2018年(平成30年)度に北海道で行われた公立高校入試大問3(裁量問題2)の解説です。
問3は資料の整理・活用の問題ですが用語と意味を覚えておかなければ答えが出ません。
逆に用語と意味を覚えておけば難しい問題ではありません。

問題は北海道の公式サイトにもあります。

⇒ 北海道2018問題

裁量問題の問2は一般入試の問3と同じです。

度数分布表の見方と用語確認

\(\color{black}{\fbox{ 3 }}\) 資料の整理・活用問題の解説です。

北海道の問題なので仕方ないですが、
北海道とかトウモロコシとかは関係ないので資料(データ)、ここでは度数分布表を見れば良いです。

単位も答えには必要ですが整理することには関係ありません。

『覚え太郎』-資料の整理編で確認すれば数分で用語確認できますので、入試直前は必ず目を通して思い出しておいて下さい。

度数分布表でのポイントは階級と階級値です。

階級というのは幅を持っています。
 \(300\color{red}{以上}320\color{blue}{未満}\)
のようには以上、は未満で表します。
(この場合の「階級の幅」は\(\,320-300=20\,\)です。)

未満」はその数字を含みませんので、
\(\,320\,\)という値のデータは次の階級に入りますので確認しておきましょう。

階級値とは、階級の左端と右端の中間の値になります。
例えば、
 \(320~340\)
という階級の階級値は
 \(\displaystyle \frac{320+340}{2}=330\)

この度数分布表では幅が偶数なので階級値も整数で出ましたが、
 \(5~10\)
という階級の階級値は
 \(\displaystyle \frac{5+10}{2}=7.5\)
と割り切れず小数になります。
階級の中央なので割り切れないことはありません。

最も大切なのは、度数分布表で表された場合、
 その階級のデータはすべて階級値と見なす
ということです。

ここではトウモロコシの重さですが、
\(\,\mathrm{A}\,\)の\(\,320~340\,\)の階級には度数の\(\,15 (個)\,\)のトウモロコシが入りますが、
\(\,15\,\)個すべてが階級値の\(\,330\mathrm{g}\,\)であると見なすということです。 

と、問題に関係ないことを書いてしまいしましたが、用語の大切さは問題を見ればわかります。

問1 相対度数です。

 \(\,\mathrm{A}\,\)の\(\,380~400\,\)の階級の度数は\(\,18\,\)です。
度数合計が\(\,120\,\)なので
 \(\,相対度数=\displaystyle \frac{18}{40}=\underline{ 0.15 }\,\)

相対度数は
 \(\,\displaystyle \color{red}{\frac{ 階級度数 }{ 度数合計 }}\,\)
ですよね。
数学では珍しく小数で答えます。
これだけで3点です。
北海道は\(\,60\,\)点満点なので\(\,100\,\)点満点だと\(\,5\,\)点分です。

用語だけで何点か?
資料の整理は全部です。

代表値は3つ

問2 代表値についての問題です。

ここまで用語の重要性を言っているんです。
きっと『覚え太郎』基本レポートは見直しているでしょう。

代表値には3つあります。

平均値、中央値、最頻値の3つです。

問題に健太さんと優花さんが出てきます。
二人とも聞いたことある同じ漢字の名前です。
が、問題には関係ありません。w

話し合いの文章から「平均値は同じ」と言っています。

平均値が本当に一緒かどうかは別に放っておいて良いです。
正しいから違う代表値で比べようとしているのですから。

残るは中央値と最頻値です。
中央値と最頻値の説明必要ですか?

⇒ 代表値とは?度数分布表の平均値,中央値の求め方と最頻値の答え方

中央値はデータを小さい順番(大きい順でも同じ)に並べたとき中央の順番に来る『値』です。
この場合\(\,120\,\)個のデータがあるので、中央の\(\,1\,\)つがありません。
こういう場合は\(\,60\,\)番目と\(\,61\,\)番目の平均値になります。

 \(\begin{eqnarray}
 60個のデータ\,&|&\,60個のデータ\\
\cdots 60番目\,&|&\,61番目\cdots
\end{eqnarray}\)
 
奇数個のデータの場合
 \(1,2,3,\color{red}{4},5,6,7\)
中央の\(\,1\,\)つのデータがあるので\(\,4\,\)が中央値になります。

偶数個のデータの場合
 \(1,2,3,\color{red}{4,5},6,7,8\)
中央のデータが\(\,2\,\)つあるのでその\(\,2\,\)つの平均値
 \(\displaystyle \frac{4+5}{2}=4.5\)
が中央値(メジアン)になります。

ただ、度数分布表だと\(\,60\,\)番目と\(\,61\,\)番目は同じ階級に入っているので普通です。

\(\,\mathrm{A}\,\)の中央値を探します。
上からでも下からでも良いので累積度数を計算していきます。

度数を上から足していきます。
一番上から\(\,3\,\)番目の階級までで度数の合計は
 \(12+15+17=44\)個
\(\,4\,\)番目の階級までで
 \(44+17=61\)個
ということは\(\,60\,\)番目も\(\,61\,\)番目も
 \(360~380\) の階級にあります。

だから\(\,\mathrm{A}\,\)の中央値は\(\,4\,\)番目の階級の階級値 \(\,\mathrm{\color{red}{370}}\,\) です。

今度は\(\,\mathrm{B}\,\)の階級値です。
一番上から\(\,4\,\)番目の階級までで累積度数は
 \(8+11+16+24=59\) 
\(\,5\,\)番目の階級までで
 \(59+23=82\)
よって\(\,60\,\)番目も\(\,61\,\)番目も
 \(380~400\) の階級にあります。

だから\(\,\mathrm{B}\,\)の中央値は\(\,5\,\)番目の階級の階級値 \(\,\mathrm{\color{red}{390}}\,\) です。

中央値で比べると\(\,\mathrm{B}\,\)の方が大きいですね。

最頻値(モード)は度数が一番多い階級値のことです。
一番度数が多いのは
 \(\,\mathrm{A}\,\)は\(\,380~400\,\)の階級なので最頻値は\(\,390\,\)
 \(\,\mathrm{B}\,\)は\(\,360~380\,\)の階級なので最頻値は\(\,370\,\)

最頻値で比べれば\(\,\mathrm{A}\,\)の方が大きい値になります。

ここでは「\(\,\mathrm{A}\,\)が重いとは言い切れない」、
という理由を探すことになっているので、最頻値ではダメです。
最頻値では\(\,\mathrm{A}\,\)の方が重いと見ることができます。

\(\,\mathrm{B}\,\)の方が重いと言えるのは、中央値だけです。

中央値について書けば良いだけです。
ただし、理由が必要なのでしっかり数値を用いて表現して下さい。

中央値を比べると
 \(\,\mathrm{A}\,\)が\(\,370\mathrm{g}\,\)

 \(\,\mathrm{B}\,\)が\(\,390\mathrm{g}\,\)
となるので\(\,\mathrm{B}\,\)の方が中央値が大きい

という理由が書けていれば良いでしょう。
階級値ではなく階級そのものを書いても良いですよ。
 
平均値が同じだということを確認して次に進みましょう。

各階級の値はすべて階級値と見なすので
 \(\,\mathrm{A}\,\)の平均値は
 \(\frac{310\times 12+330\times 15+350\times 17+370\times 17+390\times 18+410\times 15+430\times 12+450\times 14}{120}\\
=\frac{3720+4950+5950+6290+7020+6150+5160+6300}{120}\\
\displaystyle =\frac{45540}{120}\\
=379.5\)

 \(\,\mathrm{B}\,\)の平均値は
 \(\frac{310\times 8+330\times 11+350\times 16+370\times 24+390\times 23+410\times 23+430\times 10+450\times 5}{120}\\
=\frac{2480+3630+5600+8880+8970+9430+4300+2250}{120}\\
\displaystyle =\frac{45540}{120}\\
=379.5\)

確かに、平均値を計算させないわけです。笑
同じにはなりますがこの計算はただの算数なので高校入試では意味ないですね。

この問題解説には度数分布表を入れませんでした。
問題にある度数分布表に自分で書き込んで確認しないと意味がないからです。

人のやった解答見て自分でやった気にならないで下さい。

平均値の計算、する必要ないのにこの解説のためにやってるんですよ。
受験生なら必要なことは自分で書いて当たり前でしょう?

実際の試験を受けるのはあなたですよ。

⇒ 2018年度北海道公立高校入試大問4(裁量問題3)関数の解説

問4は関数と面積の基本問題ですが文字をあつかいます。
裁量問題の問3になります。

⇒ 2018年度北海道公立高校入試の数学第2問(裁量問題問1)の解説

一般入試だと問3までの配点が\(\,70\,\)%です。
どれだけ基本が大切かが分かるでしょう。

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