アルデヒド基はカルボニル基を持つ化合物の1つで反応性が高い官能基なので重要です。
アルコールとカルボン酸の中間にあるので銀鏡反応やフェーリング反応などいろいろな反応をするのでまとめて見ておきましょう。
アルデヒド
炭化水素の水素原子を1つアルデヒド基に置換した化合物をアルデヒドといいます。
一般的には \(\mathrm{R-\color{red}{CHO}}\) と表されます。
エタノールなどの第1級アルコールを酸化すると生成します。
\(\mathrm {R-\color{magenta}{CH_2-OH}} → \mathrm{R-\color{red}{CHO}}\)
※
さらに酸化するとカルボン酸になります。
\(\mathrm{R-CHO} → \mathrm {R-\color{green}{COOH}}\)
例
メタノールを酸化すると刺激臭のある「ホルムアルデヒド」が生成します。
\(\mathrm {CH_3OH} → \mathrm{HCHO}\)
常温で気体の物質で水に良く溶けます。
良く聞くのはホルムアルデヒドの水溶液であるホルマリンでしょう。
エタノールを酸化するやはり刺激臭のある「アセトアルデヒド」を生成します。
\(\mathrm {CH_3CH_2OH} → \mathrm{CH_3CHO}\)
常温では液体で水やアルコールには溶けます。
ホルムアルデヒドもアセトアルデヒドも酸化が進むとカルボン酸になります。
\(\mathrm{HCHO} → \mathrm{HCOOH}\)
\(\mathrm{CH_3CHO} → \mathrm{CH_3COOH}\)
ここは非常に大切なところなので覚えておきましょう。
アルデヒドの性質と検出反応
炭素数の少ない低級のアルデヒドは金属ナトリウムとは反応しません。
刺激臭はありますが中性で還元性があります。
化学後半になりますが、
糖類の還元性はよく問題にされます。
銀鏡反応
アルデヒドは還元性を持つので、アンモニア性の硝酸銀水溶液を加えて暖めると容器の内壁に銀の単体が析出して鏡のようになります。
これが「銀鏡反応」です。
\(\mathrm{RCHO} + \mathrm {2Ag^+} → \mathrm {RCOO^-} + \mathrm{2Ag}\)
※
詳しく説明すると、アンモニア性硝酸銀溶液中のジアンミン銀イオンが還元されて銀が析出する反応です。
しかし、先ずは「アルデヒドは銀鏡反応する」というのを覚えておきましょう。
\(\mathrm {[Ag(NH_3)_2]^+} + \mathrm{e^-} → \mathrm{Ag} + \mathrm {2NH_3}\)
フェーリング反応
アルデヒドにフェーリング液を加えて加熱すると酸化銅(Ⅰ)の赤色沈澱を生じます。
これがフェーリング反応です。
\(\mathrm{RCHO} + \mathrm {2Cu^{2+}} → \mathrm {RCOO^-} + \mathrm{Cu_2O}\)
※フェーリング液
フェーリング液は名前だけでいいと思うのですが、
硫酸銅( \(\mathrm{CuSO_4}\) )水溶液
酒石酸ナトリウムカリウム(ロッシェル塩)
\(\mathrm {KOOCCH(OH)CH(OH)COONa}\)
水酸化ナトリウム( \(\mathrm {NaOH}\) )
を等量ずつ混ぜた液体です。
アルコールを酸化するとアルデヒドになり、
アルデヒドは酸化されてカルボン酸になり、
アルデヒドの検出は、銀鏡反応とフェーリング反応、
ということは忘れないでくださいね。
⇒ アルコールの製法と性質 脱水や酸化で生成するアルデヒド、カルボン酸とケトン
アルコールの酸化は段階がありますので確認しておきましょう。
ケトンの性質と検出反応も大切です。