小数や分数がそれぞれの方程式の係数にある連立方程式をはやく解く解き方のコツです。
方程式を解くときの処理の基本ができていれば説明する必要はないのですが、連立方程式で復習しておきましょう。
連立方程式の解き方、加減法と代入法はできているものとして話を進めます。
連立方程式は方程式を並べただけ
「連立」とはついていますが、1つひとつは単なる方程式です。
連立方程式の解き方は方程式と同じだし、はやく解くコツも同じです。
問題を解きながら確認して見ましょう。
(6)\( \begin{cases} 0.2x+0.1y=1.5 \\ \\ 0.3x-0.4y=1.7 \end{cases}\)
(7)\(\begin{cases} \displaystyle \frac{2}{3}x- \frac{5}{3}y=\frac{5}{2} \\ \\ \displaystyle \frac{2}{5}x+\frac{1}{2}y=\frac{1}{2} \end{cases}\)
(8)\(\begin{cases} 3(2x-y)-(4x-2y)=-8 \\ \\ 2(x+3y)-5(x+y)=10 \end{cases}\)
問題をパッと見てすぐに方針が立てばスルーしても良いですよ。
問題1の(1)~(5)はここから始まっています。
小数がある連立方程式をはやく処理する方法
方程式では係数に小数がある場合、
先ず小数を無くす、
というのが基本です。
連立方程式でも同じです。
小数をなくした方がはやいというだけなので残していても良いですが、
計算が遅いという人は変えて見ると良いでしょう。
ただ、
「解ければいい」
という算数の延長のような数学でやっているから高校の数学でも
「時間が足りない」
なんて泣き言を言うことになるのですよ。
だ~れも言ってくれない?
今、言いました。w
多量の問題を解くというのも良いですが、処理方法を工夫する1つの問題を繰り返すというのも力つきますよ。
小数を無くすために2つとも方程式を\(\,10\,\)倍しましょう。
両辺を\(\,10\,\)倍するの忘れないようにして下さいね。
それと、1という係数は省略出来ますが、
小数の\(\,0.1\,\)という係数は省略出来ませんので覚えておいてください。
\( \begin{cases} 2x+y=15 & (1) \\ \\ 3x-4y=17 & (2)\end{cases}\)
これから先は今までと同じです。
どちらかの係数をそろえて一文字消去ですね。
どっちを消去するか?
\( y\) を消去しましょう。(1)を\(\,4\,\)倍します。
\( \begin{cases} 8x+4y=60 & (1)’ \\ \\ 3x-4y=17 & (2)\end{cases}\)
ここまで来ればもう説明の必要はないでしょう。
答えは \(x=7 , y=1\) です。
\(\,x\,\)を消去しても良いのですが、\(\,xを\,\)消去するには
(1)の両辺を\(\,3\,\)倍、(2)の両辺を\(\,2\,\)倍、
と両方を何倍かしなくてはならないので、\(\,1\,\)つの処理で係数がそろう\(\,y\,\)を消去した方がはやいですよね。
分数が係数にある連立方程式のはやい解き方
分数を係数に持つ方程式も係数を整数にするのが基本で、分母を無くします。
連立方程式でも先ずは分母を無くすために、分母の最小公倍数をかけます。
上の方程式は\(\,6\,\)倍、下の方程式は\(\,10\,\)倍します。
\( \begin{cases} 4x-10y=15 \\ \\ 4x+ \,\,5y=5 \end{cases}\)
最小公倍数をかけるのはできるだけ係数を小さくしたいだけなので公倍数なら何でも良いですよ。
最小公倍数が見つけにくい場合は、大きめの公倍数で良いです。
1次方程式のときよりややこしく見えますが、1次方程式を2つ処理するだけなので簡単です。
このまま加減法で一文字消去できますね。
これを解くと答えは、\(\displaystyle x=\frac{25}{12} , y=-\frac{2}{3}\) です。
たまに「答えがきれいになりません」っていわれるけど、分数の答えもありますよ。笑
文章題で人数の答えが分数ってことはありませんけどね。
他にも、
「回数」「枚数」「値段」「イスの数」
など普段整数で数えるものについて答える問題で、
分数、小数で答えさせる問題はないと思っていて下さい。
答えが整数にならないのであれば、途中で計算ミスをしている可能性が大きいです。
問題文を読むことから始めて、立式段階でも見直しをして下さい。
その後、出てきた答えをもとの連立方程式に戻して、満たしているか計算ミスを確認すると確実性が増します。
連立方程式はこれくらいが普通
なんだか、見た目はややこしそうに見えるけど、左辺を展開すれば、今までと同じ加減法です。
符号に気をつけて展開すると、
\( \begin{cases} 6x-3y-4x+2y=-8 \\ \\ 2x+6y-5x-5y=10 \end{cases}\)
左辺を整理して
\( \begin{cases} 2x-y=-8 \\ \\-3x+y=10 \end{cases}\)
これを解いて、答えは
\(x=-2 , y=4\)
です。
文章題で出てきた関係式が、
「むずかしそう」っていうだけで投げ出す人いますが、できるだけの処理をしてみて下さい。
少しでも先に進むと、見えてくること多いですよ。
これで一通りの連立方程式は解けるようになりました。
まだ不安があるという人は繰り返せば良いですが、問題数より同じ問題でいいので繰り返す回数を重視しておいて下さいね。
文章題の解き方に進みますが、
ここで例題にしている問題数は少ないので復習をかねてここの問題だけでも解説を見なくても答えまで出せるように繰り返すと良いです。
と続きの
は復習しておくといいでしょう。
方程式自体が解けなければ答えは出ませんからね。
ここまでの方程式が解けるなら、文章題では「立式まで」の演習で良くなります。
文章題の演習は時間がかかるというのは迷信ですから、気後れすることなく進んで下さい。
ただし、入試の問題は長文化してきているのは事実です。
⇒ 連立方程式の文章問題を解くポイント(十の位一の位の数を入れかえる)
問題文を読む時間が必要なので文章題が難しいと思うかもしれませんが、立式さえできれば計算はここまでのものしか出ません。
連立方程式の文章題は難しいのではなく、「めんどくさいだけ」といえるようになりますよ。