中学1年の1次方程式の文章題の基本となる、解を代入して係数を求める問題の解き方のコツをお伝えします。
文章題のコツは文字式でわかっていると思いますがもう一度確認しておくといいでしょう。
方程式を解くだけという問題は少ないです。
今まで計算練習してきたことは文章題を解くためだったということです。
1次方程式の文章題のポイント
文章題とは日本語で書かれた数学の情報を方程式にするということです。
方程式そのものが数学の文章と考えてもいいです。
つまり、文章題のポイントは日本語の中から数学的な要素を読み取って方程式として関係式をすべてを書き出す、ということです。
その後は方程式を解くだけなので計算練習したとおりに解けばいいだけです。
※
もちろん文章題は1次方程式の問題だけではありません。
最近の入試では図形や関数、確率、規則性、とあらゆる分野で長い文章題になっています。
問題の中のどの部分が答えを導くのに必要かを読み取る練習はした方が良いですよ。
それさえしっかりできればほとんどの問題はそれほど難しくないのですが、普通の中学生にはきびしいみたいですね。
少し方程式について復習しておきましょう。
方程式の代入問題のポイント
\(x\) についての方程式
\(\displaystyle \frac{3x-a}{2}=a-x\)
の解が \(x=-3\) のとき、\(a\) の値を求めよ。
方程式の解とは、
⇒ 方程式とは?方程式の解と移項とは?基本問題の解き方(中1数学)
にあるように、方程式に代入して成り立つ(左辺と右辺が等しくなる)と言うことです。
ここでは \(x=-3\) が解らしいので、代入して成り立つはずです。
これを方程式に代入してみましょう。
代入するときは(かっこ)をつけて代入するというのを、クセにしておいて下さい。
これは+の値を代入するときも、-の値を代入するときもです。
大切なことなのでもう一度言っておきます。
代入するときは(かっこ)をつけて代入します。
このクセが付いているかいないかで、この先の数学でミスを減らせるかどうかのカギとなります。
実際に代入してみましょう。
\(\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{3x-a}{2}&=&a-x\\
\frac{3(\color{red}{-3})-a}{2}&=&a-(\color{red}{-3})\\
\frac{-9-a}{\color{red}{2}}&=&a+3
\end{eqnarray}\)
これは \(a\) についての方程式とみることが出来ますので、\(a\) について方程式を解けば求める答えとなります。
分数の方程式なので分母をなくします。
\(-9-a=\color{red}{2}(a+3)\)
でもちょっと待ってください。
元の方程式が分数なので、それを先に処理してもいいですよ。
両辺2倍して分母を先になくして代入します。
\(\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{3x-a}{\color{red}{2}}&=&a-x\\
3x-a&=&\color{red}{2}(a-x)
\end{eqnarray}\)
これに \(x=-3\) を代入すると
\(\begin{eqnarray}
3(-3)-a&=&2\{a-(-3)\}\\
-9-a&=&2(a+3)\\
\color{red}{-9}-a&=&\color{magenta}{2a}+6\\
-a\color{magenta}{-2a}&=&6\color{red}{+9}\\
-3a&=&15\\
3a&=&-15\\
a&=&-5
\end{eqnarray}\)
慣れてくれば途中で飛ばしてもいい計算は出てくるとは思いますが、
(かっこ)を外す\(\,2\,\)行目、\(\,3\,\)行目は書いた方が計算ミスは減ります。
このように \(\color{red}{x=-3}\) を代入した後は、\(\color{red}{a}\) についての方程式となります。
文字が2つあるからといってあわてないようにしましょう。
1次方程式の係数問題では必ず解が与えられていますから文字が一つ減るんです。
方程式の解とは、その方程式に代入して成り立つ値
のことです。
代入の復習問題
今までだらだら書いたことの確認として簡単な問題を解いておきましょう。
\(x\) の方程式
\(5x-a=11+2x\)
の解が \(3\) であるとき \(a\) の値を求めなさい。
「解が\(\,\color{red}{3}\,\)」なので方程式に代入して成り立つはずです。
\(\begin{eqnarray}
5x-a&=&11+2x\\
5(\,\color{red}{3}\,)-a&=&11+2(\,\color{red}{3}\,)\\
15-a&=&11+6
\end{eqnarray}\)
\(a\) の方程式に変わりました。
これを解くと
\(\begin{eqnarray}
15-a&=&11+6\\
-a&=&11+6-15\\
-a&=&2\\
a&=&-2
\end{eqnarray}\)
こういう簡単な問題ほどミスしないようにしましょう。
入試で小問集合に入ることが多い係数問題ですが、配点は意外と大きいのですよ。
次からが文章題らしい文章題です。
といっても入試ほど長い文章は選んでいませんので基本問題です。
『文章題が苦手』という人が多いのでよ~く読んで、文章題のコツをつかんでおいて下さい。
今のうちに慣れておけば、2,3年生になってもポイントは変わりません。