倍数の見分け方はいろいろとありますが、説明できなくても覚えておいた方が良い倍数もあります。
高校生でも知らない人もいるようなので少しでも整数に慣れることができるように、
最低限覚えておいた方が良いだろうと思える倍数の見分け方を紹介しておきます。

倍数の見分け方は覚えておかなければならないか?

はっきりいうと覚えておかなくてもいいです。
整数で割って、商がその整数で割り切れれば倍数だとわかるので、
時間がかかっても良いなら必要ありません。

ただ、簡単に見分けることができるものもあるので、
問題によっては答えまでが早い場合もあります。

割と多くの受験生の軽いつまずきにもなっているようなので、
時間のあるとき表をつくって(書き出して)壁にでも貼っておくといいでしょう。
すぐに覚えられますよ。

倍数の見分け方は、知っているかもしれないけど、一応書いておきます。

倍数の見分け方

 2の倍数 : 偶数であれば\(\,2\,\)の倍数。
一の位が偶数なら良い。)

「位」というのは「一のくらい」、「十のくらい」の「位」です。

例:1223、5655

 3の倍数 : 各位の数の和が3の倍数

例: 351 は  なので3の倍数です。

 4の倍数 : 下二桁が4の倍数

例:125424 など

 5の倍数 : 一の位が0か5

例:1236、8465 など

 6の倍数 : 偶数かつ3の倍数
(2の倍数でもあり3の倍数でもある)

つまり、各位の数の和が3の倍数で、一の位が偶数である数です。

例:345678
(各位の数の和)
\(3+4+5+6+7+8=33\)(3の倍数)
かつ、偶数なので6の倍数です。


連続する3つの数でできている3桁の数字は3の倍数です。
123,234,345,456 など。

 8の倍数 : 下3桁が8の倍数

例:3685136 など

 9の倍数 : 各位の数の和が9の倍数

例:351 など
(3の倍数の例351は9の倍数でもある。)

他にもあるけどこれだけ知っておけば大丈夫です。

\(\,7\,\)の倍数や\(\,11\,\)の倍数などの見分け方もありますが、覚えなくて良いです。
実際に割ってみて割り切れれば倍数、と判断すれば良いだけです。

見分け方が少しややこしいので数学が得意でない人は、そんな時間があればもっと基本的なことを覚えた方がいいです。

証明方法は覚えなくてはダメ?

中学生の証明問題による倍数の見分け方の例

問題
各位の数の和が\(\,3\,\)の倍数である自然数は\(\,3\,\)の倍数である。
例えば、\(\,351\,\)は、\(\,3+5+1=9\,\)で、
各位の数の和が\(\,3\,\)の倍数だから、\(\,351\,\)は\(\,3\,\)の倍数である。
 百の位の数を\(\,a\,\)、十の位の数を\(\,b\,\)、一の位の数を\(\,c\,\)として、
\(\,3\,\)桁の自然数について、このわけを説明しなさい。

さて、文字式による証明の典型的な問題ですが
 百の位を\(\,a\,\) 、 十の位を\(\,b\,\) 、 一の位を\(\,c\,\)
とすると、この3桁の自然数は、
\(\color{red}{\hspace{7pt} 100\,a\,+\,10\,b\,+\,c}\)
と表すことができます。

これが「\(\,3\,\)の倍数」であることを言わなければなりません。
しかし、これだけでは\(\,3\,\)の倍数とは言えません。

もう一つの条件があります。
各位の数の和が3の倍数
これはどういう表現ができるかというと、(これが数学の言葉です。)
 \(\color{red}{\hspace{7pt} a\,+\,b\,+\,c=\,3k} ( k は自然数)\)
となります。

問題にある条件はこれだけです。
これを利用して証明しなくてはなりません。

ここで、
 \( a+b+c=3k から、c=3k-(a+b)\)
として、\(\,3\,\)桁の数に代入すると、
(方程式の条件から、一文字消去するんです。)

 \(\hspace{7pt}100\,a+10\,b+\color{blue}{ c}\\
=100\,a+10\,b+\color{blue}{ 3k-(a+b)}\\
=100\,a+10\,b+3k-a-b\\
=99\,a+9\,b+3k\\
=\color{red}{ 3(33\,a+3b+k)}\)

ここで、
 \(\,33\,a+3\,b+k\,\) は自然数なので、
 \(\,\color{red}{ 3(33\,a+3b+k)} は、「\color{red}{ 3の倍数である}」\)
となります。

もう一つの方法としては
 \(\color{red}{\hspace{7pt} a\,+\,b\,+\,c=\,3k} ( k は自然数)\)
がいえて、
 \(\,a+b+c\,\)が\(\,3\,\)の倍数だと分かれば、

 \(\hspace{7pt}\color{red}{100\,a}+\color{blue}{10\,b}+c\\
=(\color{red}{99a+a})+(\color{blue}{9b+b})+c\\
=(\color{red}{99a}+\color{blue}{9b})+\color{red}{a}+\color{blue}{b}+c\\
=9(11\,a+b)+\color{magebnta}{a+b+c}\\
=3\times \color{magenta}{3}(11\,a+b)+\color{magenta}{a+b+c}\)

\(\,3\,\)の倍数と\(\,3\,\)の倍数の和になっているので、
全体は\(\,3\,\)の倍数だといっても良いです。

⇒ 文字式を使った証明問題と証明の方法(式の計算 中学2年)

同じような問題は大学入試でもでています。

\(\,a,b,c,d\,\)は一桁の自然数で、\(\,1000a+100b+10c+d\,\)で表される\(\,4\,\)桁の整数がある。
\(\,a+b+c+d\,\)が\(\,9\,\)の倍数のとき、\(\,1000a+100b+10c+d\,\)も\(\,9\,\)の倍数であることを示しなさい。

 \(\hspace{10pt}1000a+100b+10c+d\\
=(999a+99b+9c)+(a+b+c+d)\\
=\color{red}{9}(111a+11b+c)+(\color{red}{a+b+c+d})\)

\(\,9\,\)の倍数と\(\,9\,\)の倍数の和なので\(\,9\,\)の倍数です。

これは大学入試なのでもう少しわかりにくい表現で出題されますが、同じことです。
また、
 \(\,1000a+100b+10c+d\,\)が\(\,9\,\)の倍数であるとき、
 \(\,a+b+c+d\,\)も\(\,9\,\)の倍数である。
ということも同時に言えます。

これ、いちいちやる必要ありません。
いずれ証明できるようになれればそれでいいし、今証明できなくても大した問題ではありません。

だから証明方法は覚えなくて良いです。
問題なのは今あなたが数学が苦手だということなので、
まずは事実を使うことから始めて下さい

見分け方で少し簡単になる方法

ここは上の方法で倍数の見分けができるようになってからで良いですよ。

例えば\(\,9\,\)の倍数を見分けるとき、
各くらいの数を全部足すとめんどくさいときがあります。

\(\,1539634725\,\)

は\(\,9\,\)の倍数か?

で、\(\,1+5+3+9+6+\cdots\,\)とすべて足すってめんどうです。

このとき、
 すべての数を足して\(\,9\,\)の倍数かどうか、
なので、
 部分的に足して\(\,9\,\)になる組
をどんどん消していくのです。

\(\,153\color{red}{9}634725\,\)

まずは\(\,\color{red}{9}\,\)そのものは\(\,\color{blue}{9}\,\)の倍数

\(\,153\,\)\(\,634725\,\)

\(\,\color{red}{6}\,\)と\(\,\color{red}{3}\,\)、\(\,\color{red}{7}\,\)と\(\,\color{red}{2}\,\)、\(\,\color{red}{4}\,\)と\(\,\color{red}{5}\,\)、は足して\(\,\color{blue}{9}\,\)の倍数

\(\,153\,\)9634725

残りは \(\,153\,\)
だけどこれも足すと
 \(\,1+5+3=9\,\)で\(\,9\,\)の倍数

と足し算しなくても見分けることができます。
(\(\,3\,\)の倍数も同じようにできます。)

倍数の見分けができるだけでも、いつの間にやら、レベルアップした気になりませんか?

⇒ 中学数学で使う文字式の一覧(奇数や偶数などの整数の表し方)

文字式の使い方は、高校受験までは、倍数の見分け方よりも大切になります。

⇒ 整数と論証 倍数と類別と証明方法

整数を捨てていない高校生は見ておいた方が良いですよ。