式の計算(中2)での文字式の乗法(かけ算)と除法(割り算)が混じった混合計算のやり方とコツをお伝えします。
文字式の乗法・除法ではポイントをおさえた基本作業をすれば、ややこしく見える問題もやり方は同じです。
中学2年の式の計算に限らず文字式の計算なので手順を複雑にしないというのがコツになります。
高校の数学までの計算速度はここでだいたい決まりますよ。
文字式でも除法(割り算)は逆数の掛け算(再)
早速問題に入りますが、簡単な問題で前回
⇒ 式の計算(中2) 文字式の乗法(かけ算)除法(割り算)のコツと注意点
の復習をしておきます。
(4)\( 48x^3y\div(-6xy)\)
(5)\( 15a^2b \times 6b \div 9ab\)
(6)\(\displaystyle 12x^2y^2 \div (-\frac{1}{2}xy^2) \times \frac{3}{8}xy\)
これも(3)と同じで
「 ÷ の直後を逆数のかけ算に」
しますが、
先ず全体が(-)であることを確認して、
数値のみの計算にすると楽ですよ。
\(\hspace{10pt}48x^3y\color{red}{ \div(-6xy})\\
\displaystyle=-\frac{48x^3y}{\color{red}{ 6xy}}\)
会員サイトにあるワンポイント「約分の効用」は当然利用しますが、
符号,係数,\(\,x\,,\, y\,\)の順に書いていく
ことも忘れずにしましょう。
こういった簡単なことをおろそかにしているから計算処理が下手くそと言われるんです。
あげく、私みたいなおっさんより処理が遅い、という状態ができあがります。
\(\hspace{10pt} 48x^3y\div(-6xy)\\
=-\displaystyle \frac{\color{red}{48}\color{blue}{x^3}\color{magenta}{y}}{\color{red}{6}\color{blue}{x}\color{magenta}{y}}\\
=-8\,x^2\)
\( y\) はなくなりました。w
ここまでの解説は
⇒ 式の計算(中2) 文字式の乗法(かけ算)除法(割り算)のコツと注意点
でもしてありますので参考にして下さい。
では次に行きます。
文字が増えても乗法除法では約分をうまく利用する
ちょっと計算が増えますが方法は同じです。
このようにかける数や割る数が増えても同じで、
「 \(\color{red}{ \div の直後を分母に}\)」
回せば良いんです。
\(\color{blue}{ \times (かけ算)の直後は分子に}\)のせます。
最初の数値は符号は無いけど
\( +1 \times x\) だと考えれば+です。
この問題は符号はすべて(+)なので全体も(+)なのは良いですよね。
\(\hspace{10pt} \displaystyle 15a^2b \times 6b \div 9ab\\
\displaystyle =\frac{\color{red}{15}\,\color{blue}{a^2}\,\color{magenta}{b} \times \color{red}{6}\,\color{magenta}{b}}{\color{red}{9}\,\color{blue}{a}\,\color{magenta}{b}}\\
=\color{red}{10}\,\color{blue}{a}\,\color{magenta}{b}\)
約分で消えるところはしっかり消し、
指数と係数の残りに注意しながら、
符号 , 係数 , \( a , b\) の順に書いていくのは変わりません。
分数の割り算はないものと同じ
これも分数のかけ算割り算です。
分数のときの大切なことを思い出してみましょう。
分母と分子をはっきりと分けることでした。
そして、割り算は逆数のかけ算にするのは今までと同じです。
(+)×(-)×(+)で全体が(-)
になるので、
(-)を前に出して、後は数値だけの計算にするのも同じです。
\( \displaystyle \frac{1}{2}x^2y=\displaystyle \frac{x^2y}{2}\)
のように分母と分子をはっきりと区別しておくと、
逆数を取ったときに間違えにくいです。
分数 \(\displaystyle \frac{1}{2}\,\color{red}{x^2y}\) の
\(\color{red}{ x^2y は分子にある}\)
のですよ。
間違える人たまにいますから注意してください。
さらにいうと、口うるさくなるけど、
分母に書いているのか、
分子に書いているのか、
あいまいな書き方している人多いけど、
分子に書いているなら真横か少し上、
(分数線の上にきっちりのせるのが一番良い)
分母に書いているなら分数線の下にきっちり書くようにしましょう。
採点で減点されることもありますし、自分で見間違えて計算ミスするケースが結構あります。
よく見かけるのですが、経験ありませんか?
自分のノートを見てみてください。
入試で確実に○がもらえると思いますか?
\( \hspace{10pt}\displaystyle 12x^2y^2 \color{red}{\div \left(-\frac{1}{2}xy^2\right)} \times \frac{3}{8}xy\\
\displaystyle =12x^2y^2 \color{red}{\times \left(-\frac{2}{xy^2}\right)} \times \frac{3}{8}xy\\
\displaystyle =-\frac{\hspace{7pt}12x^2y^2 \times 2 \times 3xy\hspace{7pt}}{\hspace{5pt} 1 \hspace{5pt}\times \hspace{5pt} xy^2\hspace{5pt} \times \hspace{5pt}8\hspace{7pt}}\\
=-9\,x^2\,y\)
\(\,2\,\)行目は省略出来るようになりますので、
分子と分母を見分けて、逆数のかけ算にする練習をしておくと良いです。
分数線をドバ~ンと長目にひくとやりやすいですよ。
通塾生との間では『分数線バン!』が合い言葉なのですが、表現が数学らしくないのであまりここでは使っていません。w
先ずは符号、分母と分子をきっちり分けて約分、
これでこれから先の除法混じりの計算はクリアー出来ます。
この方法を全ての割り算に使えば練習量はさほど必要ありません。
これからの単元でもたくさん出てきますから。
⇒ 式の計算(中学2年) 文字式に数値を代入する問題を解くときのポイント
式の計算のポイントだけでももう一度おさえて、少しでも練習できているなら先に進みましょう。