有効数字とは、信用できる数字の桁(けた)数のことです。
ここでは中学の資料の整理・活用の範囲での四捨五入と桁数について有効数字の使い方、表し方を説明します。
足し算やかけ算などの計算が関係する有効数字は高校になってきっちりやれば良いです。
有効数字とは
有効数字とは一番上のケタからいくつ有効なものとみるか、信頼性があるか、を表す数字の桁(けた)数のことです。
すべての数字に決まった有効数字の桁数があるわけではありません。
例えば、\(\,10000\,\)という数字はどこまで有効なのか桁数は分かりません。
\(\,\color{red}{1}0000\,\) の\(\,\color{red}{1}\,\)のある一万の位まで信頼性があるのか
\(\,1\color{red}{0}000\,\) の\(\,1\color{red}{0}\,\)のある千の位まで信頼性があるのか
\(\,10\color{red}{0}00\,\) の\(\,10\color{red}{0}\,\)のある百の位まで信頼性があるのか
単に\(\,10000\,\)と書かれていても分かりません。
さらに、
\(\,9999\,\)という数字を有効数字一桁で表すと\(\,10000\,\)になります。
\(\,9999\,\)という数字を有効数字二桁で表すと\(\,10000\,\)になります。
だから有効数字は問題で指定されると考えて下さい。
測定値の有効数字はどこまでか決まりますが、与えられた数字では有効数字がわかりにくいということです。
では問題で指定されたときどのように有効数字で表現するのか見ておきましょう。
有効数字の桁数と四捨五入
実際にどのように有効数字を表すか見ていきましょう。
有効数字2桁で表すときは上から3つめ数字を四捨五入します。
有効数字のけた数の1つ下の数字を四捨五入するということです。
\(\,23\color{red}{7}1\,\)の上から3つ目の\(\,\color{red}{7}\,\)を四捨五入するということは切り上ることになります。
\(\,\underline{ 2400 (\mathrm{km}) }\,\)
ただ、今後は有効数字で答える場合は、
すべて、\(\,\color{red}{a\times 10^b}\,\) という形で答えると分かり易いです。
\(\,a\,\)は整数部分が\(\,0\,\)でない一桁
となるように書きます。
たとえば、
\(\,2400=2.4\times 10^3 (\mathrm{km})\,\)
のように書きます。
(答え)\(\,2.4\times 10^3 (\mathrm{km})\,\)
慣れるまでは \(\color{blue}{\times 10^b}\) の部分がわかりづらいのでいくつか例を見ておきましょう。
有効数字を分かり易くする表し方
「\(\,599999\,\)を有効数字4けたで」
なので一桁下の上から\(\,5\,\)桁目を四捨五入して、
\(\begin{eqnarray}
5999\color{blue}{9}9 &≒& 600000\\
&=& 6.000\times 10^5 (\mathrm{mm})
\end{eqnarray}\)
となります。
有効数字\(\,4\,\)桁なので小数点以下の\(\,0\,\)も3つ書きます。
有効数字\(\,4\,\)桁の場合は整数部分の一の位に\(\,0\,\)じゃない数字を1つと合わせて数字を4つ並べます。
有効数字が、
\(\,1\,\)桁なら \(\,6×10^5\,\)
\(\,2\,\)桁なら \(\,6.0×10^5\,\)
\(\,3\,\)桁なら \(\,6.00×10^5\,\)
になります。
つまり、
\(\,●.○○○\times 10^b\,\)
のように、●に\(\,0\,\)ではない一桁の数字を入れて、
●と○の数が4つになるように表せば有効数字4桁ということです。
さて、\(\,\times 10^b\,\) の部分ですが、整数部分から小数点がいくつずれていくかを数えれば良いだけです。
たとえば、有効数字をひと桁とすると、
\(\,60=6\times \color{red}{10}=6\times \color{red}{10^1}\,\)
\(\,600=6\times \color{red}{100}=6\times \color{red}{10^2}\,\)
\(\,6000=6\times \color{red}{1000}=6\times \color{red}{10^3}\,\)
いきなり指数\(\,b\,\)を決めるのはミスの原因になりますのでやめた方が良いですが、整数の有効数字に関しては簡単な方法があります。
たとえば、\(\,123456789\,\) という数字があったとしましょう。
これを有効数字\(\,3\,\)桁で表すとき、\(\,4\,\)桁目を四捨五入して
\(\,1.23×10^b\,\)
となるの分かりますが\(\,b\,\)はいくつか?
これは最初の\(\,\color{red}{1}\,\)以外をすべて\(\,\color{blue}{0}\,\)と見るのです。
\(\hspace{20pt}\color{red}{1}\color{blue}{23456789}\\
→ \color{red}{1}\color{blue}{00000000}\,\)
とすれば\(\,0\,\)が8つ並ぶのが分かるので、
有効数字部分の\(\,3\,\)桁を \(\,1.23\,\) と書いて、
\(\,\times 10^8\,\) を書き足せば良いのですが、
自分なりに慣れた方法でやってくれて構いません。
測定した位
測定した位というのは、距離や重さなどをどの位まで測定したか、信用できるのはどの位までかということです。
理科で測定するとき、器具についている最小メモリの\(\,10\,\)分の\(\,1\,\)の単位まで読み取るというのがあったと思いますが、測定する方法によって信頼できる有効数字は変わります。
それが問題になります。
有効数字の桁数を決めて四捨五入するときを思い出して欲しいのですが、
もとは\(\,2371\,\)という数字があって、有効数字\(\,2\,\)桁とするとき上から3つめの数字を四捨五入しました。
\(\,23\color{blue}{7}1 \rightarrow 2400\,\)
これは上から3つ目以下は信用できない値だからです。
つまり有効数字二桁で\(\,2400\,\)と表しているのは、
\(\,2\color{red}{4}00\,\)の百の位\(\,\color{red}{4}\,\)までは信頼できる値としているということです。
これは測定した時点でもその位までは信頼できる、『測定した位』を表していなくてはなりません。
測定していない位を適当に測定値とはできませんからね。
つまり、
測定した\(\,2400\,\)という信頼できる数字
を有効数字を\(\,2\,\)桁で
\(\,2.\color{red}{4}\times 10^3\,\)
と分かり易く表したしているものを、元に戻して
\(\,2\color{red}{4}00\,\)
有効数字の最小の位を見れば良いということです。
この場合は『百の位』です。
同じように元に戻してみましょう。
\(\hspace{10pt}\,8.\color{red}{9}\times 10^2\\
=8\color{red}{9}0 \mathrm{km}\,\)
\(\,\color{red}{9}\,\)は十の位なので、これは\(\,10\,\mathrm{km}\,\)の単位まで測定したということです、
答えは \(\,\underline{ 10 \mathrm{km} }\,\)
ここでもやはり指数を無くすのがわかりにくいかもしれませんが、指数にするときと逆のことをすれば良いだけですよ。
\(\,8.9\times 10^\color{red}{2}\,\) は整数部分の一の位の数字に\(\,0\,\)が2つつきます。
\(\,8\times 10^2=8\times 100=800\,\)
これに有効数字二桁目の\(\,9\,\)が加わるだけなので、
\(\,8.9\times 10^2=8.9\times 100=890\,\)
ちなみに
\(\,100\,=\,10^\color{magenta}{2}\,\)
\(\,1000\,=\,10^\color{magenta}{3}\,\)
\(\,1\color{red}{0000}\color{blue}{0000}\,=\,10^\color{magenta}{8}\,\)
ですが
\(\,10\,=\,10^\color{red}{1}\,\)
この指数\(\,\color{red}{1}\,\)は省略されていることは忘れないでください。
\(\,6.0000\times 10^5\,\)は\(\,6.000\color{red}{0}\,\)まで書いてあるということは有効数字\(\,5\,\)桁ですよ。
これを指数をなくして表すと
\(\hspace{10pt}6.000\color{red}{0}\times 10^5\\
=6.000\color{red}{0}\times 100000\\
=6000\color{red}{0}0\)
この\(\,0\,\)は十の位なので\(\,10\,\mathrm{kcal}\,\)の単位まで測定したことになります。
(答え) \(\,\underline{ 10 \mathrm{kcal} }\,\)
今は考えなくて良いですが、有効数字は演算(足し算引き算かけ算割り算)によってけた数が変わります。
演算の種類によって違うので高校に進んだら必ずやっておいた方が良いです。
(数学ではなく物理や化学などの理科で使います。)
次は近似値を少しだけ説明しておきます。
⇒ 近似値とは?誤差の大きさと真の値の範囲の表し方(中1資料の活用)
「誤差」という意味も重要になってくるかもしれません。
入試に大きく関係してくるのは度数分布表の読み取りです。