混合物でも化合物でも単体でも物質は何かの元素で出来ています。その物質の成分を調べる方法はいろいろとあります。分析化学で詳しく学ぶのですがここでは割と簡単な方法で検出出来る沈殿反応と炎色反応という方法を紹介します。

物質の成分になっている元素には特有の反応をする性質があります。
それを利用する検出方法です。

沈殿反応

化学反応などによって溶液中に生成する不溶性の固体を沈殿(ちんでん)と言います。
この沈殿反応が生じるのは特有の反応性を持っていなければ生じません。

沈殿反応の例

食塩水に硝酸銀水溶液を加えると塩化銀(白色)の沈殿が出来ます。
これは塩素( \(\mathrm{Cl}\) )の検出に用いられる沈殿反応です。

石灰水(水酸化カルシウム)水溶液に二酸化炭素を通すと炭酸カルシウム(白色)の沈殿が生じます。
この沈殿反応は二酸化炭素の構成元素である炭素元素の検出が出来ます。

他にも沈殿反応はたくさん出てきますので、沈殿の色とともに覚えられたら最高ですね。(笑

炎色反応

金属元素を含む物質は炎の中でそれぞれ含む金属によって違った色を出します。

例えば、
ナトリウムを含む物質を炎の中に入れると黄色の炎になります。
カルシウムを含む物質を炎の中に入れると橙色(だいだい色)の炎になります。
これは金属によって決まっていて、この反応を炎色(えんしょく)反応と言います。

方法は白金線にその化合物の溶液をつけ、
ガスバーナーの炎に近づけると発色して炎の色が変化しますので割と簡単な方法です。

ただ、炎色反応で全ての元素を検出することは出来ません。

覚えておくと高校の範囲で十分となるのは、10個もありません。

Li 赤 Na 黄 K 紫 Cu 緑 Ca 橙 Sr 紅 Ba 緑
(「リ」アカー「な」き「K」村「動」力「借」ろうと「する」もくれない「馬」力)

って30年以上前覚えた記憶があります。www

何故「ろう」が橙(だいだい)かというのもろうそくの光はだいだいっぽいって思い込ませた。笑

覚え方はいろいろあるので自分の覚えやすいものを探すと良いですよ。

炎色反応といえば、夏の風物詩『花火』です。
⇒ 花火の色に種類がある理由と仕組み
東京スカイツリーから見るとどうだろう?
観たい気もしますが、打ち上げ近くで振動が伝わるような感じの花火も迫力あって良いですよね。

分子構造を分析する場合は、
IRUVガスクロNMRX線などから分析できると思いますがもっと先の化学になりますね。

別の検出方法

物質の検出方法で簡単なものに呈色反応があります。
色が変化する反応です。

小学校の頃から知っているリトマス試験紙もそうです。
デンプンのヨウ素反応もそうですね。

これらは溶液の酸性度や分子自体の検出ですが、
元素レベルでも色を示すことはあります。

白色の硫酸銅(Ⅱ)無水塩にショ糖(スクロース)を加熱したときに生じる液体を加えると青色に変化します。
これは水があるということになります。

つまり、ショ糖を加熱したときに生じた液体は水であると分かるのです。
これから、ショ糖には水素元素が含まれていると判断出来ると言うことです。

今はむずかしいことを考えようとしなくても良いです。
覚える必要もありません。
ただ、元素を検出する方法はある、ということを覚えておいてください。

金属イオンや有機物でも検出反応や検出方法はいろいろ出てきます。
テスト問題になりやすいのですよ。

⇒ 金属イオンの検出方法および試薬と反応式

反応と色はそれぞれ違っているので、出てくるごとに1つひとつ覚えていくしかない、と考えておいて良いです。