北海道の公立高校入試2018(平成30年度)で行われた数学の問題と解説です。
北海道は裁量問題もありますが別に詳しく解説しますので、ここでは通常問題の解説になります。
問題の解答だけはなく解説を入れていますので考え方、解き方を見て参考にしてください。
問題は北海道の公式サイトにもあります。
問題 ⇒ 2018北海道公立高校入試問題
北海道公立入試の対策方法
上の問題を見るとわかると思いますが、\(\color{black}{\fbox{1}}\) から \(\color{black}{\fbox{5}}\) まであります。
小問集合や分野別の問題がありますが、幅広く基本的なことを問われますので難しい問題集は必要ありません。
分野別に抜け落ちができないように基本中心に復習すれば十分満点を狙えます。
『覚え太郎』会員は裁量問題を受験する人が多いと思います。
こちらの問題は用語と基本手順の確認をしておけば十分でしょう。
\(\color{black}{\fbox{1}}\) の解説を始めます。
問1 正負の数と無理数の計算問題
(1)全体の符号を考えれば後はただのかけ算です。
\(3\times (-9)\)
正の数と負の数のかけ算なので、全体で負(マイナス)になります。
最初にマイナスを前に置いてしまえば、後ろは正の数のかけ算をするだけで良いです。
\(3\times (-9)\\
=-(3\times 9)\\
=\underline{-27}\)
(2)今度は足し算引き算が混じりますので計算が途中で切れます。
\(\displaystyle \,-7+4\div\frac{1}{5}\,\)
割り算は逆数のかけ算です。
\(\displaystyle -7+4\color{red}{\div\frac{1}{5}}\\
\displaystyle =-7+4\color{red}{\times \frac{5}{1}}\\
=-7+20\\
=\underline{13}\)
(3)無理数の引き算問題です。
\(6\sqrt{2}-\sqrt{8}\)
ルートの中身が同じなら足し算引き算ができます。
素因数分解してルートの中身を簡単にすることからですね。
\(2\underline{) 8 }\\
2\underline{) 4 }\\
\hspace{18pt}2\)
なので
\(\sqrt{8}=\sqrt{2^2\times 2}=2\sqrt{2}\)
とルートの中身が同じになりました。
ルートの中身が同じ場合はルートの前の有理数部分の足し算引き算ができます。
\(\hspace{10pt}6\sqrt{2}-\sqrt{8}\\
=6\sqrt{2}-2\sqrt{2}\\
=\underline{4\sqrt{2}}\)
素因数分解してルートの中身を簡単な数字にしても、同じでなければ足し算引き算はできません。
例えば \(2\sqrt{\color{red}{3}}+3\sqrt{\color{blue}{2}}\) はこれ以上簡単にはなりません。
問2 代入計算問題
代入するときは(かっこ)をつけて代入するとミスが減ります。
\(a=-3\) を \(2a^2\) に代入します。
\(\hspace{10pt}2a^2\\
=2\times(-3)^2\\
=2\times 9\\
=\underline{18}\)
正の数でも負の数でも代入するときは(かっこ)をつけて代入、
『覚え太郎』会員は言わなくてもわかっているでしょうけど徹底してください。
問3 1次関数の傾きと切片の求め方
グラフを読み取り1次関数の傾きと切片を求めます。
\(y=\color{red}{a}\,x+\color{blue}{b}\) の\(\,\color{red}{a}\,\)が傾き、\(\,\color{blue}{b}\,\)が切片ですよ。
たまに逆に覚えている人がいますので注意してください。
\(\,a\,,\,b\,\)の決め方はいろいろあります。
切片が\(\,-1\,\)というのを読み取れば\(\,b=\underline{-1}\,\)がすぐに決まります。
その後は
\(y=ax-1\)
とおいて、一点 \((\,2\,,\,3\,)\) を代入して
\(\begin{eqnarray}
3&=&a(2)-1\\
3&=&2a-1\\
2a-1&=&3 \color{red}{(両辺入れかえただけ)}\\
2a&=&3+1=4\\
a&=&\underline{2}
\end{eqnarray}\)
もちろん直線上の点で綺麗に読み取れる座標ならどれでも良いです。
\(\,(\,-1\,,\,-3\,)\,,\,(\,1\,,\,1\,)\,,\,(\,3\,,\,5\,)\,\)
でも同じです。
どれも \(y=2x-1\) 上の点です。
または切片も読み取れるし、
傾きも \(\displaystyle a=\color{red}{\frac{2}{1}=2}\)
とするのが一番楽でしょうか。
傾きと切片を一気に求めたいなら
\(y=ax+b\)
に直線上の2点を代入して連立方程式を解くというのもできますが、少し時間がかかります。
2点\(\,(\,-1\,,\,-3\,)\,,\,(\,1\,,\,1\,)\,\)を代入してみましょう。
\( \begin{cases}
\hspace{7pt} -3=-a+b\\ \\
\hspace{7pt} 1=a+b
\end{cases}\)
両辺をたして
\(\,-2=2b\,\) から \(b=-1\)
両辺をひいて
\(\,-4=-2a\,\) から \(a=2\)
あ、時間いりませんね。笑
ただ、1次関数を決定したい場合はいつも通り二点を抜き出し、
「傾き」(変化の割合)を求めて、「切片」を求めるといういつもの手順で良いです。
この問題ではグラフから切片が読み取れたので楽ですけどね。
問4 連立方程式のとき方基本問題
\( \begin{cases}
\hspace{7pt} x+y=7\\ \\
\hspace{7pt} 3x-y=-3
\end{cases}\)
加減法で連立方程式を解きますが、
問3ですでに連立方程式を解いています。
ということは問3の意図は切片、傾きの読み取り、だったのでしょう。
連立方程式を解くときの基本は一文字消去です。
ここでは\(\,y\,\)がすぐに消えてくれるので\(\,y\,\)を消去します。
上の方程式と下の方程式を辺どうしを足します。
\(\hspace{20pt}x+y=7\\
+\underline{)3x-y=-3}\\
\hspace{14pt}4x\hspace{16pt}=4\\
\hspace{36pt}x=\underline{1}\)
この\(\,x=1\,\)をどちらの方程式でも良いので代入して\(\,y\,\)を求めます。
上の方程式に代入します。
\(\begin{eqnarray}
(1)+y&=&7\\
1+y&=&7\\
y&=&7-1\\
y&=&\underline{6}
\end{eqnarray}\)
基本通り一文字消去すれば問題ないでしょう。
答えがあっているか、もう一つの方程式に代入して確認すると確実です。
問5 三平方の定理の確認問題
定理の確認です。
\(\large{\color{magenta}{\fbox{三平方の定理}}}\)
上の図のような直角三角形において
\(\color{red}{\large{a^2+b^2=c^2}}\)
が成り立ちます。
これを三平方の定理(ピタゴラスの定理)と言います。
直角をはさむ2辺の平方の和が、斜辺の平方になるということです。
証明は教科書にあると思うのでしませんが、使えるようにはなっておきましょう。
3年の最後の単元で習うので覚えている人は多いですが、使い道はいろいろあります。
三平方の定理より
\(\begin{eqnarray}
\mathrm{AB^2}&=&\mathrm{AC^2+BC^2}\\
&=&4^2+5^2\\
&=&16+25\\
&=&41\\
\mathrm{AB}&=&\pm \sqrt{41}
\end{eqnarray}\)
\(\,\mathrm{AB}\,\)は長さなので\(\,\mathrm{AB}>0\,\)だから
\(\,\mathrm{AB}=\underline{\sqrt{41}}\,\)
問6 球の表面積
球を初めてあつかうのは中学1年の数学です。
そもそも1年の段階で覚えていないという人は別にして、
3年生になる頃には忘れている、というのが現実ですね。
改めて公式を確認しておきます。
\(\large{\color{magenta}{\fbox{半径が \(\,r\,\) の球の体積}}}\)
\(\displaystyle \color{red}{\Large{V=\frac{4}{3}\pi r^3}}\)
\(\large{\color{orange}{\fbox{半径が \(\,r\,\) の球の表面積}}}\)
\(\displaystyle \color{red}{\Large{S=4\pi r^2}}\)
この公式は中学生には導くことはできません。
だから覚えるしかありません。
「公式は導けないと意味がない」、などという数学得意な偉い人がいますけど気にしなくて良いです。
公式使って誰か困るんですか?
人の迷惑になることじゃないです。
使えるものは使いましょう。
※
困るとすれば、知らない方法で解答されて採点に困る学校の先生くらいです。
模試の採点者も学校の先生も知らない方法で解かれた解答だと×になります。
でも、球の体積や表面積は×になることはありませんので安心して使ってください。笑
係数は別にして体積の公式が半径の3乗(\(\,r^3\,\))の方で、
表面積の公式が半径の2乗(\(\,r^2\,\))の方という見分けは単位でするとわかります。
体積は単位が\(\,\mathrm{cm^3}\,\)、面積は単位が\(\,\mathrm{cm^2}\,\)となりますよね?
公式の中で長さを持っているのは半径(\(\,r(\mathrm{cm})\,\))だけです。
だから体積にするには\(\,r\,\)を3回かけないと単位が合いません。
面積は\(\,r\,\)を2回かけないと単位が合いません。
だから、
体積は \(\displaystyle \,V=\frac{4}{3}\pi r^3\,\)
表面積は \(S=4\pi r^2\)
と見分けはつけられるようになっておきましょう。
この問題は表面積だけです。
\(\hspace{10pt}4\pi r^2\\
=4\pi \times (2)^2\\
=4\pi \times 4\\
=\underline{16\pi}\)
前置きは長かったけど答えはすぐに出ます。笑
\(\color{black}{\fbox{1}}\)はここまでです。
⇒ 2018年度北海道公立高校入試の数学第2問(裁量問題問1)の解説
次の\(\color{black}{\fbox{2}}\)も日本語は多くなり文章題のように見えますが小問集合です。
更新したらまとめページに追記しておきますのでご確認ください。