連立方程式とは何か、連立方程式が使えるようになると便利になるところと、注意点がありますのでお伝えしておきます。
連立方程式の単元では文章題が多くなりますが方程式を解くこと自体は簡単です。
関数とのつながりも大きいな単元なので算数で足し算を覚えたくらい練習しておくと良いですね。

連立方程式とは?

連立方程式とは、例えば、

 \(\begin{cases}
\hspace{7pt} 5x-2y&=&6\\
\hspace{7pt} y-2x&=&1
\end{cases}\)

のように未知数\(\,x\,,\,y\,\)についての関係を同時に満たす\(\,2\,\)つの方程式をいいます。

またこの\(\,x\,,\,y\,\)を求めることを連立方程式を解くといいます。

これほど簡単で便利な単元はありません。
というのも、中学\(\,2\,\)年で使う連立方程式は、
\(\,2\,\)元一次方程式という文字\(\,2\,\)つで一次方程式の連立だからです。
誰にでも計算できて、しかも中学では文字も\(\,2\,\)つしかないのです。

実は連立方程式の\(\,1\,\)つは\(\,1\,\)年のときに解いています。

\(\,1\,\)年の時に一次方程式というのをやりましたよね。
これは、連立方程式と何らかわりはありません。
何故かというと、連立方程式の利用目的の\(\,1\,\)つが、\(\,2\,\)つの関数の交点を求めることだからです。
中学\(\,2\,\)年でやるのは\(\,2\,\)本の直線の交点を求めるだけです。
単なる計算だと思って、初めのうちは計算ばかりやらされますが、数学の意味では\(\,2\,\)直線の交点を求めていることなのです。

\(\,1\,\)年のときには一次方程式でした。
例えば、
 「\( 2x+1=0\) の解は?」 

などという問題を解きました。

これは、
 \(\,y=2x+1\,\) と、\(\,y=0(x軸)\,\)という\(\,2\,\)つの直線の交点です。

連立方程式で表すと

 \( \begin{cases}
\hspace{4pt} y&=&2x+1\\
\hspace{4pt} y&=&0
\end{cases}\)

だから既に、あなたは連立方程式を解いている。
それを新たに、「連立方程式」というタイトルの単元として勉強し直すのです。

違っているのは、\(\,1\,\)年のときは文字が\(\,1\,\)つでした。
つまり1元。
それが2元(文字\(\,2\,\)つ)まで使えるというだけで、分からないもの、求めたいものを\(\,2\,\)つの文字を使って表すことができる便利なものが増えただけです。

文字が1つしか使えなかった\(\,1\,\)年のときよりも、\(\,2\,\)つも使える連立方程式の方が便利なのです。

\(\,3\,\)年になると連立された方程式が\(\,2\,\)次方程式になりますが、解き方は同じなのでこの単元で解き方を身につけておいてください。

連立方程式の便利なところ

連立方程式の解き方には「加減法」「代入法」とありますが、解くだけなら代入法は必要ありません。

⇒ 加減法とは?連立方程式の解き方とポイント

しかし、図形(座標)上の意味を考えたとき、代入法の便利さがわかります。
だから、最初は「加減法」で押し通して構いませんが、「代入法」も覚えて使えるようになっておく方が処理がはやくなります。
座標上での交点を求める問題はほとんどが「代入法」で解けるからです。

そして、もっとも重要なことは、文字が2つ使えるということは、
分からないもの、求めたいものを2つまで「文字でおける」ということです。

例えば、\(\,1\,\)年の方程式では、
 「リンゴとなしを合わせて\(\,10\,\)個買いました。」
という場合、
 「リンゴを\(\,x\,\)個買ったとすると、なしは\(\,10-x\,\)個」
としていましたが、(こっちの方がはやいけど)
 「リンゴを\(\,x\,\)個、なしを\(\,y\,\)個」
とあまり考えずに立式することができます。

この便利さがわかれば、というより、これを使えれば数学の便利さが一気に増します。

文章題でも多くが連立方程式の問題です。
確率の問題などは長文化していますが、人数、金額、枚数を求める問題のほとんどが連立方程式で解けます。
(しかも人数などは解が整数になるので割と計算も楽です。)

「分からないものを文字でおいて、方程式を立てる。」
これは1年の方程式と変わりません。
連立方程式では文字が2つになるので2つの方程式が必要になるだけで、
問題の条件には2つ用意してあるからそれを数学の文章である方程式にするだけなのです。

式が立てば後は計算だけです。

連立方程式で注意する点

1つだけ気をつけて欲しいのは、求めたいものを、2つの文字を使って解けるのですが、
ある系統の(基準のある割合比較)問題だけは、直接求めたいものがでない場合があります。

そこを注意してこの単元の文章題に取り組んでみて下さい。

例としては、
「昨年の男子は、、、今年は8%減って、、、今年の男子は?」
という問題です。

これは基準になっているのが昨年なので、今年の男子を直接求めに行くとやっかいです。
一度昨年の男子を求めて、その後今年の男子という手順を取ってください。

いくつか例題をやればすぐに分かりますよ。

⇒ 連立方程式 人数の増減問題は文字でおくのは基準になるもの

文章題は日本語がだらだらと書かれ、ややこしそうに見えます。
しかし、数学の言葉への変換ができればでこれほど易しく、入試に出やすい単元も少ないです。
落とすことはできません。

文章題が苦手だからと捨てる単元ではありませんよ。
文字式をやり直せばきっと克服出来ます。

連立方程式とは問題に書いていませんが、1次関数でも連立方程式は必要になります。
計算でつまずく人は少ないですが、「交点」とあれば「連立」、これは忘れないでくださいね。

⇒ 加減法とは?連立方程式の解き方とポイント

学校では連立方程式の解き方は計算練習を十分にやりますから必要無いかもしれないけど、方程式をあつかうちょっとしたコツもあります。

⇒ 中学数学で使う文字式の一覧(奇数や偶数などの整数の表し方)

まだ実感できていないかもしれないけど、文字を使えるようになると数学は大きく変わります。

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