2次方程式の係数と他の解を求める代入問題の解き方の解説です。
方程式の解とは何かを理解していれば2次方程式でも1次方程式でも連立方程式でもやり方は同じです。
2次方程式の場合、代入した後に文字の2次式になることがありますが文字が変わっても落ち着いて処理しましょう。

「方程式の解」および「方程式を解く」とは

方程式の解とは、方程式に代入して成り立つ値のことを言います。

ここは\(\,2\,\)次方程式で中3を対象に書いていますので、
高校へつながるように少し説明を加えます。

\(x\) についての方程式が(次数関係なしに)あるとき、
その方程式を満たす値のそれぞれを方程式の解といいます。

方程式を解くとは、その方程式のすべての解を求めることをいいます。

\(\,1\,\)次方程式は解は1つです。
\(\,2\,\)次方程式は解は2つです。

だから\(\,2\,\)次方程式で、解の1つしか答えていないと方程式を解いたことになりません。
重解は2つと数えると説明したのは、方程式を解いているということを示すためです。

⇒ 2次方程式の因数分解を利用する解き方のコツと注意点

このことは覚えておくと良いですよ。
高校の数学をやるときも「方程式の解」と「方程式を解く」の定義は変わりません。
(中学では整式という言葉が使えないので詳しくは高校で確認してください。)

係数と他の解を求める2次方程式代入問題

方程式の解の意味がわかったところで問題を解いてみましょう。

いいですか?
方程式の解であるなら、方程式に代入して成り立つのです。
条件はそれだけですよ。

問題2-(1)
2次方程式 \(x^2+ax+7(a-1)=0\) の1つの解が \(-4\) であるとき、
\(a\) の値と他の解を求めよ。

方程式を解け、ではありません。
「方程式の解の1つ」がわかっているときです。

1つであろうが解であれば代入して成り立つのが方程式です。
条件はそれだけで、同じような問題があってもすべてやることは同じです。

代入しましょう。
代入するときは(かっこ)をつけて代入ると計算ミスは減りますよ。

\(x=-4\) を \(x^2+ax+7(a-1)=0\) に代入すると、

 \(\begin{eqnarray}
(-4)^2+a(-4)+7(a-1)&=&0\\
16-4a+7a-7&=&0\\
3a+9&=&0\\
3a&=&-9\\
a&=&-3
\end{eqnarray}\)

\(a\) は求まりましたが、答えはこれだけではありません。
他の解も求めるように問題に書いてあります。

\(\color{red}{\,a=-3\,をもとの方程式戻して}\)方程式を解きましょう。

 \(x^2+ax+7(a-1)=0\) に \(a=-3\) を代入して、

 \(\begin{eqnarray} 
x^2+(-3)x+7\{(-3)-1\}&=&0\\
x^2+(-3)x+7(-3-1)&=&0\\
x^2-3x+7(-4)&=&0\\
x^2-3x-28&=&0\\
(x+4)(x-7)&=&0\\
x&=&-4\,,\,7
\end{eqnarray}\)

これで方程式を解いたことになりますが、答えは他の解です。
問題に与えあられた解が \(x=-4\) なので他の解は \(x=7\) です。

(答え)\(\underline{ a=-3\,,\,他の解\, x=7 }\)

解を代入しなくても解く方法はあります。
でも、別の方法があるというだけで、これがダメなのではなくて、これがすべてに通じる条件の使い方です。
方程式の解はその方程式に代入して成り立つ。
高校入試ではこれで十分です。

1次方程式の解が2次方程式の解になるときの解き方

問題2-(2)
\(x\) についての\(\,1\,\)次方程式 \(2x+2a+9=x+3a+7\) の解が、
\(\,2\,\)次方程式 \(x^2+ax-40=0\) の解であるとき,正の数 \(a\) の値を求めよ。

\(\,1\,\)次方程式と\(\,2\,\)次方程式が混じっているのでわかりにくいかもしれませんが、
さっきの問題と同じ条件しかありません。

\(\,1\,\)次方程式の解が\(\,2\,\)次方程式の1つの解になっている。」
問題は見分けにくいですが、\(\,2\,\)次方程式は解は普通だと2つありますので、
\(\,1\,\)次方程式の解が\(\,2\,\)次方程式の解の1つになっているということです。

まずは\(\,1\,\)次方程式を解きます。
できることからやっていけば見えてくることが多いです。

 \(\begin{eqnarray}
2x+2a+9&=&x+3a+7\\
2x-x&=&-2a-9+3a+7\\
x&=&a-2
\end{eqnarray}\)

\(a\) は残りますが定数なのでこれが\(\,1\,\)次方程式の解です。
意味は違いますが連立方程式で代入法を使うとき \(y\) は関数のまま連立するでしょう?

⇒ 連立方程式の問題と解き方(加減法と代入法の選び方)

あれと同じだと考えて良いです。
ただし、こちらは定数となっている値なので連立方程式ではありません。
単なる代入です。

では、\(x=a-2\) を解の1つとして \(x^2+ax-40=0\) に代入しましょう。

 \(\begin{eqnarray}
(a-2)^2+a(a-2)-40&=&0\\
a^2-4a+4+a^2-2a-40&=&0\\
2a^2-6a-36&=&0\\
a^2-3a-18&=&0\\
(a+3)(a-6)&=&0\\
a&=&-3\,,\,6
\end{eqnarray}\)

これが答えではありませんよ。
問題に「正の数 \(a\) 」とありますので適していない解を省きます。

条件に適していない解を「不適な解」といいます。
説明するときは「 \(a=-3\) は不適」と書けば良いです。

答えは、\(\underline{ a=6 }\)
 
やっていることはたった1つです。

方程式の解は、代入して方程式を成り立たせる。

それだけです。

ここの\(\,2\,\)次方程式は因数分解できました。
\(\,2\,\)次方程式を解くときは因数分解から試してみるとはやい場合が多いです。

もし、因数分解できなくて解の公式を使って無理数で解が出てきても、
問題の条件に合うかの確認はしておいた方が良いですよ。

高校の\(\,2\,\)次方程式でもおよその問題は文字を含んでいても因数分解できるように問題が作られていることが多いです。
何でもかんでも解の公式、というのは「下手」と呼ばれます。笑

次は図形や関数が関係する2次方程式の問題を考えてみましょう。

⇒ 長方形の辺上の動点が表す面積が2次方程式になる問題の解き方

条件を満たすように立式して、それを解く。
それはすべての方程式で同じです。

クラブ活動で忙しい!
塾に通っているのに数学が苦手!
数学の勉強時間を減らしたい!
数学の勉強方法が分からない!

その悩み、『覚え太郎』が解決します!!!