ルートのついた無理数の足し算や引き算の計算問題の解き方のポイントとです。
ルートの計算では通常通り乗法(かけ算)や除法(割り算)が先になりますが、
小数や分数の場合でも根号の中身を簡単にしてから計算するということは加法(足し算)や減法(引き算)にも同じことがいえます。

ルートの中が小数のときの加法(足し算)

根号のついた無理数の計算は素因数分解から始めます。
これは割り算で効率的に計算するとき以外は共通しています。

問題5
次の計算をせよ。

(4)\(\sqrt{0.64}+\sqrt{0.09}\) 


問題5の(3)まではこのページにありませんので気にしないで下さい。

この問題はルートの中が小数なので分数に変えで処理すると必ずできますが、
分かり易い数なので小数のまま処理してもいいです。

 \(\hspace{10pt} \sqrt{0.64}+\sqrt{0.09}\\
=\sqrt{0.8^2}+\sqrt{0.3^2}\\
=0.8+0.3\\
=1.1\)

分数で処理すると、

 \(\hspace{10pt} \sqrt{0.64}+\sqrt{0.09}\\
\displaystyle =\sqrt{\frac{64}{100}}+\sqrt{\frac{9}{100}}\\
\displaystyle =\frac{8}{10}+\frac{3}{10}\\
\displaystyle =\frac{11}{10}=1.1\)

小数すべてに通用する方法としては分数ですが、この問題のように平方数と見抜くのが簡単な場合なら小数でそのまま進めて良いでしょう。

ただし、\(\,0.09=0.3^2\,\)で良いですが、\(\,0.9\,\)は違います。
 \(\hspace{10pt}\sqrt{0.9}\\
\displaystyle =\sqrt{\frac{9}{10}}=\frac{3}{\sqrt{10}}\)
のように分数で処理します。
小数のままでは処理できませんので注意しておきましょう。
 \(\hspace{10pt}\sqrt{0.9}\\
\displaystyle =\sqrt{\frac{90}{100}}=\frac{3\sqrt{10}}{10}\)
としても分母の有理化することで上の分数処理と同じことです。
(分母の有理化については後で説明することになります。)

小数すべてに通じる方法は分数に変えてルートの中を簡単にすることです。

問題5
次の計算をせよ。

(5)\(\sqrt{27}+3\sqrt{12}\) 

 \(\sqrt{(ルート)}\)の足し算はルートの中身を簡単にしてから計算します。

ルートの中身が同じときは係数の足し算引き算になります。
ルートの中が違う数のときは計算できません
この約束は文字式と同じですよね。

 \(\hspace{10pt}\color{red}{\sqrt{27}}+3\color{blue}{\sqrt{12}}\\
=\color{red}{3\sqrt{3}}+3\times \color{blue}{2\sqrt{3}}\\
=3\sqrt{3}+6\sqrt{3}\\
=(3+6)\sqrt{3}\\
=9\sqrt{3}\)

ルートの部分を文字と見れば文字式の計算と同じことをしています。

ルート計算の減法(引き算)

ルートの引き算は足し算と同じです。
ルートの前についている符号の+が-に置き換わるだけです。

問題5
次の計算をせよ。

(6)\( \sqrt{54}-4\sqrt{24}\) 

(5)と同じように \(\sqrt{ ルート }\)の中を簡単にすると、
ルートの中身が同じになりますので、
係数の引き算をすれば良いだけです。

 \(\hspace{10pt} \color{red}{\sqrt{54}}-4\color{blue}{\sqrt{24}}\\
=\color{red}{3\sqrt{6}}-4\times \color{blue}{2\sqrt{6}}\\
=3\sqrt{6}-8\sqrt{6}\\
=-5\sqrt{6}\)

ルートの中身が違う場合はその時点で終わりです。
\(\,2x+3y\,\)がこれ以上計算できないようにルートの場合も計算できません。

しつこく言っておきます。
赤字、青字の部分は素因数分解して確実に処理しておきましょう。
簡単だからと油断するとミスしますよ。

加減と乗除の混じった計算

少しレベルアップしましょう。
普通なら加減(足し算引き算)の練習が先になるのですが、
ルートの計算では乗法と除法の計算練習を先にやることは何となくでも分かるでしょう。

今度は加減法(足し算、引き算)と乗法(掛け算)除法(割り算)が混じった問題です。

問題5
次の計算をせよ。

(7)\( \sqrt{162}-\sqrt{14}\times \sqrt{7}\) 

基本通り、ルートの中を簡単にします。
素因数分解をきっちりやれば必ずできるとはいいませんが、
やらないからできないんです。

 \(\hspace{10pt} \sqrt{\color{red}{162}}-\sqrt{\color{blue}{14}}\times \sqrt{\color{blue}{7}}\\
=\sqrt{\color{red}{9^2\times 2}}-\sqrt{\color{blue}{7\times 2\times 7}}\\
=9\sqrt{2}-7\sqrt{2}\\
=2\sqrt{2}\)

ルートの中が同じだから計算できました。

ルートの割り算は約分が先

約分が先なのはルートのついた無理数の計算だけではありません。
すべての計算で優先的にすべきです。

問題5
次の計算をせよ。

(8)\( \sqrt{140}\div \sqrt{7}+\sqrt{2}(\sqrt{12}-\sqrt{10})\) 

割り算の部分は約分が先で、
足し算やかけ算の部分はルートの中を簡単にするのが先です。

 \(\hspace{10pt}\sqrt{140}\color{red}{\div \sqrt{7}}+\sqrt{2}(\color{blue}{\sqrt{12}}-\sqrt{10})\\
\displaystyle =\frac{\sqrt{140}}{\color{red}{\sqrt{7}}}+\sqrt{2}(\color{blue}{2\sqrt{3}}-\sqrt{10})\\
=\sqrt{20}+2\sqrt{6}-\sqrt{20}\\
=2\sqrt{6}\)

ルートの中身どうしはかけ算できます。
係数どうしもかけ算できます。

 \(\sqrt{20}=2\sqrt{5}\) としても良いですが、
慣れれば後で消えると分かって来るのでそのままでいいでしょう。

次は展開公式などを利用出来る計算問題を取り上げてみますが、
ここで一旦止めておきます。

ルートの計算は今までの文字式の扱いと同じです。
無理数となる\(\sqrt{ ルート }\)がついているかどうかの違いだけなので、
素因数分解を大切にすれば問題ありませんよ。

無理数(ルートのついた数)は新しい数字なので多少のなれが必要です。
練習問題は多めに集中してやると効果的です。

次の展開計算問題で利用するので展開公式の復習は

⇒ 文字式の展開とは?分配の方法と割り算のときのポイント(中学3年)

からもう一度みておくことをおすすめします。

入試に向けて無理数計算に展開公式を利用することが多くなってきます。

⇒ 展開公式を利用するルートのついた無理数の計算問題とポイント

展開公式はいつまでも使いますよ。

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