センター試験化学2018年(平成30年)度センター試験化学の続き第3問の解説です。
無機化合物、ハロゲン、元素の性質、硫化物、水和物の計算とやはり広い範囲の内容になっています。
計算問題は論理的に求めることはできますが、いざとなれば答から選べるので紹介します。

平成30年度センター試験化学第3問です。

問題はこちら(大学入試センターにもあります。)

⇒ 2018平成30年度センター試験化学問題

問1
宝石が好きな人なら聞いたことあるかもしれませんが、高校生には余りなじみがないことです。
ルビーとサファイアは主な構成物質(酸化アルミニウム))が同じです。

 \( \mathrm{Al_2O_3}\)

これに不純物となる \(\mathrm{Cr \,,\,Fe\,,\,Ti}\) などの含有量で色に違いが出ます。
ちなみに④にもあるようにガラスもそうですが、水晶(ロッククリスタル)やアメジスト(紫水晶)は \(\mathrm{SiO_2}\) の結晶です。
酸化マグネシウムの結晶で宝石?知りません。笑
 1:①

問2
ハロゲンは周期表の右から2番目にある元素です。

 \( \mathrm{F\,,\,Cl\,,\,Br\,,\,I}\)

までを覚えておけば大丈夫です。
代表的な塩素のオキソ酸である次亜塩素酸と過塩素酸の化学式を知ってれば関係ありません。
次亜塩素酸(同年の化学基礎でも出てましたが漂白剤として使われます。)

 \( \mathrm{HClO}\)

ただ、これは \(\mathrm{H-O-Cl}\) という結合をしているので、
塩素の酸化数は+1です。
過塩素酸

 \( \mathrm{HClO_4}\)

これは \(\mathrm{H-O-Cl(=0)_3}\) となっていて酸化数+7の結構過激な物質です。
塩素の酸化数が+1で最大というのは誤りです。
 2:④

⇒ ハロゲン単体と化合物の製法と性質

問3
反応式が書ければ少しは分かりやすいかもしれませんが、
鉛の塩化物と硫化物は溶解度が小さいので沈澱になりやすい、ということで十分です。

塩化ナトリウムと濃硫酸との反応

 \( \mathrm{NaCl+H_2SO_4 \rightarrow NaHSO_4 + HCl \uparrow }\)

何故

 \( \mathrm{2NaCl+H_2SO_4 \rightarrow Na_2SO_4 + 2HCl\uparrow }\)

ではないかというと長くなるので \(\mathrm{HCl}\) も出てくるし、
硫酸の電離も第1段階で止まってしまうから、としておきます。
いずれにしても \(\mathrm{HCl}\) が発生する気体です。

硫化鉄と希硫酸の反応
これは(硫化鉄 ⇒ 硫化鉄(Ⅱ))と問題に訂正が入ったようです。
どっちにしても発生する気体は \(\mathrm{H_2S}\) と推測はできますけど。

 \( \mathrm{FeS+H_2SO_4 \rightarrow FeSO_4+H_2S} \uparrow \)

つまり \(\mathrm{HCl\,,\,H_2S}\) の両方に共通する性質を見つければ良いのです。
鉛の塩は溶けにくい、です。
硫化鉛なんて溶けないといって良いくらい解けません。
 3:②

⇒ 硫酸の製法(接触法)と硫化水素の製法と性質

問4
周期表と単体、化合物の性質です。
周期表を第1問でも書いているでしょうから見ながら考えると早いです。

\( \mathrm{H}\)\( \mathrm{He}\)
\( \mathrm{Li}\)\( \mathrm{Be}\)\( \mathrm{B}\)\( \mathrm{C}\)\( \mathrm{N}\)\( \mathrm{O}\)\( \mathrm{F}\)\( \mathrm{Ne}\)
\( \mathrm{Na}\)\( \mathrm{Mg}\)\( \mathrm{Al}\)\( \mathrm{Si}\)\( \mathrm{P}\)\( \mathrm{S}\)\( \mathrm{Cl}\)\( \mathrm{Ar}\)
\( \mathrm{K}\)\( \mathrm{Ca}\)

 

単体が気体なのは \(\mathrm{N\,,\,O\,,\,Cl}\) ですが、
そのうち同族(周期表で1つ下)で自然発火する同素体 \(\mathrm{P}\) を持つのは、

 \( \mathrm{N}\)

硫黄も同素体は持ちますが自然発火はしません。
また、常温(20℃くらい)で比べた場合、
硫酸塩が水に良く溶けるのは

 \( \mathrm{Na_SO_4\,,\,MgSO_4}\)

ですが、\(\mathrm{Na\,,\,Mg}\) の1つ下の同族元素で硫酸塩が水に溶けにくいのは、

 \( \mathrm{CaSO_4}\)

なので \(\mathrm{Mg}\) としぼれます。

ちなみに、\(\mathrm{Ca(OH)_2}\) は「溶けにくい」程度ですが、
\(\mathrm{Mg(OH)_2}\) は「全く溶けない」レベルで比較になりません。
溶けなくはないですけど「比べると溶けにくい」ということですね。
 4:④  5:③

⇒ 窒素の単体と化合物およびリンの同素体と化合物

問5
この計算問題は整数という性質を利用して解けなくもありません。
数学が得意な人は論理的に解いてください。
ここでは「あ、計算難しそうだからあきらめよう(勘でマーク)」、
そう思った瞬間に何をするかということを考えてみましょう。

答は6つ選択肢があります。
これら全部の式量から逆に問題に適合するものを選ぶのです。

先ずは問題の条件から水和水の比率を出しておきましょう。
400℃とか段階的に水和水が失われるとか関係ありませんよ。
最初と最後を見れば水和水の全部がわかります。
 
 \(\mathrm{MSO_4}\cdot n \mathrm{H_2O}\) の \(4.82\,(\mathrm{g})\) から
 水和水 \(4.82-3.02=1.80\,(\mathrm{g})\) が失われます。

つまり「水和物の質量全体」と「水和水」の比率は

 \( 4.82:1.80=482:180\)

この比率は比較しやすい適当な数値に換えてもおいても良いです。
 
 \( \underline{482:180=241:90}\)

ここまではできないとさすがに答は勘に頼ることになります。

この後です。
「 \(n\,,\,m\) は7以下の整数であり、」
という条件で整数問題を解くのだな、と考えるかもしれませんが、
そんなことしません。
(本当はすべきなので、問題集などの解答を参考にして下さい。)

解答の選択肢を見てください。
3つの金属があります。

 \( \mathrm{Mg=24\,,\,Mn=55\,,\,Ni=59}\)

これらの原子量は問題の始めに書いてあるじゃないですか。
これは使うから載せてくれているんでしょう?
すべての式量と水和水の比率を出しましょうよ。
中学生にでもできます。

共通する式量は

 \( \mathrm{SO_4^{2-}}=32+4\times16=96\)

 \( \mathrm{H_2O}=18\)

なので

 \( \mathrm{MgSO_4\cdot 5H_2O}=24+96+5\times 18=210\)

これに含まれる水和水は

 \( \mathrm{5H_2O}=5\times 18=90\)

だから比率は
 ①
 \(\mathrm{(MgSO_4\cdot 5H_2O)\,:\,5H_2O}\\ \\
=\,210\,:\,90\)

同じように
 ②
 \(\mathrm{(MgSO_4\cdot 7H_2O)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}7H_2O}\\ \\
=(24+96+7\times 18)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}(7\times 18)\\ \\
=246\,:\,126\)

 ③
 \(\mathrm{(MnSO_4\cdot 4H_2O)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}4H_2O}\\ \\
=(55+96+4\times 18)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}(4\times 18)\\ \\
=223\,:\,72\)

 ④
 \(\mathrm{(MnSO_4\cdot 5H_2O)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}5H_2O}\\ \\
=(55+96+5\times 18)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}(5\times 18)\\ \\
=\underline{241\,:\,90}\)

答は出ましたが、後の2つも計算しておきます。
 ⑤
 \(\mathrm{(NiSO_4\cdot 4H_2O)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}4H_2O}\\ \\
=(59+96+4\times 18)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}(4\times 18)\\ \\
=227\,:\,72\)

 ⑥
 \(\mathrm{(NiSO_4\cdot 7H_2O)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}7H_2O}\\ \\
=(59+96+7\times 18)\hspace{7pt}:\hspace{7pt}(7\times 18)\\ \\
=281\,:\,126\)

答は④ですね。笑

 6:④

このうち1つでも立式できるなら金属の原子量を \(x\) として

 \( x+96+18n\,:\,18n\,=\,4.82\,:\,1.80\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} (x+96+18n)\times 180=18n\times 482\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 5(x+18n+96)=241n\)

とすることで「5と241が互いに素」であることから、
 \(n=5k\) 「ッぽい」と考えて \(n\,≦\,7\) から \(n=5\)
さらにこのとき

 \(x+18 \times 5 +96=241\) から \(x=55=\mathrm{Mn}\)

だから \(\mathrm{MnSO_4\cdot 5H_2O}\) とするのは乱暴ですかね?

ここまでが第3問で、配点は23点です。
第1問から第3問までで71点?

基本的なことしか聞かれてませんよ。

⇒ センター試験化学の過去問 2018年度第1問の解説

⇒ センター試験化学の過去問 2018年度第2問の解説 

センター試験であろうと共通テストであろうと、変わりません。
たぶん。

次は第4問

⇒ センター試験化学の過去問 2018年度第4問(有機化学分野)の解説

有機分野の問題です。