

溶液1L中の物質量(mol)が分かれば良いだけです。
密度が \(\mathrm{1.0g/cm^3}\) なので1L(\(\mathrm{1000cm^3}\))では1000gになります。
この5%がブドウ糖の質量になるので50gです。
では50gのブドウ糖は何モルか?
ブドウ糖の分子量は180なので、\(\mathrm{50\div 180}\)を計算すると答えは「0.28」を選べば良いというのが分かります。

問4-中和滴定

⇒ 中和滴定曲線の考察とpHジャンプ 指示薬の選択は?

中和滴定ではpHジャンプする点に気をつけて指示薬を決めます。
滴下量を見てみると0.2mlずつ滴下しているところと大胆に入れているところが書かれていますが、滴下量を少なくしているところはpHの変化が大きいところですのでそのあたりに注意しておけば大丈夫です。
中和点はpHジャンプしている付近にあるので、変化が大きくなり始めたpHと変化が小さくなり出した中間あたりに変色域を持つ指示薬ですね。

問5-塩が水に溶けたとき酸性を示すか、塩基性を示すか?

⇒ 中和反応によってできる塩の性質と種類

これは割と簡単に判断できます。
水に溶けたとき強酸と強塩基の塩は中性、強酸と弱塩基の塩は酸性、弱酸と強塩基の塩は塩基性を示します。
(弱酸と弱塩基は場合によって変わるのである程度の条件がないと分かりません。)

水溶液が酸性を示すのは強酸と弱塩基の塩なので、
 \(\mathrm{NH_4Cl}\) と \(\mathrm{(NH_4)_2SO_4}\) ですね。
水溶液が塩基性を示すのは弱酸と強塩基の塩なので、
 \(\mathrm{CH_3COONa}\) と \(\mathrm{Na_2CO_3}\) です。

問6-酸化還元反応

⇒ 酸化還元反応 定義と電子の授受

問題は酸化還元反応を「含まないもの」を選ぶ問題です。
化学反応でも酸化数の変化が無い場合は酸化還元反応ではありませんので、酸化数の変化のない反応を探さなくてはなりません。
すべての化学反応式を書き出すか、特定の反応を選択するか、で当たりを引く?笑
もう一つの選択科目によりますが時間が足り無い場合は後回しにするか、
できるだけ反応を見てみる時間を他の問題で作れると良いですね。
 過マンガン酸カリウム (\(\mathrm{KMnO_4}\))、
 シュウ酸 (\(\mathrm{(COOH)_2}\))、
 硝酸銀 (\(\mathrm{AgNO_3}\))、
 ヨウ化カリウム (\( \mathrm{KI}\))
などの分子式、組成式を知らないと反応式はかけません。
過マンガン酸カリウムなんかはほとんどの場合酸化剤として使われるので酸化還元からは外せませんが、他は変色、気体発生なので何となくは分かるかもしれませんね。
硝酸銀と塩化ナトリウムの反応は

 \( \mathrm{AgNO_3+NaCl \rightarrow AgCl+NaNO_3}\)

で塩化銀の溶解度が小さいので沈澱になりますが酸化数は変化無しです。

問7-電池(酸化還元)

⇒ 金属の酸化還元 イオン化傾向と反応性

イオン化傾向は覚えておいた方が良いですね。
でもこの問題は関係ありません。
金属が電池の電極になるという話でイオンになると陽イオンになり電子を放出するということさえ知っていれば良い問題です。
電子を放出して「陽イオン」になるから「酸化」されています。
電子を出す側なので「負極」ですね。

以上です。
もう一度第1問

⇒ センター試験「化学基礎」過去の問題(H28年度)の第1問

から見直してください。

出題にかたよりがなく、化学基礎全体からの出題で、基本を広い範囲で復習することが対策になります