中和反応(滴定)の基本的な計算練習問題

中和滴定において反応が完了したときの量的な関係や濃度の計算問題が良く出ます。
ここでは中和を狭い意味での定義として酸と塩基から水ができる場合の計算問題を解けるようになっておきましょう。
水素イオンの数と水酸化物イオンの数を等しくすれば良いだけですよ。

中和反応とは、
 酸から生じる水素イオン \mathrm{H^+} と、
 塩基からでる水酸化物イオン \mathrm{OH^-} とが反応して水ができる反応
と定義されます。

広い意味では違った定義もできますが、これで良いのです。

また中和反応の反応式は、
正塩が生成するまでの反応式を書く必要があります。

そのため2価以上の酸や塩基の中和では気をつけておかなければなりません。

⇒ 中和反応の量的関係と中和の公式

つまり、中和した時点で水素イオンや水酸化物イオンは残っていない状態にしておく必要があるのです。
関係式で言うと、中和した状態では
 『酸の持っていた水素イオン』=『塩基の持っていた水酸化物イオン』
という単純なものです。
だから難しく考えず取り組んで見てください。
学校の先生や問題集のように一気に式を立てる必要はありません。
1つずつ計算して、等量関係をつくっていきましょう。

例題1

 0.3molの水酸化バリウムを中和する硫酸は何molか求めよ。

先ずは価数を確認するために化学式を書き出しましょう。
 水酸化バリウム \mathrm{Ba(OH)_2}
 硫酸 \mathrm{H_2SO_4}
で、どちらも2価です。
  \mathrm{H_2SO_4+Ba(OH)_2\rightarrow BaSO_4+2H_2O}
 水酸化バリウム1個から水酸化物イオン2個
 硫酸1個から水素イオン2個
出てくるということです。

求めたいものを x とおくのは数学の方程式(中学1年)と同じです。

水酸化バリウム0.3molから出てくる水酸化物イオンは
 0.3\times 2=0.6 (mol)
硫酸 x (mol)から出てくる水素イオンは
 x\times 2=2x (mol)
中和したときこれらが等しくいなるので
 0.6=2x\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}\underline{x=0.3} (mol)

ここらへんはまだ大丈夫でしょう?

例題2

 0.1molの水酸化ナトリウムを中和する硫酸は何gか求めよ。
 \mathrm{H=1\,,\,S=32\,,\,O=16}

いきなりmolじゃなくなった、と思わなくて大丈夫です。

水酸化ナトリウム \mathrm{NaOH} 1価
硫酸 \mathrm{H_2SO_4} 2価
 \mathrm{H_SO_4+2NaOH \rightarrow Na_2SO_4+2H_2O}

求める硫酸の質量を x (g) とすると
硫酸のmol数は1molが \mathrm{H_2SO_4=98} なので
 \dfrac{x}{98} (mol)
硫酸から出てくる水素イオンは
 \dfrac{x}{98}\times 2
これが \mathrm{NaOH} から出てくる水酸化物イオン0.1molと等しいとき中和するので
  \dfrac{x}{98}\times 2=0.1\\ \\   \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 2x=9.8\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}\underline{x=4.9} (g)

計算は中学1年生でも出来る程度です。

例題3

 10gの水酸化ナトリウムを中和するには硫酸が何g必要か求めよ。
 \mathrm{Na=23\,,\,O=16\,,\,H=1\,,\,S=32}

今度は両方質量です。
しかし、物質量(mol)に換算します。
イオンの数は質量ではなく、物質量に比例するからですよ。
 \mathrm{H_2SO_4+2NaOH \rightarrow Na_2SO_4+2H_2O}

水酸化ナトリウム \mathrm{NaOH=40} 10gは
 \dfrac{10}{40} (mol)
なので持っている \mathrm{OH^-} のmol数も1価なので同じです。

硫酸 \mathrm{H_2SO_4=98} の x g は
 \dfrac{x}{98} (mol)
で水素イオンは2価なので
 \dfrac{x}{98}\times 2

中和するときこれらが等しいので、
 \dfrac{10}{40}=\dfrac{x}{98}\times 2\\ \\   \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}98=8x\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}\underline{x=12.25}(g)

今度は濃度がある溶液の中和です。

例題4

 8gの水酸化ナトリウムを中和するには、20%の塩酸が何gいるか求めよ。
 \mathrm{Na=23\,,\,O=16\,,\,H=1\,,\,Cl=35.5}

 \mathrm{NaOH=40}
 \mathrm{HCl=36.5}
 \mathrm{HCl+NaOH \rightarrow NaCl+H_2O}
先ずは分かることを書き出しておくと良いです。

 8gの \mathrm{NaOH} からは
 \dfrac{8}{40} (mol)
の水酸化物イオンが出てきます。

 塩酸は塩化水素の水溶液です。
20%の塩酸が x gあるとすると塩化水素そのものは
 \dfrac{20}{100}x=0.2x g
あることになります。
(分数のままでも良いですが後でさらに分数にするので小数にかえておきました。)

ではこれは何molか?
塩酸1molが36.5(g)なので
 \dfrac{0.2x}{36.5}

水素イオンの物質量と水酸化物イオンの物質量は中和したとき等しいので、
 \dfrac{0.2x}{36.5}=\dfrac{8}{40}\\ \\   \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 0.2x\times 40=8\times 36.5\\ \\   \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 8x=8\times 36.5\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}\underline{x=36.5}

次は溶液の濃度と量の関係に進んで見ましょう。

⇒ 中和の計算問題(溶液の濃度と量の関係)

ここで一区切りしておきますので、
等しいものを1つひとつ計算すれば良い、ということを復習しておいてください。

⇒ 中和反応によってできる塩の性質と種類

中和の計算問題より先に中和反応そのものを復習しておきましょう。




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