物質量を表す単位のmol(モル)と原子や分子の数との関係はアボガドロ定数と比例関係にあります。今後の化学の計算問題はこの比例関係が扱えるかどうかにかかってくるというくらい重要ですので計算問題でいくつか練習しておきましょう。
物質量の単位モル(mol)と粒子の原子や分子の数は、
\(\color{red}{(粒子の数)=(6.0\times 10^{23})\times (\mathrm{mol})}\)
で求まります。
関係式はこのひとつで粒子の数は求まりますので覚えましょう。
というより、
1mol が \(6.0\times 10^{23}\) 個の粒子の集まり、
と覚えておけばすむ話です。
これから先の化学計算ではずっと使うし、
非常に大切なところなので使えるようになっておきましょう。
(1)水(\( \mathrm {H_2O}\))3molには水分子が何個含まれるか。
1molで \(6.0\times 10^{23}\) 個なので、
3molでは3倍の
\(6.0\times 10^{23}\times \color{red}{3}=18.0\times 10^{23}=1.8\times 10^{24}\) 個あります。
(2)水分子(\(\mathrm {H_2O}\))1molには水素原子が何個含まれるか。
水分子(\(\mathrm {H_2O}\))1mol中に水素原子は2molある。
1molで \(6.0\times 10^{23}\) 個なので、
2molでは2倍の
\(6.0\times 10^{23}\times \color{red}{2}=12.0\times 10^{23}=1.2\times 10^{24}\) 個あります。
(3)水分子(\(\mathrm {H_2O}\))2molには水素原子が何個含まれるか。
水分子(\(\mathrm {H_2O}\))2mol中に水素原子は4molある。
1molで \(6.0\times 10^{23}\) 個なので、
4molでは4倍の
\(6.0\times 10^{23}\times \color{red}{4}=24.0\times 10^{23}=2.4\times 10^{24}\) 個あります。
(4)水分子(\(\mathrm {H_2O}\))0.2molには水素原子が何個含まれるか。
水分子(\(\mathrm {H_2O}\))0.2 mol中に水素原子は0.4 molある。
1molで \(6.0\times 10^{23}\) 個なので、
0.4 molでは 0.4 倍の
\(6.0\times 10^{23}\times \color{red}{0.4}=2.4\times 10^{23}\) 個あります。
(5)水分子(\(\mathrm {H_2O}\)) \(12.0\times 10^{23}\) 個の物質量はいくらか。
水分子(\(\mathrm {H_2O}\))\( 6.0\times 10^{23}\) 個で 1.0mol なので、
\( 12.0\times 10^{23}\) 個では
\(\displaystyle (12.0\times 10^{23})\div (6.0\times 10^{23})=\frac{12.0\times 10^{23}}{6.0\times 10^{23}}=2.0\) mol
あります。
(6)水分子(\(\mathrm {H_2O}\)) \(12.0\times 10^{23}\) 個の中に水素原子は何molあるか。
水分子(\(\mathrm {H_2O}\))\(12.0\times 10^{23}\) 中に水分子自体が2.0molあります。
水素原子は2倍あるので4.0mol。
水分子 \(12.0\times 10^{23}\) 中に水素原子は \(24.0\times 10^{23}\) 個あるので
\(\displaystyle(24.0\times 10^{23})\div (6.0\times 10^{23})=\frac{24.0\times 10^{23}}{6.0\times 10^{23}}=4.0\) mol
としても良いです。
質量との関係もこれから考えることになりますが、
先ずは物質量の単位、モル(mol)になれてください。
計算方法に関して「化学では化学の解き方がある」という訳ではありません。
化学の計算問題では「比例」がかなり多くの割合を占めていますので、普通の中学生なら1年でならう「比例式」を使って方程式として解いてかまいませんよ。
数学じゃないから数学を使ってはいけないなんてことはありませんからね。
むしろ数学があって、化学がある、と考えておいた方が良いです。
化学には化学の用語がありますが、法則などは数学が土台にあって成り立つことを示されているのです。
計算問題に弱い、と感じたら数学の比例問題と思って取り組んでみてください。
覚えておかなければならない定数もあります。
⇒ 物質量とmol(モル)とアボガドロ定数
にはもう一度目を通しておいてもらうことにして、
計算は自分でやってみてください。
数学でもそうですが人の計算をみて自分でやった気になっている人多いです。
力にはなっていませんから。笑