2026年(令和8年度)の埼玉県公立高校入試学校選択問題数学の問題と解説です。
基本を幅広くおさえていないと方針が立たないであろう応用力を問うものもありバランスの良い問題です。
一般問題と重なる問題もありますが少し計算レベルも上がります。
2026年(令和8年度)埼玉県学校選択問題数学の問題
令和8年度の学校選択問題【数学】の問題です。
解答用紙は省いていますので必要な場合は埼玉県の公式ページからどうぞ。
2026年(令和8年度)埼玉県学校選択問題数学の解説
大問は5つあり、一般問題よりひとつ多いです。
これを見ていると言うことは上位の受験生だと思うので、
計算レベルも上がりますので基本的なことはできているものとして解説します。
第1問小問集合
\(\color{black}{\fbox{1}}\)
(1)
\(\hspace{10pt}\displaystyle 8xy^2\div \color{red}{(-2x)^2}\times (-xy)\\
\displaystyle =-\frac{8xy^2\times xy}{\color{red}{4x^2}}\\
=\underline{ -2y^3 }\)
注意するのは赤字の部分の符号だけです。
(2)
条件式から
\(\hspace{10pt}\color{red}{x+y}=\color{red}{2\sqrt{5}}\)
\(\hspace{10pt}\color{blue}{x-y}=\color{blue}{2}\)
与式を変形すると
\(\hspace{10pt}x^2y-y^2\\
=y(x^2-y^2)\\
=y(\color{red}{x+y})(\color{blue}{x-y})\\
=(\sqrt{5}-1)\times (\,\color{red}{2\sqrt{5}}\,)\times (\,\color{blue}{2}\,)\\
=4\sqrt{5}(\sqrt{5}-1)\\
=\underline{ 20-4\sqrt{5} }\)
直接代入しても答えは出ますが時間がかかります。
(会員なら)普通に因数分解と対称式、交代式を利用して下さい。
(3)
これはちょっと迷うだろうなあ。
置き換えるか、展開するか、タスキガケ使うか。
置き換えて解の公式で進めておきましょう。
\(\hspace{4pt}x+1=X\,\)とおくと(文字は何でも良いです。)
\(\begin{eqnarray}
3X^2-5X-2&=&0\\
X&=&\frac{5\pm \sqrt{25+24}}{6}\\
&=&\frac{5\pm 7}{6}\\
&=&2\,,\,-\frac{1}{3}
\end{eqnarray}\)
よって
\(\begin{eqnarray}
X=x+1&=&2\,,\,-\frac{1}{3}\\
x&=&\underline{\underline{ 1\,,\,-\frac{4}{3} }}
\end{eqnarray}\)
展開すると直接答えで結果は同じですがどちらも慎重に進めましょう。
検算を兼ねてやっておきましょうか。
\(\hspace{10pt}3(x+1)^2-5(x+1)-2\\
=3(x^2+2x+1)-5(x+1)-2\\
=3x^2+6x+3-5x-5-2\\
=3x^2+x-4\)
方程式を解くと
\(\begin{eqnarray}
3x^2+x-4&=&0\\
x&=&\frac{-1\pm \sqrt{1+48}}{6}\\
&=&\frac{-1\pm 7}{6}\\
&=&1\,,\,-\frac{4}{3}
\end{eqnarray}\)
(4)
これは一般問題と同じです。
\(\hspace{10pt}3.45\,≦\,a\,<\,3.55\)
答え\(\hspace{4pt}\underline{ ウ }\)
(5)
これも一般問題と同じです。
\(\begin{eqnarray}
n^2&=&2n+255\\
n^2-2\,n-255&=&0\\
(n-17)(n+15)&=&0\\
n&=&17\,,\,-15
\end{eqnarray}\)
自然数なので\(\,n=\underline{ 17 }\,\)
(6)
変化の割合に関しては一般問題と同じですが、
変化量の違いで難易度が変わっています。
\(\hspace{4pt}\displaystyle (変化の割合)=\frac{ (\,\color{blue}{y\,の増加量}\,) }{ (\,\color{red}{x\,の増加量}\,) }\)
増加量をそれぞれ求めます。
\(\begin{eqnarray}
(\,x\,の増加量\,)&=&(a+3)-(\,a\,)\\
&=&\color{red}{3}
\end{eqnarray}\)
\(\begin{eqnarray}
(\,y\,の増加量\,)&=&\frac{2}{3}\,(a+3)^2-\frac{2}{3}\,a^2\\
&=&\frac{2}{3}(a^2+6a+9-a^2)\\
&=&\frac{2}{3}(6a+9)\\
&=&\color{blue}{4\,a+6}
\end{eqnarray}\)
変化の割合が\(\,-3\,\)なので
\(\begin{eqnarray}
\frac{\color{blue}{4\,a+6}}{\color{red}{3}}&=&-3\\
4\,a+6&=&-9\\
4\,a&=&-15\\
a&=&\underline{\underline{ -\frac{15}{4} }}
\end{eqnarray}\)
計算に頼った問題?
いやいや、この程度は計算に頼っているとはいいません。
(7)
これは方針が分かれるんじゃない?
中心角と二等辺三角形の底角を組み合わせる方法。
内接四角形に言える定理を利用する方法。
どっちでも良いです。
中心角が一般的だと思うので、
中心角が\(\,\color{red}{148°}\,\)の方で説明します。
円周角\(\,\mathrm{∠BAD=74°}\,\)なので、
中心角\(\,\mathrm{∠BOD=\color{red}{148°}}\,\)。
\(\,\mathrm{△OBC}\,\)は頂角が\(\,\mathrm{∠BOC=82°}\,\)の二等辺三角形だから底角は
\(\,\hspace{10pt}\mathrm{∠OBC=∠OCB=\color{blue}{49°}}\,\)
また\(\,\mathrm{△OBD}\,\)も二等辺三角形なので底角は
\(\hspace{4pt}\mathrm{∠OBD=∠ODB}=\color{red}{16°}\)
求める\(\,x\,\)は
\(\hspace{10pt}x=49°-16°=\underline{ 33° }\)
内接四角形の方では三角形の内角の和なので、
実際やってみれば計算自体は大差ありません。
(8)
一般問題よりカードが1枚増えます。
組み合わせを考えると全部で21通り。
そのうち異なるマークになるのは、
\(\hspace{10pt}(1-5)(1-6)(1-7)\)
\(\hspace{10pt}(2-5)(2-6)(2-7)\)
\(\hspace{10pt}(3-5)(3-6)(3-7)\)
\(\hspace{10pt}(4-5)(4-6)(4-7)\)
\(\hspace{10pt}(5-7)(6-7)\)
の14通り。
答え\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{14}{21}=\underline{\underline{ \frac{2}{3} }}\)
(9)
錐台の体積です。
※
単位は\(\,\mathrm{cm}\,\)ですが途中計算では省略します。
錐台の公式はあるけど、
大きい三角錐から上の小さい三角錐を引きます。
大きい三角錐:
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{1}{3}\times \frac{1}{2}\times 6\times 6\times 12\,=\,72\)
小さい三角錐:
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{1}{3}\times \frac{1}{2}\times 3\times 3\times 6\,=\,9\)
よって求める体積は
\(\hspace{10pt}72-9\,=\underline{ 63 }\,\mathrm{cm^3}\)
(10)
一般問題と同じです。
アの面積は\(\hspace{4pt}\displaystyle \pi\,r^2\)
イの面積は\(\hspace{4pt}\displaystyle \color{red}{\frac{9}{8}\,\pi\,r^2}\)
ウの面積は\(\hspace{4pt}\displaystyle \color{blue}{\frac{27}{25}\,\pi\,r^2}\)
これらの大小は
\(\hspace{10pt}\displaystyle \pi\,r^2\,<\color{blue}{\,\frac{27}{25}\,\pi\,r^2}\,<\,\color{red}{\frac{9}{8}\,\pi\,r^2}\)
よって面積が最も大きいのは\(\,\underline{ イ }\,\)。
大小比較のやり方は一般問題で説明していますが、
ここでは必要無いでしょう。
第2問作図と相似の証明
\(\color{black}{\fbox{2}}\)
(1)
作図は『さくっと!』、これは会員の合い言葉です。
平行四辺形は対角線の交点を通る直線で2等分されます。
後は垂線を引くだけ。
\(\,\mathrm{BC}\,\)を\(\,\mathrm{C}\,\)側に延長して垂線を引いた方がやりやすいとは思います。
(2)
一般問題と似ていますが証明するものがその先です。
\(\,\mathrm{△ABD≡△ACE}\,\)であることは一般問題での証明ですが、
これはすぐに分かるでしょう。
ここで\(\,\mathrm{∠BAD=∠CAE}\,\)なので共通の\(\,\mathrm{∠DAE}\,\)を加えた角は等しいから
\(\hspace{4pt}\mathrm{∠BAE=∠DAF} ・・・①\)
仮定から
\(\hspace{4pt}\mathrm{∠ABE=∠ADF} ・・・②\)
「2組の角がそれぞれ等しい」から相似が言えます。
⇒ 中学の図形証明問題(合同・相似)の解き方と証明の書き方ポイント
証明の書き方は自分の言葉で好きにしていいです。
ただし、証明するときのルールはありますので忘れないで下さい。
第3問1次関数
\(\color{black}{\fbox{3}}\)
これは一般問題と同じなので省略します。
⇒ 2026年(令和8年)度埼玉県公立高校入試数学の問題と解説
(3)の\(\,\mathrm{B}\,\)さんが引き返した時刻さえ分かれば問題ないでしょう。
第4問データの整理(箱ひげ図)
\(\color{black}{\fbox{4}}\)
(1)(2)は一般問題と同じです。
(3)はちょっとした作業が必要になりますが当然すべきことで、
差のつく良い問題になっているなあと感じます。
(1)
箱ひげ図を見れば明らかに国語の四分位範囲が最小です。
\(\hspace{10pt}34-24=\underline{ 10 }点\)
(2)
これはデータを扱う上で必要になる最初の作業なので、
一般問題の解説で確認しておいて下さい。
(3)
英語のテストの最小値、最大値、四分位数を箱ひげ図で見ると、
最小値\(\,14\,\)、最大値\(\,46\,\)、
第1四分位数\(\,22\,\)、中央値\(\,30\,\)、第3四分位数\(\,34\,\)、
となっています。
小さい方から\(\,6\,\)番目の得点が\(\,\color{blue}{30}\,\)で、
中央値も\(\,\color{red}{30}\,\)ということは\(\,7\,\)番目の人も\(\,30\,\)ですがどうでも良い。
重要なのは、第3四分位数は\(\,\color{red}{34}\,\)は9番目と10番目の人の平均になるので、
9番目と10番目の人の得点の和は68点。
\(\hspace{10pt}○\,○\,○\,○\,○\,\color{blue}{●}\,|\,\color{blue}{●}\,○\,\color{red}{●}\,\color{red}{●}\,○\,○\)
ここで9番目、10番目の人の得点は30以上46以下なので、
(中央値以上、最大値以下)
\(\,9\,\)番目、\(\,10\,\)番目組み合わせは、
\(\hspace{4pt}(\,30\,,\,38\,)(\,31\,,\,37\,)(\,32\,,\,36\,)(\,33\,,\,35\,)(\,34\,,\,34\,)\)
これより大きいと順番が入れかわるのでこれだけです。
答え\(\hspace{10pt}\underline{ 30\,,\,31\,,\,32\,,\,33\,,\,34 }\)
第5問立体問題
\(\color{black}{\fbox{5}}\)
直方体の問題です。
長さは問題にあるので立体で確認しておいて下さい。
※
単位は\(\,\mathrm{cm}\,\)ですが省略します。
(1)
直方体内部にある\(\,\mathrm{△AEM}\,\)の面積を求めます。
\(\,\mathrm{EG}\,\)は正方形の対角線で\(\,\color{red}{3\sqrt{2}}\,\)、
三平方の定理から\(\,\mathrm{AG}\,\)は\(\,\color{blue}{9\sqrt{2}}\,\)です。
直角三角形で斜辺に垂線を下ろしているので
\(\hspace{10pt}\mathrm{△AEG}\,\)∽\(\,\mathrm{△EMG}\,\)
相似比が\(\,\color{blue}{9\sqrt{2}}:\color{red}{3\sqrt{2}}=3:1\,\)なので
\(\hspace{10pt}\mathrm{EM}=4\,,\,\mathrm{MG}=\sqrt{2}\)
これから底辺とする\(\,\mathrm{AM}\,\)は
\(\hspace{10pt}\mathrm{AM}=\color{magenta}{8\sqrt{2}}\)
求める面積は
\(\begin{eqnarray}
\mathrm{△AEM}&=&\frac{1}{2}\times \mathrm{AG}\times \mathrm{EM}\\
&=&\frac{1}{2}\times 8\sqrt{2}\times 4\\
&=&\underline{ 16\sqrt{2} }\mathrm{cm^2}
\end{eqnarray}\)
もちろん\(\,\mathrm{△AEG}\,\)∽\(\,\mathrm{△AME}\,\)から、
直接\(\,\mathrm{AM\,,\,EM}\,\)を求める事もできます。
上の手順は整数比が見えたので少し回り道しただけです。
(2)
回転体の体積です。
点\(\,\mathrm{O}\,\)が\(\,\mathrm{AG}\,\)の中点なので長さが決まります。
\(\hspace{10pt}\displaystyle \mathrm{OG}=\frac{1}{2}\,\mathrm{AG}=\color{red}{\frac{9\sqrt{2}}{2}}\)
点\(\,\mathrm{O}\,\)は底面(上面、下面)の正方形の対角線の交点を結ぶ直線上にあるので
\(\hspace{10pt}\displaystyle \mathrm{OP}=\color{blue}{\frac{3\sqrt{2}}{2}}\)
点\(\,\mathrm{P}\,\)は\(\,\mathrm{BF}\,\)の中点になるので\(\,\mathrm{△PFG}\,\)から
\(\begin{eqnarray}
\mathrm{PG^2}&=&\mathrm{FG^2+PF^2}\\
&=&3^2+6^2\\
&=&45\\
\mathrm{PG}&=&\color{red}{3\sqrt{5}}\,>\,0
\end{eqnarray}\)
これで\(\,\mathrm{△OGP}\,\)の3辺が分かりました。
\(\hspace{4pt}\displaystyle \mathrm{OG}=\color{red}{\frac{9\sqrt{2}}{2}}\,,\,\mathrm{OP}=\color{blue}{\frac{3\sqrt{2}}{2}}\,,\,\mathrm{PG}=\color{red}{3\sqrt{5}}\)
回転体なので円錐になるのは分かります。
高さが回転軸になる\(\,\mathrm{OG}\,\)だとして底面の半径が知りたいところ。
しかし、この三角形実は直角三角形です。
\(\hspace{10pt}\displaystyle \mathrm{OP^2}=\frac{9}{2}\)
\(\hspace{10pt}\displaystyle \mathrm{PG^2}=45\)
\(\hspace{10pt}\displaystyle \mathrm{OG^2}=\frac{81}{2}\)
ここで
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{9}{2}+\frac{81}{2}=\frac{90}{2}=45\)
つまり
\(\hspace{10pt}\mathrm{OP^2+OG^2=PG^2}\)
三平方の定理が成り立つので\(\,\mathrm{△OGP}\,\)は\(\,\mathrm{∠POG=90°}\,\)の直角三角形です。
なので求める回転体の体積\(\,V\,\)は
\(\begin{eqnarray}
V&=&\frac{1}{3}\times \pi\times \left(\,\frac{3\sqrt{2}}{2}\,\right)^2\times \frac{9\sqrt{2}}{2}\\
&=&\frac{1}{3}\times \pi\,\times \frac{9}{2}\times \frac{9\sqrt{2}}{2}\\
&=&\underline{\underline{ \frac{27\sqrt{2}}{4}\,\pi }}\mathrm{cm^3}
\end{eqnarray}\)
「\(\,\mathrm{△OGP}\,\)が直角三角形であることはすぐ見つけた?」
いや、もしかしてとは思ったけど決めつけることはできないので確認しました。
いつもなら3つの線分の長さをだいたいは検討をつけて、
垂線引いて高さ求めようとしたら結果が直角三角形だと気がつく、
というのが通常の解法に至るパターンです。
これ、同じ年の他県の公立高校入試でも出てたので先に「直角三角形?」というのが本音。
以上です。
ちょっと説明が不足しているかもしませんが、
基礎を十分におさえているなら大丈夫でしょう。
(個人的な感想)
誘導があまりないから厳しいかもしれないけど、
以前に比べてかなりシンプル。
広い範囲の基礎と数学の作業を必要としている良い問題です。
⇒ 埼玉県公立高校入試の数学(一般・学校選択問題)過去問と解説
過去問から傾向だけでも知っておくと対策は難しくありません。
『覚え太郎』『超え太郎』を繰り返す、それだけです。笑
あ、作業についてはレポートも繰り返し読んでおくこと。