元素の周期表によって並べられた元素は、大きく分類して典型元素と遷移元素に分けられます。どういう分け方なのか、またそれぞれにはどのような性質があるのか見てみましょう。族生によって規則分けできないのはどちらか分かりますか?
典型元素
周期表の1族と2族、それと12族~18族の元素を典型元素といいます。
典型元素の特徴
典型元素の電子配置は原子番号の順に最外殻に電子が入っていきます。
価電子数は18族の希ガスは価電子数が0ですが、そのほかの典型元素は周期的に変化し族の番号の1の位の数と一致します。
例えば、炭素は14族の元素ですが価電子数は4、硫黄は16族になりますが価電子数は6です。
周期表の左から右に向かって価電子数が1つずつ増えるので化学的性質も周期律をはっきり示します。
だから同族元素では似た化学的性質を持っています。
1,2族 | 3~11族 | 12~18族 |
典型元素 | 遷移元素 | 典型元素 |
遷移元素
第4周期以降に現れる周期表の3族~11族の元素を遷移元素といます。
遷移元素の特徴
典型元素のように周期性があまりはっきりしません。
電子配置は原子番号の順に最外殻の1つ内側の電子殻に電子が入っていきます。
(ここは少しややこしいので今説明してもたぶん分かりません。「化学」でもっと詳しく電子軌道(オービタル)を学んでから納得した方がいいと思います。)
価電子数は1か2でほとんど変化しません。
価電子が変化しないということは周期律もはっきりしません。
同族元素どうしだけではなく、同周期の元素どうし(同周期元素)特にとなりどうしの元素で似た化学的性質を示します。
前後左右で似た性質を示すということですね。
また、遷移元素は最外殻電子だけでなく、内側の殻にある電子も一部価電子として働くことがあるので、
いろいろな価数を持つイオンが生成し、その化合物やイオンには特有の色を示すものが多いです。
典型元素と遷移元素の違いと性質
典型元素は金属元素と非金属元素の両方がありますが、遷移元素はすべて金属元素です。
典型元素は一定の酸化数ををとるのに対して、遷移元素では同一元素でも酸化数の違うものがあります。
遷移元素は典型元素より一般的に融点が高くて、密度も大きい傾向があります。
遷移元素は安定な錯イオンをつくりやすく色を示すものが多いです。
遷移元素の単体や化合物は触媒になるものが多いです。
ちょっと軽い問題です。
(1)非金属元素が多い。
(2)価電子数は1または2のものが多い。
(3)周期律をはっきり示す。
(1)~(3)のうち遷移元素の性質を示すのはどれか?
遷移元素はすべて金属元素で、周期律ははっきりしません。
価電子数は1か2のものがほとんどですので、答えは(2)です。
典型元素と遷移元素の違いは理論的に理解しようとすると分かりにくいです。
今は周期表をみて、
第4周期以降の3族から11族が遷移元素
と覚えておくと良いでしょう。
12族までではありませんよ。
周期表は12族で切れているように見えますが、11族までが遷移元素です。
次はさらにややこしくしてしまいそうな金属元素と非金属元素の分類と性質の比較をしてみます。
周期表の基本は
で復習しておきましょう。