連立方程式の解き方は加減法と代入法の2つがあります。
どちらの方法でも答えは出ますので、問題によって自分で選ぶことになりますが、選び方によっては時間に差が出ます。
1文字消去という方針は1つですが、はやく解くためにもパターンを変えて少し手間のかかる問題に取り組んで見ましょう。
連立方程式をはやく解くには
加減法は連立された2つの方程式から一文字消去するために、
足したり引いたりして解く方法です。
文字の係数が同じときは単に加減だけでできますが、
係数が違っているときは、係数をそろえる作業をしなければなりません。
消去する文字はどちらでもかまいません。
どのような連立方程式でも自分が消したいと考えた文字で良いです。
ただ、
選択した文字によっては多少時間に差が出るので少し慣れておく方が良いでしょう。
さっそく問題に入ります。
(3)\(\begin{cases} 3x-5y=3 \\ 4x-3y=-7 \end{cases}\)
(4)\(\begin{cases} y=x+1 \\ 2x-y=2 \end{cases}\)
(5)\( \begin{cases} 2x+5y=-11 \\ 2x=y+7 \end{cases}\)
問題1(2)までは別のページにあります。
加減法のちょっとした変形
これは、どっちかだけを何倍かして加減してもどちらの文字も消えません。
両方の方程式を何倍かしないとなりませんので、
自分でどっちを消すかを決めます。
どちらでもかまいませんので迷わず進めた方がはやいです。
\(x\) を消すなら、上を\(\,4\,\)倍、下を\(\,3\,\)倍すれば、
\( x\) の係数が\(\,12\,\)とそろうので引き算すれば \( x\) の項が消すことができます。
\(y\) を消すなら、上を\(\,3\,\)倍、下を\(\,5\,\)倍すれば、
\(y\) の係数が\(\,15\,\)とそろうので引き算すれば、\( y\) が消えます。
係数を最小公倍数にするのが計算は楽ですが、公倍数なら消去できるので適当に合わせれば良いですよ。
ここでは \(y\) を消してみましょう。
\(\begin{cases} 3x-5y=3 & (1) \\ 4x-3y=-7 & (2)\end{cases}\)
(1)の両辺を\(\,3\,\)倍、
(2)の両辺を\(\,5\,\)倍して \(\color{red}{y}\) の係数をそろえます。
\(\begin{cases} \,\, 9x-15y=9 & (1)’ \\ 20x-15y=-35 & (2)’\end{cases}\)
(1)’から(2)’をひいても良いですし、(2)’から(1)’をひいても良いです。
分かり易いので(1)’から(2)’をひいて
\(\hspace{20pt}9x-15y=9\\
\underline{-)\hspace{4pt}20x-15y=-35}\\
\hspace{4pt}-11x\hspace{26pt}=44\\
\hspace{51pt}x=\color{red}{-4}\)
この後は普通に \(x\) をどれかの方程式に代入します。
(1)に代入しましょうか。
\(\begin{eqnarray}
3x-5y&=&3\\
3\times (\color{red}{-4})-5y&=&3\\
-12-5y&=&3\\
-5y&=&15\\
y&=&-3
\end{eqnarray}\)
答えは \( x=-4 , y=-3\) です。
もちろん \( x\) を先に消去しても結果は同じです。
連立方程式を解くときの代入法とは
これは2つ方法があります。
一つは学校でもやる、文字そのものを代入する代入法。
もう一つは今まで通り、\( x\,,\,y\) 両方の項を左辺に集めて連立させる加減法です。
そうすればどんな連立方程式も解けるので「代入法」というのは必要ないのですが、
以後の1次関数の交点を求めるときの時間短縮という意味からも代入法は覚えておきましょう。
代入法とは、
上の式が \( y=x+1\) と \(y\) の係数が消しやすい値で表されているので、
これを下の式の \(y\) に代入する方法です。
やってみましょう。
\(\,y=\color{red}{x+1}\,\) を下の式、
\(2x-y=2\) の \( y\) に代入すると、
(\(\,y\,\)の代わりに\(\,(x+1)\,\)を入れて、)
\( 2x-(\,\color{red}{x+1}\,)=2\)
となり、\( x\) の\(\,1\,\)次方程式になります。
これを解くと、
\(\begin{eqnarray}
2x-x-1&=&2\\
x&=&3
\end{eqnarray}\)
これを \( y=x+1\) に代入すると、
\( y=3+1=4\)
で簡単に答えが、\( x=3 , y=4\) と出てきます。
連立方程式は加減法と代入法どちらでも解ける
ちなみに、(1)~(3)のように足したり引いたりする方法を「加減法」といいますが、加減法でも解けるんです。
\( \begin{cases} y=x+1 \\ 2x-y=2 \end{cases}\)
の上の式の \( x\) を移項すれば、加減法で解けます。
\( \begin{cases} -x+y=1 \\ 2x-y=2 \end{cases}\)
(計算は自分でして見てください。)
どっちが早いか?といえば代入法でしょう。
これも代入法でも加減法でもどちらでも解けます。
代入法で解く場合は、
下の式の \( \color{red}{2x}=y+7\) をそのまま上の式\(\,\color{red}{2x}+5y=-11\,\)の \( \color{red}{2x}\) に代入すればいいのです。
または、
下の式を \( \color{blue}{y}=2x-7\) と移項して、上の式\(\,2x+5\color{blue}{y}=-11\,\)の\(\,\color{blue}{y}\,\)に代入してもいいです。
\(\color{red}{2x}+5y=-11\) の \(\color{red}{2x}\) に \(\color{red}{y+7}\) を代入して、
\(\begin{eqnarray}
(\color{red}{y+7})+5y&=&-11\\
y+7+5y&=&-11\\
6y&=&-18\\
y&=&-3
\end{eqnarray}\)
これから
\(\begin{eqnarray}
2x&=&(-3)+7\\
&=&4\\
x&=&2
\end{eqnarray}\)
答えは \(\underline{ x=2 , y=-3 }\) です。
2つ目の方程式 \(2x=y+7\) を
\(2x-y=7\) と \(y\) を移項すれば加減法でも簡単に解けます。
どちらでも良いんですよ。
中間テストや期末テストでは、「代入法で解け。」なんて指定はありますが入試ではありません。
連立方程式を関数でも使いますが、「連立方程式を解くと」と書けばそれで十分です。
次は小数分数の連立方程式を解いてみますが方程式と同じなのでサッと終わらせましょう。
⇒ 小数や分数が係数にある連立方程式をはやく解く解き方のコツ
方程式でも連立方程式でもはやく解くコツは同じだとわかります。
どちらも方程式なので当然ですけど。