中学1年で解くことになる展開(かっこ)がある1次方程式の問題の解き方です。
移項ができるようになると次に出てくることになりますが、展開自体は式の計算でやっているのでレベルは変わりません。
計算ミスをしやすい人はここでも同じことを繰り返していますので練習問題の中で確認しておきましょう。
展開(かっこ)を外したあと1次方程式を解く問題の解き方
方程式や解とは何かなどの用語の説明と移項して方程式を解く方法は説明しました。
簡単だからあまり気にしていないでしょうが高校生になってもやることは同じで、
基本中の基本なので手を抜かないようにしましょう。
⇒ 方程式とは?方程式の解と移項とは?基本問題の解き方(中1数学)
今回は展開を含む方程式を解きます。
問題は多くなくていいので少しだけにしておきます。
次の方程式を解きなさい。
\( 3(x+4)=5x-6\)
展開の分配は式の計算で練習しているでしょう。
ここは方程式を解くので展開で終わらせないようにしましょう。
しっかり解まで求めて下さい。
\(\begin{eqnarray}
3(x+4)&=&5x-6\\
3x\color{red}{+12}&=&\color{blue}{5x}-6 ← 左辺を展開\\
3x\color{blue}{-5x}&=&-6\color{red}{-12} ← xを含む項を左辺に\\
-2x&=&-18\\
2x&=&18\\
x&=&9
\end{eqnarray}\)
(かっこ)の中、\(x+4\) の \(x\) と \(+4\) は違う項なので計算できません。
「違う項」というのは、「\(x\) の項」と「定数項」の違いです。
ちなみに、同じ項を「同類項」といってまとめる計算ができます。
こういった簡単な計算ほどミスしやすいです。
方程式でも「=を縦にそろえる」というミスを減らす当たり前の方法は徹底しておくといいです。
方程式でも展開するときの注意点は同じ
次の方程式を解きなさい。
\( 4x-8(x+2)=0\)
これも(かっこ)がついている部分を展開します。
すると後は同じで、ある程度暗算できる問題です。
しかし、式の展開のときと同じように一行増やすだけでミスは大きく減ります。
\(\begin{eqnarray}
4x-8(x+2)&=&0\\
4x-8x-16&=&0
\end{eqnarray}\)
ここで、「あれ?」と思わなくても大丈夫です。
「左辺に\(\color{red}{x}\)を含む項、右辺に定数項(解きたい文字以外の項)を集める。」
という方針は同じです。
なので、定数項の\(\,-16\,\)を右辺に移項すれば良いのです。
\(\begin{eqnarray}
4x-8x\color{red}{-16}&=&0\\
4x-8x&=&\color{red}{16} ← 定数項を移項\\
-4x&=&16\\
4x&=&-16\\
x&=&-4
\end{eqnarray}\)
次の方程式を解きなさい。
\( 5(x-2)-(2x-7)=9\)
これも(かっこ)の中を展開すると今までと同じです。
ただ、-(マイナス)でくくられた(かっこ)を外すときは符号に注意しましょうね。
⇒ 文字式を展開するときの計算ミスを減らす練習問題とポイント(中学1年)
\(\begin{eqnarray}
5(x-2)-(2x-7)&=&9\\
5x\color{red}{-10}-2x\color{red}{+7}&=&9 ← \color{magenta}{この1行を書く}\\
5x-2x&=&9\color{red}{+10-7}\\
3x&=&12\\
x&=&4
\end{eqnarray}\)
暗算できるレベルではありますが、\(\,2\,\)行目の一行は書いた方が計算ミスは確実に減ります。
かっこいいと思うのかこの一行を暗算して\(\,3\,\)行目に飛ぶ人が多いです。
必ずミスするとはいいませんが、いつかミスをするときがくると思っていて良いです。
高校の数学をやり出してからかもしれませんが、そのときには自分が計算ミスをどこでしやすいのか、計算ミスのクセを見抜きにくくなっています。
指摘してくれる人もいなくなっているので修正できずお気の毒です。笑
今のうちにミスを減らす計算手順をクセづけておくと良いですよ。
1次方程式は変形するとすべてこの形になる
次の方程式を解きなさい。
\( 2(x-5)=3(2-x)+14\)
(3)と同じです。
両方の(かっこ)を外してしまいましょう。
この後で小数や分数を含む方程式を解くことになりますが、ちょっとした処理をすればすべてこの形になります。
\(\begin{eqnarray}
2(x-5)&=&3(2-x)+14\\
2x\color{red}{-10}&=&6\color{red}{-3x}+14 ← 展開した\\
2x\color{red}{+3x}&=&6+14\color{red}{+10} ← 移項\\
5x&=&30\\
x&=&6
\end{eqnarray}\)
方程式の処理の仕方は1次方程式に限らず決まっています。
必ずやらなければならないわけではありませんが、\(\,1\,\)つの方針だけですべて解けるようになるのです。
中学2年までは\(\,1\,\)次方程式の処理ができればいいですよ。
次は小数や分数の方程式を解いてみましょう。
⇒ 分数や小数が係数にある1次方程式の解き方と練習問題(中学1年)
最初のちょっとした作業によって今までと同じになることを実感して下さい。
この作業をやらない人は、自分で「計算が遅い」となげく可能性が高くなります。
やれば高校卒業するまで同じ方針で方程式はすべて簡単に解けるようになります。