因数分解を使った基本的な文字式の証明問題とその解説をしておきます。
日本語の文章を文字式にするというのは数学の基本なので、今さら説明は必要ないかもしれません。
証明でも同じで文字式のあつかいは文章題を解く上で1番大切なことです。
数学は文字式を使えば世界共通
何度も言うことになりますが数学は世界共通といっていい言語なのです。
もちろん途中の説明などは日本語でも良いのですが、
数字や式の意味を文字を使って表す方法は世界共通なのです。
※
日本独特のものもありますが、通用するので気にしなくて良いです。
たまに数学が専門なのか分かりませんが得意げに批判する人がいますが、批判されたからって気にしなくて良いですよ。
厳密にやりたいなら大学以上の数学の場で議論すれば良いだけで、たぶん暇な人なんでしょう。
あなたが気にすることは全くありません。
日本語で書かれた式の意味を文字式に変えること、
それさえしっかりやれば、文章題は難しくありません。
因数分解を使った文字式の証明
問題です。
※
問題4までは別のページにあります。
このページにはありませんので気にしないでください。
その整数を中央の数とする\(\,3\,\)つの連続する整数の積に等しいことを証明せよ。
「整数の\(\,3\,\)乗」から「整数を引く」
という日本語を数学の文字式に置きかえるので、
その「整数」を \(n\) とでもおいて見ましょう。
※
証明するときはその文字が何を意味するのかを書く必要はありますけど、文字は何でも良いです。
習慣的に中学数学では整数や自然数は\(\,n\,\)を使うことが多いです。
問題に入りましょう。
「整数\(\,n\,\)の\(\,3\,\)乗\(\,n^3\,\)からその整数を引いた差」
を計算してみると、
\(\hspace{10pt}n^3-n\\
=\color{magenta}{n(n^2-1)}\\
=\color{blue}{n(n+1)(n-1)}\\
=\color{red}{(n-1)n(n+1)}\)
この因数分解が出来なければどうしようもないのですが、
因数分解の基本はこちら
⇒ 因数分解とは?公式がいらなくなる問題の解き方のポイント(中学3年)
手順を覚えていけば簡単に出来るようになります。
\(\,\color{magenta}{2行目}\,\)は、共通因数\(\,n\,\)を抜き出しただけです。
\(\,\color{blue}{3行目}\,\)はカッコの中を因数分解しました。
\(\,\color{red}{4行目}\,\)は小さい因数順に並べました。
これは、
「整数\(\,n\,\)を中央とする\(\,3\,\)つの連続する整数の積」
という日本語と同じ意味になっています。
これで証明終わりです。
(途中の解説は解答に書く必要はないですよ。)
証明の流れを見る意味で簡単にまとめておきます。
(証明)
整数を\(\,n\,\)とすると、
整数の\(\,3\,\)乗からその整数をひいた差は
\(\hspace{10pt}n^3-n\\
=n(n^2-1)\\
=n(n+1)(n-1)\\
=(n-1)n(n+1)\)
これは整数\(\,n\,\)を中央とする\(\,3\,\)つの連続する整数の積を表している。
(証明終わり)
数学の証明(文字式の証明)の書き方のコツ
きれいに解答としてまとめてみましょうか?
証明の書き方が分からないという人が多いので、
美しい解答を見て、真似をして下さい。w
証明の書き方は自分で考えるのではなくて、
真似ることから始めてください。
証明の書き方に独創性や個性は必要ありません。
独自の証明が書きたい人は将来数学者になって、
新しい事実を見つけたときにでもすれば良いですからね。
「(証明)
ある整数を \(n\) とおく。
整数の\(\,3\,\)乗からその整数をひいた差を計算すると
\(\hspace{10pt} n^3-n\\ \\
=n(n^2-1)\\ \\
=n(n+1)(n-1)\\ \\
=(n-1)n(n+1)\)
となる。
これはある整数を中央とする\(\,3\,\)つの連続する整数の積となっている。(終わり)」
これで十分です。
さっきと何が違う?
ほんの少し日本語が増えただけです。笑
段落をつけるとか、そんな美しさは今は求めません。
とにかく自分の頭で考えたことを書き出せば良いだけなんです。
先ずは、
文章の中の数をどうやって文字で表すか
文章はどういう計算をしろといっているのか
文章は、どういう結論を求めているのか
それを見つけて文字化してやれば、簡単ですよ。
偶数 \(2n\) , 奇数 \( 2n+1\)
連続偶数 \(2n , 2n+2\)
連続奇数 \(2n+1 , 2n+3\)
または \(2n-1 , 2n+1\)
連続整数 \(n , n+1 , n+2 , \cdots\)
などの文字を使っての表し方は、覚えておいた方がいいですよ。
⇒ 中学数学で使う文字式の一覧(奇数や偶数などの整数の表し方)
覚えておかないといくら考えても日本語を文字に変えられないので証明できないのです。
文字の使い方を覚えれば、意味を持たせて文字式で表すことができるようになりますので、1つひとつ覚えておく必要もなくなりますが、先ずは日本語を文字式で表す最低限の用語は覚えておきましょう。
逆にこれを覚えておけば、問題集にある問題はどれも、あなたにとっての文字式の証明問題は同じに見えてきますよ。笑
ここまでの文字式、因数分解を復習できてるあなたは無理数に進んでも、何の抵抗もなく応用まで進めるようになっています。
数の世界が広がるので最初は気をつけておくことがあるので、
必ずチェックしておきましょう。