平方数とはどのような数字なのか。
また、かけて平方数、割って平方数にする最小の自然数を見つけるときに利用する素因数分解についても説明しておきます。
素因数分解は平方根や無理数を学ぶときにもっとも大切な数字の処理になります。
ここでは平方根ではなく平方数にするために必要な作業を確認しておきましょう。
平方数とは
平方数とは \(\color{red}{\mathrm{A}^2}\) となっている数のことをいいます。
日本語での説明よりは数学の表記の方が分かり易いですが、後で詳しく説明します。
平方数になるための条件を問題の中で見ておきましょう。
素因数分解については平方根を求めるときにもう一度詳しく説明を加えます。
(1)\(\,135\,\)にできるだけ小さい自然数をかけて,ある整数の平方にしたい。
どんな数をかければよいか。また,その結果はどんな数の平方になるか。
問題3までは別のページにあります。
このページにはありませんので気にしないでください。
この問題、答えは同じになっても、問題によっては言葉が違います。
例えば、
親切な問題では、
「ある数の平方にしたい」ではなく、
「ある数の\(\,2\,\)乗にしたい」と書かれていることもあります。
そうです。
「平方」とは「\(\,2\,\)乗」のことです。
ちなみに、「立方」とは「3乗」のことです。
ある数の平方にしたいのだから、
\(\,135\,\)に何かをかけて \(\color{red}{ (a)^2}\) の形になるようにすればいいのです。
平方数を見分ける素因数分解
平方数かどうかを見分けるためには素因数分解が便利です。
簡単な数ならすぐに分かりますが、
大きな数や文字を含んだ数は、
素因数分解しないと見当がつきません。
\(\,135\,\)を素因数分解しましょう。
素因数分解は素数のかけ算の形にすることです。
割れると分かる小さな素数から順番に割っていき、割れなくなるまで割っていけば良いだけですよね。
※
\(\,1\,\)は素数ではありませんよ。
整数がどの素数で割れるかは、\(\,2\,,\,3\,,\,5\,,\,\cdots\)と探していけば良いですが大きな倍数の見分け方を知っていると少し助かります。
\(\,135\,\)を素因数分解すると
\(3\underline{)\hspace{3pt}135}\\
3\underline{)\hspace{8pt}45}\\
3\underline{)\hspace{8pt}15}\\
\hspace{21pt}5\)
\( 135=3^2\times 3\times 5\)
となります。
\( 3^2\) の部分は平方になっているので、
先ずは残りの \( \color{blue}{3\times 5}\) 部分を平方にしなくてはなりません。
ここで、\( 135\) に \( 3\times 5\) を追加してかけると、
\(\hspace{10pt}\underline{135}\times \color{red}{3\times 5}\\ \\
=\underline{3^2\times 3\times 5}\times \color{red}{3\times 5}\\ \\
=3^2\times 3^2\times 5^2\\ \\
=(3\times 3\times 5)^2\)
となって全部の素因数が2乗になっているので、
全体は平方数となっています。
ところで、少し上級問題になりますが、
かけて平方になる数は、\(3\times 5\) だけではなく、
\(\hspace{8pt} 3\times 5\times \color{red}{2}^2\\
\hspace{7pt} 3\times 5\times \color{blue}{3}^2\\
\hspace{7pt}\cdots\hspace{7pt}\\
\hspace{7pt} 3\times 5\times \color{magenta}{a}^2\)
なども\(\,135\,\)にかければ、全体は平方数となります。
\(\hspace{10pt} \underline{135\times 3\times 5}\times \color{red}{2}^2\\
=\underline{(3\times 3\times 5)^2} \times \color{red}{2}^2\)
\(\hspace{10pt} \underline{135\times 3\times 5}\times \color{blue}{3}^2\\
=\underline{(3\times 3\times 5)^2} \times \color{blue}{3}^2\)
\( \cdots\)
\(\hspace{10pt} \underline{135\times 3\times 5}\times \color{magenta}{a}^2\\
=\underline{(3\times 3\times 5)^2} \times \color{magenta}{a}^2\)
しかし、
問題に「できるだけ小さい数をかけて」と書いてあるので、
答えは \(3\times 5\times \color{green}{1}^1=\underline{15}\) でいいのです。
そして、
\(\hspace{10pt} 135\times 3\times 5\\
=(3\times 3\times 5)^2\\
=45^2\)
となり、もう一つの問題
「どんな数の平方になるか」
の答えは、\(\,\underline{45}\,\)です。
平方数を聞いているのではありません。
「何の平方か?」なので\(\,\underline{45}\,\)です。
割って平方数にするのも素因数分解
割り算をして平方数にするときも同じで
「平方になっていない部分を消す」
ために、何で割れば良いかを考えれば良いのです。
例えば
\( 135=3^2\times 3\times 5\)
は \( 3\times 5\) の部分が平方になっていないので、
\(\color{blue}{3\times 5 で割れば}\)、
残りが平方数となります。
\(\hspace{10pt} \displaystyle \frac{135}{\color{blue}{3\times 5}}\\
=\displaystyle \frac{3^2\times 3\times 5}{\color{blue}{3\times 5}}\\
=3^2\)
「分からない」「分からない」って言うヒマがあるなら、
素因数分解くらいしようよ。w
応用問題でも同じです。
答えまでたどり着けるかどうかは分かりませんが、先が見えてくる、かもしれないのでやるべき作業はしましょうね。
やらなければ可能性はありませんよ。
ここまで素因数分解さえやっていれば問題ないと思うのですが、
⇒ ルートのついた無理数を整数や自然数に変える方法と問題の解き方
無理数の場合も簡単にできるようになっているはずです。
⇒ 素因数分解とは?分解方法と最小の自然数を求める練習問題(中学3年)
無理数がまだ、という人は素因数分解をもう一度見ておきましょう。
きっと無理数が普通より楽になります。