2021年(令和3年)度三重県公立高校入試【後期】数学の問題と解説です。
前期との違いは除外範囲が無いことですが問題構成は大問5問で同じです。
全部で29題ありますが基本問題中心なので試験時間は十分でしょう。
前期より取り組みやすいので解説も簡単に済ませます。
2021年(令和3年)度三重県公立高校入試【後期】数学の問題
後期選抜では除外範囲はありません。
⇒ 2021年(令和3年)度三重県公立高校入試【後期】数学の問題
気にするほどではありませが
円周角の定理、三平方の定理がより強調される問題です。
2021年(令和3年)度三重県公立高校入試【後期】数学の解説
標準的な入試問題となっているので
他県の受験生も全体を通して復習しておくと良いです。
特に\(\color{black}{\fbox{4}}\)はよく見かける応用問題です。
作図における注意点もあるので必ずチェックしておきましょう。
第1問
\(\color{black}{\fbox{1}}\)
計算中心の小問題集合です。
(1)
\(\hspace{10pt}8+(-13)\\
=8-13\\
=\underline{ -5 }\)
\(\,(-13)\,\)を足すというのは
数直線上で左に\(\,13\,\)移動するということです。
(2)
\(\hspace{10pt}\displaystyle -\frac{6}{7}a\div \frac{3}{5}\\
\displaystyle =-\frac{6\,a}{7}\times \frac{5}{3}\\
\displaystyle =-\underline{\underline{ \frac{10\,a}{7} }}\)
割り算は逆数の掛け算です。
文字\(\,a\,\)は分子にありますが
答えは\(\displaystyle -\frac{10}{7}\,a\)でも良いですよ。
(3)
\(\hspace{10pt}2(x+3y)-3(2x-3y)\\
=2x+6y-6x+9y\\
=\underline{ -4x+15y }\)
(かっこ)を外す1行は書いて確実に展開しましょう。
(4)
\(\hspace{10pt}(3\sqrt{2}-\sqrt{5})(\sqrt{2}+\sqrt{5})\\
=6+3\sqrt{10}-\sqrt{10}-5\\
=\underline{ 1+2\sqrt{10} }\)
暗算しすぎなければ問題ないでしょう。
(5)
\(\hspace{10pt}x^2-x-12\\
=\underline{ (x+3)(x-4) }\)
定数項\(\,-12\,\)から
\(1\times 12\,,\,2\times 6\,,\,3\times 4\)
この組から一次の係数が\(\,-1\,\)とできるものを探します。
(6)
二次方程式を解きます。
\(\hspace{4pt}3x^2-7x+1=0\)
解の公式を利用して
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
x&=&\frac{7\pm \sqrt{7^2-4\cdot 3}}{2\times 3}\\
&=&\frac{7\pm \sqrt{49-12}}{6}\\
&=&\underline{\underline{ \frac{7\pm \sqrt{37}}{6} }}
\end{eqnarray}\)
二次方程式を解くときは因数分解から試していきます。
すぐに因数分解できないときは解の公式を利用しましょう。
(7)
相対度数の問題です。
⇒ 度数分布表とは?階級の幅と階級値および累積度数とヒストグラム
\(\,150\,\)以上\(\,250\,\)未満の階級では
\(\,\mathrm{A}\,\)の度数\(\,18\,\)(度数合計\(\,50\,\))
\(\,\mathrm{B}\,\)の度数\(\,28\,\)(度数合計\(\,80\,\))
\(\,\mathrm{A}\,\)の相対度数は
\(\hspace{4pt}\displaystyle \frac{18}{50}=0.36\)
\(\,\mathrm{B}\,\)の相対度数は
\(\hspace{4pt}\displaystyle \frac{28}{80}=0.35\)
答え \(\,\mathrm{\underline{ ① A ② 0.36 }}\,\)
資料の活用は用語の意味がすべてといっても良いくらいです。
代表値とともに確認しておきましょう。
※
代表値は小学校の内容になり
四分位範囲や箱ひげ図が代わりに入ってきますが、
代表値はまだまだ必要な用語ですよ。
第2問
\(\color{black}{\fbox{2}}\)
(1)
一次関数の問題です。
文章で書かれた\(\,\mathrm{A}\,\)さんの移動がグラフになっているので
グラフを利用する方法で解説しておきます。グラフは原点を含め
\((\,20\,,\,800\,)\)
\((\,30\,,\,800\,)\)
\((\,55\,,\,1800\,)\)
を通ります。
原点は\(\,10\,\)時\(\,0\,\)分です。
\(\,①\,\)
\(\,\mathrm{A}\,\)さんが移動する分速\(\,a\,\)は
休憩前も休憩後も同じです。
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
a&=&\frac{800}{20}\\
&=&\underline{ 40 }
\end{eqnarray}\)
\(\,②\,\)
\(\,\mathrm{B}\,\)さんは\(\,\mathrm{A}\,\)さんと逆から向かってきます。
\(\,\mathrm{B}\,\)さんの移動を表すグラフは
\((\,10\,,\,1800\,)\)
\((\,55\,,\,0\,)\)
を通る直線になります。\(\,\mathrm{B}\,\)さんの移動を表す関数は
\(\hspace{10pt}y=-40x+2200\)
二人が出会った後の\(\,\mathrm{A}\,\)さんの移動を表す関数は
\((\,30\,,\,800\,)\)
\((\,55\,,\,1800\,)\)
を通る直線なので
\(\hspace{10pt}y=40x-400\)
差が\(\,1000\,\)のとき
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
(40x-400)-(-40x+2200)&=&1000\\
40x-400+40x-2200&=&1000\\
80x&=&3600\\
x&=&\frac{3600}{80}\\
&=&45
\end{eqnarray}\)
答え \(\,\underline{ 10\,時\,45\,分 }\,\)
\(\,③\,\)
\(\,\mathrm{C}\,\)さんは分速\(\,\mathrm{100\,m}\,\)で\(\,\mathrm{P}\,\)から移動します。
\(\,\mathrm{A}\,\)さんの\(\,20\,\)分後に出発するので
\((\,20\,,\,0\,)\)
さらに\(\,10\,\)分後には\(\,\mathrm{1000\,m}\,\)移動するので
\((\,30\,,\,1000\,)\)
を通ります。つまり、
\(\,\mathrm{A}\,\)さんの休憩中に追いつくので
\(\,\mathrm{C}\,\)さんの移動を表す関数が
\(\hspace{10pt}y=100x-2000\)
であることから\(\,\mathrm{P}\,\)から\(\,\mathrm{800\,m}\,\)地点を通るのは
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
100x-2000&=&800\\
100&=&2800\\
x&=&28
\end{eqnarray}\)
答え \(\,\underline{ 10\,時\,28\,分 }\,\)
\(\,x\,,\,y\,\)が何を表しているかが分かれば
関数で機械的に処理できる問題です。
※
いくつか直線の方程式を表していますが、
2点を通る直線を求めているだけなので
自分で求めておいてください。
(2)
連立方程式の問題です。
比較の元になっているのは「昨日」なので
問題通り昨日の入場者数を文字でおきます。
昨日の入園者数を
大人\(\,x\,\)人
子ども\(\,y\,\)人
とすると今日の入園者数は
大人\(\,\displaystyle \frac{90}{100}\,x\)
子ども\(\,\displaystyle \frac{105}{100}\,y\,\)
と表すことができれば終わりです。
昨日の入園者数の合計は\(\,140\,\)人なので
\(\hspace{4pt}\color{black}{\fbox{ \(\,x+y\,\) }}=140\)
今日の入園料合計は\(\,52200\,\)円なので
\( \color{black}{\fbox{ \(\displaystyle\,500\times \frac{90}{100}\,x+300\times \frac{105}{100}\,y\,\) }}=52200\)
これを解いて
\(\,x=\color{black}{\fbox{ 60 }}\,,\,y=\color{black}{\fbox{ 80 }}\,\)
今日の子どもの入園者数は
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{105}{100}\times 80\\
=\color{black}{\fbox{ 84 }} 人\)
今日の入園者数は
大人\(\,0.9\,x\,\)
子ども\(\,1.05\,y\,\)
でも良いですよ。
(3)
確率問題です。
2回取り出しますが、
玉を取り出した後、元に戻します。
樹形図ですぐに終わります。
(ここでは表にします。)
\(\,①\,\)
2回の出目の積が12以上の確率です。
\(\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline
& 1 & 2 & 3 & 4 & 5\\ \hline
1 & & & & & \\ \hline
2 & & & & & \\ \hline
3 & & & & ○ & ○ \\ \hline
4 & & & ○ & ○ & ○ \\ \hline
5 & & & ○ & ○ & ○ \\ \hline
\end{array}\)
どちらが1回目でも良いです。
答え \(\displaystyle \underline{\underline{ \frac{8}{25} }}\)
②
「少なくとも一方が奇数」の確率です。
反対(余事象)は「両方偶数」なので
「両方偶数」になる確率を1から引けば答えです。
両方偶数になるのは
\(\,2-2\,,\,2-4\,,\,4-2\,,\,4-4\,\)
の4通りしかないので
\(\displaystyle \hspace{10pt}1-\frac{4}{25}\\
\displaystyle =\underline{\underline{ \frac{21}{25} }}\)
樹形図で確認してもしれています。
\(\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline
& 1 & 2 & 3 & 4 & 5\\ \hline
1 & ○ & ○ & ○ & ○ & ○ \\ \hline
2 & ○ & \color{red}{×} & ○ & \color{red}{×} & ○ \\ \hline
3 & ○ & ○ & ○ & ○ & ○ \\ \hline
4 & ○ & \color{red}{×} & ○ & \color{red}{×} & ○ \\ \hline
5 & ○ & ○ & ○ & ○ & ○ \\ \hline
\end{array}\)
最近「少なくとも」の確率問題の出題が多くなっている?
第3問
\(\color{black}{\fbox{3}}\)
関数と座標上の面積、体積問題です。
ここでは関数問題の解き方を定石通りやっておきます。
関数問題では与えられた条件から、
言えることをできるだけ書き出しておくことです。
条件は問題にある通りで
\(\,\mathrm{A,C}\,\)の\(\,x\,\)座標が\(\,-2\,\)
\(\,\mathrm{B,D}\,\)の\(\,x\,\)座標が\(\,4\,\)
関数は\(\,\displaystyle y=\frac{1}{2}\,x^2\,\)と与えられているので
\(\,\mathrm{A}\,(\,-2\,,\,2\,)\,\)
\(\,\mathrm{B}\,(\,4\,,\,8\,)\,\)
が分かるので直線\(\,\mathrm{AB}\,\)の方程式は
\(\hspace{4pt}y=x+4\)
これくらい書き込んでおけばある程度まではいけるでしょう。
これからは問題に応じて答えていきます。
(1)
点\(\,\mathrm{A}\,\)の座標です。
答え \(\,\underline{ \mathrm{A}\,(\,-2\,,\,2\,) }\,\)
(2)
\(\,y\,\)の変域ですが
これは安易に答えを書かない方が良いです。\(\,x=2\,\)のときの値は\(\,y\,\)の変域には関係ありません。
グラフが下に凸(上に開く)で
原点をまたぐ定義域(\(\,x\,\)の変域)なので
最小値は\(\,0\,\)です。
最大値は軸から遠い
\(\,x=-3\,\)のとき\(\displaystyle \,y=\frac{9}{2}\,\)
答え \(\,\displaystyle \underline{ 0\,≦\,y\,≦\,\frac{9}{2} }\,\)
(3)
四角形\(\,\mathrm{ACDE}\,\)と\(\,\mathrm{△BDE}\,\)の面積比が\(\,2:1\,\)
となるときの点\(\,\mathrm{E}\,\)の座標です。色々と方法が浮かんできますが、
手堅く点\(\,\mathrm{E}\,\)を文字設定しておきましょう。
点\(\,\mathrm{E}\,\)は直線\(\,\mathrm{AB}\,\)上の点なので
点\(\,\mathrm{E}\,\)の\(\,x\,\)座標を\(\,\color{red}{t}\,\)とすると
\(\,\mathrm{E}\,(\,\color{red}{t}\,,\,\color{red}{t+4}\,)\,\)
四角形\(\,\mathrm{ACDB}\,\)は台形で面積が
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{(2+8)\times 6}{2}=30\)
四角形\(\,\mathrm{ACDE}\,\)と\(\,\mathrm{△BDE}\,\)の面積比が
\(\,2:1\,\)となるには\(\,\mathrm{△BDE=\color{blue}{10}}\,\)となればいいので
\(\,\mathrm{△BDE}\,\)の底辺を\(\,\mathrm{BD=8}\,\)とすると
高さとなる\(\,\mathrm{EH}\,\)は\(\,x\,\)座標の差
\(\hspace{4pt}\mathrm{EH}=\color{blue}{4-t}\)
だから面積の方程式を解くと
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{△BDE}&=&\frac{1}{2}\times \mathrm{BD}\times \mathrm{EH}\\
&=&\frac{1}{2}\times \color{red}{8}\times (\color{blue}{4-t})\\
&=&4(4-t)
\end{eqnarray}\)
これから
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
4(4-t)&=&10\\
16-4t&=&10\\
t&=&\frac{3}{2}
\end{eqnarray}\)
このとき\(\,y\,\)座標は\(\,t+4\,\)なので
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{3}{2}+4=\frac{11}{2}\)
答え \(\,\underline{ \mathrm{E}\,\left(\displaystyle \,\frac{3}{2}\,,\,\frac{11}{2}\,\right) }\,\)
四角形\(\,\mathrm{ACDE}\,\)の面積が\(\,20\,\)になることからも求まります。
面積比で解いていっても良いですが
面積が具体的に求まる場合は利用しましょう。
(4)
次は回転体の体積です。
直線\(\,\mathrm{AB}\,\)の\(\,y\,\)切片が底面の半径になるので
円すいと円すい台の体積を足せば終わりです。しかし、
\(\,y\,\)軸で対称になっている円すい2つから
底面の半径が\(\,\mathrm{AC}\,\)の小さい円すいを引く方が早そうです。
大きい円すい2つ分の体積\(\,V_1\,\)は
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
V_1&=&2\times \frac{1}{3}\times \pi\,(4^2)\times 4\\
&=&\frac{2\times 4^3}{3}\,\pi
\end{eqnarray}\)
底面の半径\(\,\mathrm{AC}\,\)とする小さい円すいの体積\(\,V_2\,\)は
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
V_2&=&\frac{1}{3}\times \pi\,(2^2)\times 2\\
&=&\frac{2^3}{3}\,\pi
\end{eqnarray}\)
求める回転体の体積は
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
V_1-V_2&=&\frac{2\times 4^3-2^3}{3}\,\pi\\
&=&\frac{2^3(4^2-1)}{3}\,\pi\\
&=&\frac{8(16-1)}{3}\,\pi\\
&=&\underline{ 40\,\pi }
\end{eqnarray}\)
※
計算過程や求める方法はどうでも良いです。
方針が立ったら確実に計算を進めることの方が大切です。
第4問
空間図形における長さ(距離)を求める問題と
作図の問題があります。
長さを求める問題は良く問われる内容なので
確認していおいた方が良いです。
(1)
与えられた図は1辺\(\,\mathrm{4\,\mathrm{cm}}\,\)の立方体を
半分に切ったものです。\(\,\mathrm{AB\,,\,AC}\,\)の中点が\(\,\mathrm{M\,,\,N}\,\)です。
※
長さの単位は途中計算では省略します。
\(\,①\,\)
線分\(\,\mathrm{DM}\,\)の長さを求めます。
点\(\,\mathrm{M}\,\)は線分\(\,\mathrm{AB}\,\)の中点だから
\(\hspace{10pt}\mathrm{AM}=\color{blue}{2}\)
\(\,\mathrm{△ADM}\,\)は直角三角形なので
三平方の定理から
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{DM^2}&=&\mathrm{AD^2+AM^2}\\
&=&4^2+2^2\\
&=&20\\
\mathrm{AM}&=&\pm 2\sqrt{5}
\end{eqnarray}\)
\(\,\mathrm{AM}\,\)は長さなので\(\,\mathrm{AM\,>\,0}\,\)より
\(\hspace{10pt}\mathrm{AM}=\underline{ 2\sqrt{5} }\mathrm{cm}\)
\(\,②\,\)
三角すいの高さを求める問題です。
三角すい\(\,\mathrm{N-DEM}\,\)は
底面が\(\,\mathrm{△DEM}\,\)で高さが\(\,\mathrm{MN}\,\)と見ることができます。この三角すいの体積\(\,V_1\,\)は
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
V_1&=&\frac{1}{3}\times \frac{1}{2}\times 4^2\times 2\\
&=&\frac{16}{3}
\end{eqnarray}\)
しかしこの三角すいは
底面が\(\,\mathrm{DEN}\,\)で高さが\(\,\mathrm{MH}\,\)と見ることもできます。
点\(\,\mathrm{H}\,\)は二等辺三角形\(\,\mathrm{DEN}\,\)の
頂点\(\,\mathrm{N}\,\)から\(\,\mathrm{DE}\,\)に引いた中線上にあります。
※
前期と同じで直感的に見ても良いですが、
最初に書いたように立方体が元なので
長さを求めるまでも無く\(\,\mathrm{△DEN}\,\)は二等辺三角形です。
底面の\(\,\mathrm{△DEN}\,\)の面積を求めますが、
先に\(\,\mathrm{DN}\,\)の長さを求めておきます。
線分\(\,\mathrm{AC}\,\)は正方形の対角線なので\(\,4\sqrt{2}\,\)だから
\(\,\mathrm{AN=\color{blue}{2\sqrt{2}}}\,\)三平方の定理から
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{DN^2}&=&\mathrm{AD^2+AN^2}\\
&=&4^2+(2\sqrt{2})^2\\
&=&24
\end{eqnarray}\)\(\,\mathrm{△DIN}\,\)も直角三角形なので
三平方の定理から
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{DN^2}&=&\mathrm{DI^2+IN^2}\\
24&=&2^2+\mathrm{IN^2}\\
\mathrm{IN}^2&=&20\\
\mathrm{IN}&=&\color{magenta}{2\sqrt{5}} (>0)
\end{eqnarray}\)これから\(\,\mathrm{△DEN}\,\)の面積は
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{△DEN}&=&\frac{1}{2}\times \mathrm{DE}\times \mathrm{IN}\\
&=&\frac{1}{2}\times 4\times 2\sqrt{5}\\
&=&\color{blue}{4\sqrt{5}}
\end{eqnarray}\)
高さを\(\,\mathrm{MH}=\color{red}{h}\,\)として体積を表すと
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{1}{3}\times 4\sqrt{5}\times h\\
=\displaystyle \frac{4\sqrt{5}}{3}\,h\)
これが三角すいの体積\(\,V_1\,\)なので
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
V_1&=&\frac{4\sqrt{5}}{3}\,h\\
\frac{16}{3}&=&\frac{4\sqrt{5}}{3}\,h\\
16&=&4\sqrt{5}\,h\\
h&=&\frac{16}{4\sqrt{5}}\\
&=&\frac{4\sqrt{5}}{5}
\end{eqnarray}\)
答え \(\,\mathrm{MH}=\underline{ \displaystyle \frac{4\sqrt{5}}{5} }\mathrm{cm}\,\)
ここまで説明する必要は無いかもしれませんが、
三角すいは転がしても体積は変わらない、
ということは忘れないで下さい。
(2)
これは(1)とは関係の無い作図問題です。
点\(\,\mathrm{A}\,\)を通り直線\(\,\ell\,\)に接する円の作です。
点\(\,\mathrm{A}\,\)は中心ではありませんので無数にあります。
その中で半径が最も短いのは、
接点と点\(\,\mathrm{A}\,\)を結ぶ線分が直径となるときです。
点\(\,\mathrm{A}\,\)から\(\,\ell\,\)に垂線を引きます。
垂線と\(\,\ell\,\)の交点が接点です。
点\(\,\mathrm{A}\,\)と接点を結ぶ線分の垂直二等分線を引きます。
作図した2つの直線の交点が中心の円を描けば終わりです。
円を描くには中心と半径が必要なので
それらを探しに行けば良いのです。
第5問
\(\color{black}{\fbox{5}}\)
相似と合同の証明および長さと面積比の問題です。
相似と合同の証明は最初の条件で示します。
条件
線分\(\,\mathrm{AB}\,\)を直径とする円\(\,\mathrm{O}\,\)
\(\,\mathrm{BC=AD}\,\)
\(\,\mathrm{BC}\,\)∥\(\,\mathrm{FG}\,\)
\(\,\mathrm{AC\,>\,BC}\,\)
(1)
相似の証明です。
穴埋めなので記号を合わせれば良いですが、
図の中で証明は終わらせておきましょう。
円周角が等しくなる角が多いので
証明に必要な角を探す方が大変です。
\(\,\mathrm{△AGE}\,\)と\(\,\mathrm{△ACF}\,\)に関する角度を示しておきます。
\(\,\mathrm{BC}\,\)∥\(\,\mathrm{FG}\,\)
と円周角の定理から等しい角がいくつか出てきます。相似条件は「2組の角が等しい」です。
(証明)
\(\,\mathrm{△AGE}\,\)と\(\,\mathrm{△ACF}\,\)において
弧\(\,\mathrm{AF}\,\)に対する円周角は等しいから
\(\,\color{black}{\fbox{ \(\,\mathrm{∠AGF}\,\) }}=\mathrm{∠ACF} ・・・①\,\)
\(\,\mathrm{BC}\,\)∥\(\,\mathrm{FG}\,\)より、平行線の同位角は等しいから
\(\,\mathrm{∠AEG}=\color{black}{\fbox{ \(\,\mathrm{\color{red}{∠ABC}}\,\) }} ・・・②\,\)
弧\(\,\mathrm{AC}\,\)に対する円周角は等しいから、
\(\,\color{black}{\fbox{ \(\,\mathrm{\color{red}{∠ABC}}\,\) }}=\mathrm{∠AFC} ・・・③\,\)
\(\,②,③\,\)より、
\(\,\mathrm{∠AEG=∠AFC} ・・・④\,\)
\(\,①,④\,\)より、
\(\color{black}{\fbox{ 2組の角 }}\)がそれぞれ等しいので、
\(\,\mathrm{△AGE}\,\)∽\(\,\mathrm{△ACF}\,\)
これは\(\,(ア)(イ)(ウ)\,\)の順に図から探していけば良いですね。
(2)
次は合同の証明です。
これは全文証明なので自分で合同条件を探します。
当然、図の中で証明を終わらせておくことです。
条件が多いからわかりにくいので
必要な部分だけ抜き出しておきました。
(証明)
\(\,\mathrm{△ADG}\,\)と\(\,\mathrm{△BCH}\,\)において
仮定から
\(\,\mathrm{\color{red}{AD=BC} ・・・①}\,\)
1つの弧\(\,\mathrm{GC}\,\)に対する円周角は等しいので
\(\,\mathrm{\color{blue}{∠GAD=∠HBC} ・・・②}\,\)
直径\(\,\mathrm{AB}\,\)に対する円周角は\(\,90°\,\)なので
\(\,\mathrm{∠HCB}=90^{\circ} \,\)
ここで\(\,\mathrm{BC}\,\)∥\(\,\mathrm{FG}\,\)で同位角が等しくなることから
\(\,\mathrm{∠BCH=∠EDA=∠ADG}=90^{\circ}\,\)
つまり
\(\,\mathrm{\color{magenta}{∠ADG=∠BCH} ・・・③}\,\)
\(\,①②③\,\)より
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい。
よって、
\(\,\mathrm{△ADG}\,\)≡\(\,\mathrm{△BCH}\,\)
(終わり)
平行線の同位角を利用しなくても、
\(\,\mathrm{AB}\,\)が直径であることを使っていないことから
\(\,\mathrm{∠ACB=90^{\circ}}\,\)が分かれば
\(\,\mathrm{∠FCB+∠ACF=90^{\circ}}\,\)
これと円周角が等しいことや三角形の内角の和などから
\(\,\mathrm{∠ADG=∠BCH}\,\)
は言えるます。
ただ、証明を続けるうちに、
結局は同位角が等しいことに気がつくので
ここでは同位角を利用した証明にしました。
(初期の条件で示していれば先に気がつきます。)
どちらでも論理的に正しければ立派な証明ですよ。
(3)
長さと面積比です。
長さの条件が加わります。
\(\,\mathrm{AB=13\,cm}\,\)
\(\,\mathrm{BC=5\,cm}\,\)
※
単位は途中計算では省略します。与えられた2辺が直角三角形の\(\,2\,\)辺なので
三平方の定理を利用するのが先でしょう。
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{AB^2}&=&\mathrm{BC^2+AC^2}\\
13^2&=&5^2+\mathrm{AC^2}\\
\mathrm{AC^2}&=&169-25\\
&=&144
\end{eqnarray}\)
\(\,\mathrm{AC\,>\,0}\,\)なので
\(\hspace{4pt}\mathrm{AC}=12\)ここからは問題の順に進めます。
\(\,①\,\)
線分\(\,\mathrm{DE}\,\)の長さを求めます。
\(\,\mathrm{BC=AD}\,\)なので
\(\hspace{4pt}\mathrm{BC=AD}=\color{blue}{5}\)\(\,\mathrm{BC}\,\)∥\(\,\mathrm{ED}\,\)より
(利用頻度高いな笑)
\(\,\mathrm{△ADE}\,\)∽\(\,\mathrm{△ACB}\,\)
相似比が\(\,\mathrm{AD:AC}=5:12\,\)なので \(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{AD:AC}&=&\mathrm{DE:CB}\\
\color{blue}{5}:\color{red}{12}&=&\mathrm{DE}:\color{blue}{5}\\
12\times \mathrm{DE}&=&25\\
\mathrm{DE}&=&\underline{ \frac{25}{12} }\mathrm{cm}
\end{eqnarray}\)
\(\,②\,\)
\(\,\mathrm{△BFG}\,\)と\(\,\mathrm{△OFG}\,\)の面積比を求めます。底辺が同じ\(\,\mathrm{FG}\,\)なので高さの比を求めれば良いだけです。
\(\,\mathrm{△ADE}\,\)∽\(\,\mathrm{△ACB}\,\)
なので
\(\begin{eqnarray}\displaystyle
\mathrm{AD:AC}&=&\mathrm{AE:AB}\\
\color{red}{⑤}:\color{red}{⑫}&=&\mathrm{AE:AB}\\
\end{eqnarray}\)
このとき半径\(\,\mathrm{OB}\,\)は
\(\hspace{4pt}\mathrm{OB}=\color{red}{⑥}\)
\(\,\mathrm{B\,,\,O}\,\)から\(\,\mathrm{FG}\,\)に垂線を下ろすと
相似な三角形ができますので
高さの比は斜辺の比になります。斜辺の比は
\(\hspace{10pt}\mathrm{AE:EO:OB}\\
=\color{red}{⑤}:\color{red}{①}:\color{red}{⑥}\)高さの比となる
\(\hspace{4pt}\mathrm{BE:OE}=\color{red}{⑦}:\color{red}{①}\)
答え \(\,\underline{ 7:1 }\,\)
\(\,\mathrm{AB}\,\)の長さは与えられているので実際の長さも出せます。
長さを出して面積比を求めても良いですよ。
以上です。
⇒ 2021年(令和3年)度三重県公立高校入試【前期】数学の問題と解説
前期は大きな除外項目があったので少し違って見えるかもしれません。
特に\(\color{black}{\fbox{3}}\)は問題の一部を削ったのではないかと思える程です。
ただ、応用問題として復習しておくと良いです。
三重県の県立入試では2021年度の後期のように出題に偏りは無く、
今後もそれほど大きく変わることはないでしょう。