化学では物質の原子や分子の量を反応量として利用します。原子や分子の粒子数はアボガドロ定数によってmolに換算しますが、これを身近な量にするためにモル質量で考えるようになります。原子量とモル質量との関係を覚えておきましょう。
物質の反応量をmol(モル)で表すのですが、これをg(グラム)という身近な単位にける練習と用語の確認をしておきます。
ちょっとややこしいですが、ここでむずかしく考えると先に進めませんので先ずは使えるようになることです。
モル質量
物質1mol分の質量をモル質量といいます。
つまり物質が1モル集まったら何gになるかということです。
原子のモル質量は原子量に単位となる \(\color{red}{\mathrm{g/mol}}\) をつけたものです。
同じように分子、イオンのモル質量は分子量、式量にg/molをつけたものになります。
例えば,
水( \(\mathrm {H_2O}\) )のモル質量は原子量が
\(\mathrm H=1 , \mathrm O=16\) なので
\( \mathrm{1\times 2+16=18} \mathrm{(g/mol)}\) です。
アンモニア( \(\mathrm {NH_3}\) )のモル質量は
\( \mathrm N=14 , \mathrm H=1\) なので
\( 14+1\times 3=17 \mathrm{(g/mol)}\) です。
このように原子量の総和にg/molをつければ良いのですが、
モル質量という言葉がややこしいです。
ちょっと答えが変わる聞かれ方ですが、
「水のモル質量は?」と聞かれれば、「18g/mol」と答えます。
「水1molの質量は?」と聞かれれば、「18g 」と答えます。
「モル質量」とは、1モルあたりの質量なので g/mol が単位となり、
「物質1molの質量」は原子量、分子量、式量に g をつけたものになります。
水のモル質量は18g/molで変わりません。
水1モルは18g、水2モルは36g、水3モルは54gと変わります。
物質量と物質の質量の関係式
上でも例をあげましたが、モル質量は単位量なので変化しませんが、
質量は物質量(モル)によって変化します。
物質の質量はモル質量に物質量をかければ求まる比例関係にあるのでむずかしくありません。
(物質の質量)=(モル質量)×(物質量) ・・・①
または
(物質量)=(物質の質量)÷(モル質量) ・・・②
となります。
化学計算のほとんどが物質量を使いますのでどちらかといえば②をよく使うことになります。
これから体積(L)との関係に進むのですが、
物質量(モル)を求められるようになるのが先ですので少し練習しておきましょう。
水36gの物質量を求めよ。
水(\(\mathrm {H_2O}=18\))のモル質量は18g/molなので
\(\displaystyle 36\div 18=\frac{36}{18}=2.0\) (mol)
酸素16gの物質量を求めよ。
酸素(\(\mathrm O_2=32\))のモル質量は32g/molなので
\(\displaystyle 16\div 32=\frac{16}{32}=0.5\) (mol)
少し変えて見ます。
原子、分子数(粒子数)から質量を求めてみましょう。
水分子 \(1.2\times 10^{24}\) 個の質量を求めよ。
水分子 \(1.2\times 10^{24}\) 個は
\(\hspace{10pt} \mathrm{(1.2\times 10^{24})\div (6.0\times 10^{23})}\\
\displaystyle =\frac{12\times 10^{23}}{6.0\times 10^{23}}\\
=2 \mathrm {mol}\)
なので質量は
\(\hspace{10pt}\,\mathrm{18 \,(g/mol)\times 2\, (mol)}\\
=36\, (\mathrm{g})\)
物質の量は質量(g)よりも物質量(mol)が化学計算には使われます。
を参考にして、
物質の粒子の数や質量から物質量に換算する練習はしておいた方が良いですよ。
化学計算が苦手といっている人の多くは化学で必要な定数を覚えていません。
公式ではなく定数ですので覚えるしかないといっても良いので先ずは覚えましょう。
公式はどうにかすれば求めることも可能ですが、定数はなかなか求められるものではありませんからね。
覚えなくてはならない定数が求められるなら、
定数は覚えているはずですが。笑
確認しておきましょう。