1次方程式の文章問題の1つ、代金の問題の解き方とポイントです。
中1の方程式では求める文字が1つしか使えませんが、使い方によってはわからないものが2つある場合でも連立方程式は必要ない場合もあります。
ここは計算ミスを確認する方法は簡単なので、方程式を作るまでに集中していいところです。
代金の文章門題の解き方のポイントとコツ
代金の問題といっても求めるもの、答えとして答えるものは金額だけではありません。
人数や個数や本数などを聞かれることもあります。
だから答えはほとんどが「整数」です。笑
特に人数では整数以外ありえませんよ。
答えが分数や小数で出てきたら計算ミスしていないか確認しましょう。
代金と本数の問題の解き方
\(\,1\,\)本\(\,70\,\)円の鉛筆と\(\,1\,\)本\(\,90\,\)円の鉛筆を合わせて\(\,12\,\)本買い,\(\,920\,\)円払った。
\(\,1\,\)本\(\,70\,\)円の鉛筆と\(\,1\,\)本\(\,90\,\)円の鉛筆をそれぞれ何本買ったか求めなさい。
代金の問題は問題集にいろいろと出て来ますが、この問題は答えが本数です。
答えが整数でなければ計算ミスしていますよ。笑
さて、文章題を苦手とする原因は、問題が日本語だけで書かれているからです。
日本語を世界共通の数学の言葉に置き換えれば普通の方程式と同じになります。
だから長い文章も分解して、数学の言葉、つまり式に変えてやれば良いのです。
そして、数学の基本ですが、
『分からないもの、求めたいものを文字でおく。』
これも覚えておいて下さい。
その文字の値を求めるために方程式を解く練習をしてきたのです。
ここで求めたいものは、\(\,70\,\)円の鉛筆と\(\,90\,\)円の鉛筆の本数です。
求めたいものが\(\,2\,\)つあるので文字を\(\,2\,\)つ使いたいところですが、
2年生で習う「連立方程式」というのを勉強しないと2つの文字はあつかえません。
心配しなくて大丈夫です。
文字1つで済むように問題に条件が与えられているんです。
問題に「合わせて\(\,12\,\)本買い」とあります。
すると、
\(\,70\,\)円の鉛筆を \(\color{red}{x}\) 本買ったとすると、
\(\,90\,\)円の鉛筆は \(\color{red}{12-x}\) 本買ったことになります。
\(\,70\,\)円の鉛筆 \(x\) 本分の代金は \(70x\) 円
\(\,90\,\)円の鉛筆 \(12-x\) 本分の代金は \(90(12-x)\) 円
合わせると代金の合計 \(920\) 円になるので、
\(70x+90(12-x)=920\)
という方程式が立ちます。
※
方程式を作ることを「方程式を立てる」と言います。
この方程式を解くと、
\(\begin{eqnarray}
70x+90(12-x)&=&920\\
70x\color{red}{+1080}-90x&=&920\\
70x-90x&=&920\color{red}{-1080}\\
-20x&=&-160\\
20x&=&160\\
x&=&8
\end{eqnarray}\)
これが\(\,70\,\)円の鉛筆の本数です。
しかし、この \(x=8\) が答えではありません。
問題は「それぞれ何本買ったか」と聞いているので、問題の聞いているものを答えにします。
(答え)
\(\,\underline{ 70\,円の鉛筆\,8\,本 90\,円の鉛筆\,4\,本 }\,\)
と、なります。
答えが整数だからミスしていないと決めつけず確認しましょう。
\(\,70\,\)円の鉛筆\(\,8\,\)本、\(\,90\,\)円の鉛筆\(\,4\,\)本の代金は
\(70\times 8+90\times 4\\
=560+360=920(円)\)
と確かに問題の代金に一致していますね。
次は値段を求めましょう。
代金と本の値段の問題
倍数が関係するので割合の問題ですが、1次方程式で簡単に解ける問題です。
兄は\(1000\)円、弟は\(800\)円を持って本屋に行き、
同じ値段の本を兄は\(1\)冊、弟は\(2\)冊買いました。
本を買った後、兄の残金は弟の\(8\)倍になったとき、本\(1\)冊の値段を求めなさい。
方程式の立式はわからないもの、求めたいものを文字でおくことから始めます。
求めたいのは本の値段です。
本\(\,1\,\)冊の値段を \(x\) としましょう。
兄は\(\,1\,\)冊の本を買っているので残金は
\(\color{red}{1000-x}\)(円)
弟は2冊の本を買っているので残金は
\(\color{green}{800-2x}\)(円)
兄の残金が弟の残金の\(\,\color{blue}{8}\,\)倍なので
\(\color{red}{1000-x}=\color{blue}{8}(\color{green}{800-2x})\)
という方程式が立ちますのでこれを解いて
\(\begin{eqnarray}
1000-x&=&8(800-2x)\\
\color{magenta}{1000}-x&=&6400\color{red}{-16x}\\
-x\color{red}{+16x}&=&6400\color{magenta}{-1000}\\
15x&=&5400\\
x&=&360
\end{eqnarray}\)
(答え)\(\underline{ 360円 }\)
途中までの残金を表す文字式ができれば、関係を=で結ぶだけですね。
方程式を解くのは問題ないでしょう。
⇒ 方程式とは?方程式の解と移項とは?基本問題の解き方(中1数学)
文章題の方程式は比較的簡単なものが多いので、一つ一つの金額を文字式にすることと、一つ一つを順に書き出すことがポイントです。
一気に方程式にしなければならないということはありません。
次は「食塩水」の問題を説明しておきますが後回しでもいいです。
⇒ 1次方程式で解く食塩水の濃度と混ぜる量問題の解説(中学1年)
2年生の連立方程式でもやりますので今はどういうことをすべきかを見ておいてください。
長さや面積の問題を優先していいですよ。