連立方程式の解き方の基本となる加減法の問題とポイントの説明です。
加減法とは連立方程式の解き方の1つですが、これだけでも通用するのでしっかり身につけておくと良いです。
中学数学では連立方程式の文字(未知数)が2つあります。
文字が3つ以上でも方針は変えなくて良いので計算の仕方や解き方の流れを覚えてしまいましょう。
連立方程式を解くときのポイント
連立方程式の単元では最初に連立方程式を解く計算問題があり、後に文章題へと進みます。
文章題のコツは1次方程式でも2次方程式でも、
連立方程式でも同じですので、
先ずは連立方程式の解き方を覚えましょう。
連立方程式を解く頃には必ずそれまでに1次方程式というのを解いたと思います。
\(\hspace{4pt}2x+5=11\,\)の\(\,x\,\)を求めるような問題です。
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
2x+5&=&11\\
2x&=&11-5\\
2x&=&6\\
x&=&3
\end{eqnarray}\)
十分理解できていると思いますが文字は一つでした。
(さらに最高次数が1次なので1次方程式といいます。)
連立方程式は、
文字が2つになって、方程式が2つが並んだものになります。
\(\,1\,\)次方程式よりは少しややこしくなりますが
基本的には同じ要領で解きます。
連立方程式を解くときのポイントは、
「一文字消去」
これは少し練習すればすぐに理解できるでしょう。
ここであつかうのは文字2つの方程式なので
ひとつ文字を消して、ひとつの文字の方程式にする、
というのを方針にすればすべての連立方程式が解けるようになります。
(連立方程式の単元では1次方程式の連立に限られる、と思っていて良いです。)
※
2次方程式を学んだ後は2次の連立方程式を解くこともたまに出てきます。
ただ、基本方針は高校の数学でも変わりありません。
連立方程式の便利さ
連立方程式が解けるようになると、
文章題を解くとき、「分からないもの」、「求めたいもの」を、
2つまで文字でおけるようになるので、
解答できる問題の幅が広くなります。
小学生のときに聞いたことがあるかもしれませんが、
『つるかめ算』というものを方程式で機械的に解くことになります。
では、実際に解いていきましょう。
問題を先に書いておきます。
(1)\( \begin{cases} x+y=7 \\ \\ x-y=3 \end{cases}\)
(2)\( \begin{cases} x+4y=-2 \\ \\ 2x+3y=1 \end{cases}\)
慣れるまではきれいな係数の問題をいくつか繰り返しておくと良いです。
後で出てくる小数や分数の係数の問題でも使い方、処理の仕方はすべて同じです。
加減法とは?
(1)から解いて行きましょう。
連立方程式を解くときの基本は、「一文字消去」です。
\( \begin{cases} x+y=7 \\ x-y=3\end{cases}\)
上の式と下の式を両辺をそれぞれ足すと\( \,y\,\)が消えます。
このように\(\,y\,\)という一文字消すことを
\( \,y\,\)を消去する
と言います。
また、
2つの方程式を足したり、引いたりして文字を消去する
解き方を「加減法」といいいます。
両辺をそれぞれ加えると
\(\hspace{20pt}x+y=7\\
\underline{+)\hspace{8pt}x-y=3 }\\
\hspace{16pt}2x\hspace{16pt}=10\\
\hspace{38pt}x=5\)
と\(\,x\,\)が先に求まりますのでこれを連立方程式のどちらかに戻します。
どちらでもかまいません。
上の式\(\,x+y=7\,\)に\(\,x=\color{red}{5}\,\)を戻す(代入する)と、
\(\begin{eqnarray}
\color{red}{5}+y&=&7\\
y&=&2
\end{eqnarray}\)
ここでは下に書いていますが、
実際に計算するときは代入する式の右横で計算すると確認しやすいです。
(ミスが減ります。)
これで \( x\,,\,y\) ともに求まりました。
これがこの連立方程式の解です。
これで終わるのではなく答えをしっかりと書きましょう。
\(\color{red}{ x=5 , y=2}\)
または座標を書くように
\(\color{red}{(\,x\,,\,y\,)=(\,5\,,\,2\,)}\)
と書きます。
答えの書き方は解答用紙に指定がある場合もありますので合わせて下さい。
上では\(\,y\,\)を消去しましたが、\(\,x\,\)を消去しても良いですよ。
決まりはありませんので、どちらでも消しやすい方で良いです。
両辺それぞれを引いて
\(\hspace{20pt}x+y=7\\
\underline{-)\hspace{8pt}x-y=3 }\\
\hspace{32pt}2y=4\\
\hspace{37pt}y=2\)
と\(\,x\,\)を消去して\(\,y\,\)を先に求めても良いです。
次に進みます。
少し手を加える加減法
一文字消去しますが、
そのままでは足しても引いてもどちらかの文字は消えません。
どっちを消すか?
どっちでも良いです。
\(\,y\,\)を消そうとすると上も下も何倍かしなければならないので、
ここでは\(\,x\,\)を消しましょう。
上の方程式を\(\,2\,\)倍すると(両辺を\(\,2\,\)倍ですよ)、\(\,x\,\)の係数がそろいます。
\( \begin{cases} 2x+8y=-4 \\ \\ 2x+3y=1 \end{cases}\)
上の式から下の式を、左辺と右辺の両方をそれぞれ引きます。
\(\hspace{10pt} 2x+8y=-4\)
\(\underline{-)\hspace{7pt}2x+3y=1 }\)
\(\hspace{40pt}5y=-5\)
よって
\( y=-1\)
これをどの式にでもいいから代入します。
一番上の問題の式\(\,x+4y=-2\,\)に代入してみましょうか。
\(\begin{eqnarray}
x+4y&=&-2\\
x+4\times (-1)&=&-2\\
x-4&=&-2\\
x&=&-2+4\\
&=&2\end{eqnarray}\)
答えは \( x=2\,,\,y=-1\)
基本的にはこの「一文字消去」の繰り返しです。
次はもう少し手間のかかる計算問題を解いてみましょう。
ここまででも文章題は解けるようになりますよ。