pHの値を求める計算(水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度)

水素イオン指数をpH(ピーエイチ)といいます。これは水素イオン濃度の常用対数をとった値ですが苦手な人が多いので少し計算問題をやって見ましょう。水酸化物イオン濃度からでもpHは出せますから少し簡単に考えてみてください。

pHは酸性、中性、塩基性(水溶液ではアルカリ性)を示すのに便利ですが、このpHを求めるには対数計算をしなくてはならない場合が多いので苦手にしている人が多いです。簡単な計算練習問題を例に説明しておきますので見ておいて下さい。
水素イオン濃度を求めなくてもpHが出せる場合があるので参考にして下さい。

水素イオン濃度について
水のイオン積(水素イオン濃度とpHの関係)
ここに出てくる定数は覚えておいて下さいね。


練習問題1
0.050mol/Lの塩酸のpHを小数第一位まで求めよ。
ただし、\mathrm{log2=0.30} とする。

pHを求める計算問題では電離度(\alpha)に注意が必要です。
塩酸は強酸なので \alpha=1 として良いので、
モル濃度がそのまま水素イオン濃度(\mathrm{[H^+]})になります。
\displaystyle \mathrm{[H^+]=0.050mol/L=\frac{1}{2}\times 10^{-1}mol/L}

ここは数学ですが、
\displaystyle \mathrm{0.050=0.5\times 10^{-1}=\frac{1}{2}\times 10^{-1}=2^{-1}\times 10^{-1}}
としておくと後の計算が楽になります。

\mathrm{[H^+]=2^{-1}\times 10^{-1}mol/L}
なので
\mathrm{pH=-log(2^{-1}\times 10^{-1})}
\mathrm{=log2+1=1.3}

これは水素イオン濃度がすぐ分かるので、対数処理さえできれば簡単ですね。


練習問題2
0.10mol/Lの酢酸のpHを小数第一位まで求めよ。
ただし、酢酸の電離度を0.016、
\mathrm{log2=0.30}\mathrm{log3=0.48} とする。

先ずは水素イオン濃度を求めましょう。
\alpha=0.016 なので
\mathrm{[H^+]=0.10\times 0.016=16\times 10^{-4}mol/L}
\mathrm{=2^4\times 10^{-4}}

対数をとるときのコツは真数を素因数分解しておくことです。
10^{-4} の部分は常用対数なのでそのままが良いですよ。

これから
\mathrm{pH{=-log(2^4\times 10^{-4})}}
\mathrm{=-4log2+4}
\mathrm{=-4\times 0.30+4}
\mathrm{=-1.2+4=2.8}

条件には加えましたがこの問題では \mathrm{log3} は使いませんでした。笑
原子量や定数などの条件は最初にまとめて与えられることが多いのでどれを使うかはその都度考えて選んで使って下さいね。

ここまでは必ずできるようにしておいて下さい。

次です。


練習問題3
0.050mol/Lの水酸化ナトリウムのpHを小数第一位まで求めよ。
ただし、水溶液の温度は25℃に保っているものとし、
\mathrm{log2=0.30}\mathrm{log3=0.48} とする。

この問題では溶けている電解質は酸ではありません。
水酸化ナトリウム(\mathrm{NaOH})は塩基なので水素イオン濃度ではなく、水酸化物イオン濃度が先に分かります。
\mathrm{NaOH} は強塩基で、電離度は1としていいので水酸化物イオン濃度は
\mathrm{[OH^-]=0.050=5.0\times 10^{-2}mol/L}
この後はふた通りの考え方があります。
先ずは普通に考えてみます。

求めるのはpH(水素イオン指数)なので水素イオン濃度が必要です。
25℃では水のイオン積が \mathrm{1.0\times 10^{-14}} なので
K_\mathrm{w}=\mathrm{[H^+]\times [OH^-]=1.0\times 10^{-14}mol^2/L^2}
に \mathrm{[OH^-]=5.0\times 10^{-2}mol/L} を代入して変形すると、
\displaystyle \mathrm{[H^+]=\frac{1.0\times 10^{-14}}{[OH^-]}=\frac{1.0\times 10^{-14}}{5.0\times 10^{-2}}}
\displaystyle \mathrm{=0.2\times 10^{-12}=2.0\times 10^{-13}(mol/L)}
この常用対数をとると、
\mathrm{pH=-log(2.0\times 10^{-13})=-log2+13=12.7}
と求めることができます。

一方で、25℃の水溶液の場合、
K_\mathrm{w}=\mathrm{[H^+]\times [OH^-]=1.0\times 10^{-14}}
が常に成り立っていますので、
\mathrm{pH=-log[H^+]} としたように
\mathrm{pOH=-log[OH^-]} と表すと
\mathrm{pH+pOH=14} となります。
この問題では \mathrm{[OH^-]=5.0\times 10^{-2}} なので
\mathrm{pOH=-log(5.0\times 10^{-2})}
\mathrm{=-log(2^{-1}\times 10^{-1})}
\mathrm{=0.3+1=1.3}
なので
\mathrm{pH=14-pOH=12.7}
と、pOHを求めてからでもpHは出せるので指数計算がややこしいと思う人は、
\mathrm{pH+pOH=14} を利用すると良いですよ。
ただし、水素イオン濃度も聞かれているときは水素イオン濃度を先に出して、後でpHを求めるという手順で進めた方が良いでしょう。

他にも電離定数を利用する問題も良く出ますが、ここまでの計算ができていないと意味がありません。
電離平衡と電離定数(電離度と水素イオン濃度の関係)
で確認しておくことと、
水のイオン積(水素イオン濃度とpHの関係)
での関係式を必ず覚えておくことをおすすめします。

ほとんどの電離平衡問題は25℃設定です。笑
それ以外では平衡定数が与えられますので利用出来るようにしておきましょう。




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