代入とは簡単に言うと文字に与えられた数値を入れることです。
文字式に代入するときの計算ミスを減らすポイントを練習問題の中で説明します。
また、文字式の項と同類項についても用語の意味を確認し、しっかり理解しておきましょう。


代入とは

文字式に具体的な数値を入れて計算することを代入(だいにゅう)といいます。

例えば\(\,x=2\,\)を\(\,2x+3\,\)の\(\,x\,\)に入れて、
 \( \hspace{10pt}2x+3\\
=2\times (2)+3\\
=7\)

と計算することです。

注意点はいくつかありますが、
代入問題は次の学年でもその次の学年でもレベルが上がって出てきます。
ここでは問題が基本なので基本的なことを書いておきます。
どの学年でも言えることなのでここから始めてください。

問題3
次の式の値を求めよ。

(1)\(\,a=-2\,\)のとき\(\hspace{4pt}6(a-1)\,\) 
(2)\(\displaystyle x=\frac{1}{3}\,\)のとき\(\hspace{4pt}9x^2-3x\)


問題3となっていますが、問題2までは別のページにあります。
このページにはありませんので気にしないでください。

代入するときのポイント

(1)\(\,a=-2\,\)のとき\(\,6(a-1)\,\) 

代入するときに注意するのは、
代入する値には(かっこ)を付けておくということです。

代入する値が+(プラス)でも-(マイナス)でも、
(かっこ)を付けて代入する
と計算ミスが必ず減ります。
覚えておいて下さい。

2,3年生でもっとややこしい代入をしますが、
これをクセ付けていないためにミスする人が多いのです。

 \( \hspace{10pt}6(a-1)\\
=6\{(-2)-1\}\\
=6(-2-1)\\
=6\times (-3)\\
=-18\)

2行目から3行目はカッコの中の計算が先ですよ。

ここでは直接代入しましたが、
ややこしい文字式になるほど
文字式を整理してから代入することが基本になります。

 \(\hspace{10pt}6(a-1)\\
=6a-6\\
=6\times (-2)-6\\
=-12-6\\
=-18\)

文字式を整理してから代入する方向でおきましょう。

代入計算でミスを減らす1番の方法

(2)\(\displaystyle x=\frac{1}{3}\,\)のとき\(\hspace{4pt}9x^2-3x\,\) 

これも注意点は代入するときはカッコをつけて代入するということです。

 \(\hspace{10pt} 9x^2-3x\\
=9\left(\displaystyle \frac{1}{3}\right)^2-3\left(\displaystyle \frac{1}{3}\right)\\
=9\times \left(\displaystyle \frac{1}{9}\right)-1\\
=1-1=0\)

代入して計算するだけなので、
計算ミスが無いか見直しは必ずするようにして下さい。
見直し」それが計算ミスを減らす一番の方法です。

※(学年が進んでからの注意点)
この問題は入試で出てもおかしくない数値ですが、
因数分解できるようになれば計算が楽になります。
 \(\hspace{10pt}\displaystyle 9x^2-3x\\
=3x(3x-1)\\
\displaystyle =3\times \left(\frac{1}{3}\right)\left\{3\times \left(\frac{1}{3}\right)-1\right\}\\
=1(1-1)\\
=0\)

今の時点では、
 代入がどういうことか、
 代入するときにミスを減らす方法は何か、
を知っておけば十分ですので式の計算に移ります。

代入する前に文字式を簡単にするというのは「当たり前」、
となりますので計算練習をやっておく方が効果は大きいです。

どういうことかというと、
例えば、
 「\(a=3\,\)のとき 
 \(\,2a+3a-4a\,\)の値を求めよ。」
のような問題があったとき、
 \(\hspace{10pt}2a+3a-4a\\
=2\times (3)+3\times (3)-4\times (3)\\
=6+9-12\\
=3\)

とするのではなく、
 \(\hspace{10pt}2a+3a-4a\\
=\color{red}{a}\\
=3\)

のように代入する前にできるだけ簡単になるようにしておくということです。

式の計算でミスをしていれば
代入しても答えは合いませんので
式の計算を確実にしておくことです。
代入する前の式の変形の段階で「見直し」をしておくとミスは大幅に減りますよ。

項と同類項

「+」や「-」で計算が途切れる部分一つひとつを『』(こう)といいます。

例えば、
 \( 2a\,+\,bc\,-\,de\,\)では、
 \( 2a\,,\,bc\,,\,-de\,\)をそれぞれ項といいます。

「項」は、同じ文字、同じ次数であれば「同類項」といい、
まとめること(係数の加減)ができます。

問題4
次の式を簡単にせよ。

(1)\( 6x-x-11x+2x\)

すべて\(\,x\,\)の1次の項で同類項ですので係数をまとめることができます。

 \(\hspace{10pt} 6x-x-11x+2x\\
=(6-1-11+2)x\\
=-4x\)

\(\,-x\,\)の係数は\(\,\color{red}{-1}\,\)ですので間違えないようにしましょう。

このように文字式の同類項をまとめたり、
次数の順に並び替えたりすることを「整理する」といいます。

文字式の整理と代入問題の注意点

代入問題ではこの後代入するのを忘れないようにしてください。
(文字式の整理で満足してしまう笑)

問題をよく読んで、
何が答えなのか
何を聞かれているのか確認するように注意しましょう。

問題の聞いている答えと違う内容を答えて間違えるのは、中学生にはものすごく多いミスです。
テストが終わって「あ!」と気がついても遅いです。

ところで、
これから先「式の計算」はずっと付いてきます。

「直接代入しても計算できるからいい」

ではなくて、
 ミスの少なくなる方法、
 学年が進んでもずっと通用する方法、
などいろいろと簡単になる方法が数学では出てきますので
1つでも多く身につけておくと良いですね。

答えが出るから、計算できるからいい、
と工夫をしないまま先に進むと数学は得意科目とはなりませんよ。

工夫することで計算が楽になる、というのも数学の目的の1つです。

⇒ 小数や分数係数の文字式計算と通分するときのミスを減らすコツ(中学1年)

続きとなりますが、文字式の処理になれてしまいましょう。

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