平成31年(2019年)度に行われた群馬県公立高校入試後期選抜試験数学の第3問の解説です。
第3問は硬貨の枚数と重さと金額の方程式の立式と解を求める問題です。
連立方程式で解く方法と1次方程式として解く方法がありますがどちらも同じです。
問題は群馬県が公開してくれています。
3.方程式の立式と解
\(\, 3 \,\)
月に一度\(\,500\,\)円硬貨\(\,1\,\)枚と\(\,100\,\)円硬貨を\(\,3\,\)枚貯金します。
求めるのは合計金額です。
毎月の貯金金額が\(\,800\,\)円なので、
合計金額は\(\,800\,\)円の倍数でなければ計算ミスしていますよ。
方程式の立式
問題にある数値をまとめておきます。
毎月の貯金は
\(\,500\,\)円硬貨を\(\,1\,\)枚
\(\,100\,\)円硬貨を\(\,3\,\)枚
硬貨の重さは
\(\,500\,\)円硬貨が\(\,7\,\mathrm{g}\,\)
\(\,100\,\)円硬貨が\(\,4.8\,\mathrm{g}\,\)
豚の形をした貯金箱の重さは\(\,250\,\mathrm{g}\,\)です。
月に一度の貯金なので\(\,x\,\)ヶ月で、
\(\,500\,\)円硬貨は\(\,x\,\)
\(\,100\,\)円硬貨は\(\,3x\,\)枚
貯金されていることになります。
重さと金額で方程式を立式していきますが、
重さだけで\(\,x\,\)を求めることができるので合計金額は後で求めても良いです。
重さと金額の両方で連立してみます。
貯金した回数を\(\,x\,\)とし、合計金額を\(\,y\,\)とすると、
重さに関して
\(\,500\,\)円硬貨\(\,7\,\mathrm{g}\,\)が\(\,x\,\)枚
\(\,100\,\)円硬貨\(\,4.8\,\mathrm{g}\,\)が\(\,3x\,\)枚
貯金箱の\(\,250\,\mathrm{g}\,\)を合わせて\(\,571\,\mathrm{g}\,\)なので
\(7\times x+4.8\times (3x)+250=571 ・・・①\)
金額に関して
\(\begin{eqnarray}
y&=&500\times x+100\times (3x)\\
&=&800x ・・・②
\end{eqnarray}\)
\(\,x\,\)が求まれば\(\,800\,\)円を\(\,x\,\)倍すれば良いだけなので②はなくても良いです。
方程式の解
①②は連立方程式と見ることができますが、
①は\(\,x\,\)だけの方程式なので連立しなくても\(\,x\,\)が求まります。
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
7\times x+4.8\times (3x)+250&=&571\\
7x+14.4x&=&571-250\\
21.4x&=&321\\
214x&=&3210\\
x&=&\frac{3210}{214}\\
&=&15
\end{eqnarray}\)
このことから\(\,15\,\)ヶ月、\(\,15\,\)回貯金したことが分かります。
よって、求める合計金額は\(\,x=15\,\)を②に代入して
\(\begin{eqnarray}
y&=&800\times 15\\
&=&\underline{ 12000 }
\end{eqnarray}\)
重さで推測する方法
この問題は説明を書く必要があるので重さで方程式を立てて解く方法が解答になります。
ただし、合計金額を推測することもできます。
(試験中そんなヒマはないかもしれませんが。笑)
毎月の貯金する重さは、
\(7+4.8\times 3=\color{red}{21.4}\,\mathrm{g}\)
全体の重さが\(\,571\mathrm{g}\,\)と整数になったときの合計金額なので、
貯金した回数は\(\,\color{red}{21.4}\,\)を整数にする\(\,5\,\)の倍数です。
貯金箱の重さを引いて硬貨の重さだけを見ると
\(571-250=\color{blue}{321}\,\mathrm{g}\)
貯金した硬貨の重さは貯金回数が
\(\,5\,\)回のとき\(\,21.4\times 5=107\,\)
\(\,10\,\)回のとき\(\,21.4\times 10=214\,\)
\(\,15\,\)回のとき\(\,21.4\times 15=\color{blue}{321}\,\)
と算数の範囲で答えは出ます。
何が言いたいかというと、調べるということを忘れないでもらいたいということと、
群馬県では計算力を高度に求めているのではなく、きれいな数値で考えられる範囲で問題を作ってくれているということです。
計算練習ばかりやっていても対策にはなりません。
\(\, 4 \,\)は長方形の折り返し問題です。
ほんの少し応用された問題もありますが、基本になっているのはすべて教科書の内容です。
高得点を取りたければ基本を徹底的に復習することですね。