平方根と無理数を表す根号√(ルート)の使い方の説明です。
ルートの外し方と外れ方は分かり易いですが符号の位置に注意が必要なので確認しておくと良いでしょう。
ルートのついた無理数のあつかいは後の数学に大きく影響しますのでしっかり理解しておいた方が良いですよ。
平方根の復習からやっておきましょう。
平方根と根号(ルート)
平方根とは\(\,2\,\)乗してある数になるもとの数のことです。
\(\,x^2=a\,\)のとき\(\,\pm \,x\,\)は\(\,a\,\)の平方根
という意味になります。
\(\,4\,\)の平方根は \( \pm\,2\) であるように平方数の平方根は整数を使って表せます。
ところが、
\(\,5\,\)の平方根は、\(\,2.2360679\cdots\,\) と無限に続く小数になります。
この循環しない無限に続く小数が無理数ですが、いつまでも書いて行くのは非常に効率が悪いです。
というか、終わりはありませんのでいつまでも書き続けるか途中でやめるしかありません。
円周率も無理数ですが、小学校でも普通は\(\,3.14\,\)までを利用するように区切りをつけています。
しかし、中学になって円周率は\(\,\pi\,\)と表すようになりました。
このように平方根が無理数になるときは、
\(\sqrt{ (ルート) }\)
という記号を使います。
例えば、\(\,5\,\)の平方根は \( \pm \sqrt{\,5\,}\) と表します。
この単元では、ルートの扱いに慣れることがポイントになります。
普通の数値や文字式の計算と同じように、計算できるようになることが目的になりますが、最初はルートの使い方と意味からです。
ルートの使い方
(1)\(\sqrt{10^2}\)
(2)\( \sqrt{(-16)^2}\)
(3)\({(\sqrt{0.4})^2}\)
\(\sqrt a\) とは\(\,2\,\)乗したら \( a\) になる数のことです。
だから \( \sqrt{10^2}=10\) になります。
このようにルートの中身が\(\,2\,\)乗になった部分は、ルートが外れて整数になるのです。
\({(\sqrt {\,a\,})}^2=a\) とルートのついた数を\(\,2\,\)乗してもルートははずれます。
\( ({\sqrt {\,10\,}})^2\) も\(\,10\,\)になるのです。
ルートの外し方と外れ方と符号の位置の注意点
例えば、 \( \sqrt{\,5\,}\) は+の数、つまり正の数です。
ところが
-(負の数)の \( \sqrt {\,5\,}\) は、
\( \sqrt{\,-5\,}\)とするのではなく、-\(\sqrt {\,5\,}\) と表します。
\(\,5\,\)の平方根は \(\pm \,\sqrt {\,5\,}\) と表すのです。
通常は\(\,+\sqrt{\,5\,}\,\)の+は省略されるので、
単に\(\,\sqrt{\,5\,}\,\)となっている場合は\(\,+\sqrt{\,5\,}\,\)だということを忘れないでおきましょう。
\( \sqrt{\,(-16)^2\,}= \sqrt{\,16^2\,}\) なので、\(\,+16\,\)です。
\(\,-16\,\)にはなりません。
ルートの外し方は、ルートの中が\(\,2\,\)乗の数になっているときは絶対値として外します。
ルートの中が負の数というのは中学ではあつかいませんので、とにかく+として外す、と考えていても良いです。
\(\sqrt{\,(-5)^2\,}=5\)
また、ルートごと\(\,2\,\)乗されていてもルートは外れます。
\((\sqrt{\,5\,})^2=5\)
普通ですと「根号(ルート)の中身はできるだけ簡単に」、という指示が入試では出ますので自然にルートの中に\(\,2\,\)乗の数があれば整数としてルートの外に出すことになります。
それはこれからの計算練習で慣れていくことになりますので\(\,1\,\)つずつ確認していくと良いでしょう。
\(\sqrt{\,(-5)^2\,}=+5\)
間違えないようにして下さい。
中学の数学ではルートの中が負の数(マイナス)になることはありません。
\((-16)^2\) は \(256=16^2\) と同じで正の数ですよ。
もしルートの中をマイナスにしてしまったら間違えていると考えて良いです。
\(a\) が正の数だとすると、
\(\sqrt {a^2}= {\sqrt {a}}^2=(\sqrt{a})^2=a\)
です。
なれればたいしたことではありません。
\({(\sqrt{\,0.4\,})^2}=0.4\)
です。
算数で整数から小数、分数に数字の世界が広がったときのように、
中学数学になって最初に正の数負の数に数の世界が広がったときと同じように、
数の世界が広がるときは数をこなしてなれるのが一番です。
有理数(整数を使って分数で表せる数)から無理数(分数で表せない数)まで世界が広がりました。
ある程度の練習問題を繰り返してなれてしまいましょう。
いろいろな問題集に手を出す必要はありません。
なれるだけなら教科書を繰り返しやれば十分です。
※
ルートの説明は高校で詳しくやりますが、復習の為に読んでいる高校生に向けて書いておきます。
中学で扱うのは平方根だけです。
例えば \( a\) の\(\,2\,\)乗根(平方根)は、単に \( \sqrt{a}\) と表しますよね。
しかし \( a\) の\(\,3\,\)乗根(立方根)は、\( \sqrt[3]{a}\) と表します。
(\(\,3\,\)乗したらルートの中の数字になる数です。)
普通に、\(\sqrt{a}\) と書かれているのは、\( \sqrt[2]{a}\) の前にある\(\,2\,\)が省略されているのです。
まだまだルートの練習問題は続きますので先ずは数の性質を知っておきましょう。
次は無理数の大小比較です。
⇒ ルートのついた平方根(無理数)と有理数の大小比較問題の解き方とコツ
数の大小比較はやることが決まっています。