中学2年の式と計算の文字式の加法(足し算)と減法(引き算)と同類項のまとめ方です。
基本的な問題ばかりですが「答えが出ればいい」ではなく、
後々まで役に立つ計算方法も説明しますので(カッコ)の外し方から基本を習得して下さい。
計算の方法を変えるだけでもあなたの数学の力はかなり違ってきますよ。
同類項とは
同類項とは文字の種類とそれぞれの文字の次数が同じ項のことです。
例えば、
\(2x+3y-x+5y+z\)
という多項式では
\(\,2x\,\)と\(\,-x\,\)は文字も次数も\(\,1\,\)次で同じなので同類項です。
\(\,3y\,\)と\(\,+5y\,\)も同類項です。
ところが
\(2x^2y+3xy^2\)
という多項式では
\(\,2\color{red}{x^2}\color{blue}{y}\,\)は文字は\(\,x,y\,\)で同じで次数も\(\,3\,\)次ですが、
\(\,\color{red}{x}\,\)については\(\,\color{red}{2}\,\)次で、\(\,\color{blue}{y}\,\)については\(\,\color{blue}{1}\,\)次。
\(\,3\color{red}{x}\color{blue}{y^2}\,\)は文字は\(\,x,y\,\)で同じで次数も\(\,3\,\)次ですが、
\(\,\color{red}{x}\,\)については\(\,\color{red}{1}\,\)次で、\(\,\color{blue}{y}\,\)については\(\,\color{blue}{2}\,\)次。
それぞれの文字で次数が違うので同類項ではありません。
ただし、文字の順番は関係ありません。
\(x^2y+yx^2+xyx\)
はすべて\(\,x^2y\,\)という同類項です。
同類項は係数の加減(足し算引き算)によってまとめることができます。
文字式の足し算引き算と同類項をまとめる
早速問題に入りましょう。
(1)\( 7a-6b-2a+3b\)
(2)\( -5x+8y+4x-y\)
(3)\( (8a-2b)+(a+5b)\)
(4)\( (7x-3y)-(-2x+5y)\)
多項式の加法、足し算です。
\(\color{red}{7a}\color{blue}{-6b}\color{red}{-2a}\color{blue}{+3b}\) の
\(\color{red}{7a}\) と \(\color{red}{-2a}\)
\(\color{blue}{-6b}\) と \(\color{blue}{3b}\)
は同類項なのでまとめます。
\(\hspace{10pt} 7a-6b-2a+3b\\
=\color{red}{7a-2a}\,\color{blue}{-6b+3b}\\
=5a-3b\)
\(\,2\,\)行目はなれてくれば無くしても良いです。
文字が違うのでこれ以上は計算できません。
\(\,2\,\)行目の書き出しはなくしても良いと言いましたが、
\(a\) の項の計算が終われば先ず \( 5a\) を書いて、
\(\hspace{10pt} \color{red}{7a}-6b\color{red}{-2a}+3b\\
=\color{red}{5a} (まだ計算途中)\)
\(b\) の項の計算が終われば \(-3b\) を書くようにしましょう。
\( 7a\color{blue}{-6b}-2a\color{blue}{+3b}\\
=5a\color{blue}{-3b}\)
結果をまとめて書かなくても良いということです。
項が多いときは順に書くでしょうけど、いつも、\(\,1\,\)つの計算ごとに書くと良いです。
書いているところを見られる訳ではないし、一度に書いたからといってかっこいいわけでもありません。
はっきり言うと、かっこつけて間違えたら点数はありません。
ミスは減らしたいですよね。
これも同類項をまとめます。
\(\hspace{10pt} -5x+8y+4x-y\\ \\
=-5x+4x\,+8y-y\\ \\
=-x\,+\,7y\)
\(-1x\) ですが係数の\(\,1\,\)は書かない約束がありますので省略です。
\(\,1\,\)すべてということではありませんよ。
\(\,-0.1x\,\)などの場合は書かなくては意味が分かりません。
算数の計算と同じで(かっこ)をはずすことが第一歩です。
\( \hspace{10pt}(8a-2b)+(a+5b)\\
=8a-2b+a+5b\)
この1行を書くか書かないかが後々あなたを変えます。
(理由は次の問題でわかります。)
次に同類項をまとめます。
\(\hspace{10pt} (8a-2b)+(a+5b)\\
=8a+a-2b+5b\\
=9a\,+\,3b\)
展開計算でミスを減らす大切な1行
(かっこ)の前の「-」は中の項全部にかかりますので注意が必要です。
\(\hspace{10pt}(7x-3y)-(-2x+5y)\\
=7x-3y\color{red}{+2x-5y}\)
この1行を書くか書かないかで大きく違うというのは分かりますよね?
一番ミスの起こりやすい\(\,1\,\)行です。
符号の入れ替わりに注意してください。
計算ミスが確実に減ります。
\(\hspace{10pt} (7x-3y)-(-2x+5y)\\
=7x-3y+2x-5y\\
=9x-8y\)
ここまでの問題は答えは出せると思います。
でもいい加減にやっていた人は多いと思うんです。
「いや、私はきっちりやってた。」
「やってないけど計算ミスは一度もしたことない。」
という人はいいですが、計算ミスが多いという人は気をつけてやって見てください。
1つひとつが得点の元になるんですよ。
1つくらい計算ミスしたって余裕、といいきれる人はいないでしょう?
これをミスする人は他でも同じようなミスを連発します。
見直しとともに計算過程に気をつけて見てください。
必ず計算ミスは減ります。
数学が苦手なのでは無くて、
決まっている(約束されている)計算順序を間違えている場合があります。
式の計算問題は今後の数式処理の基本になるので
確実にできるようになっておきましょう。
⇒ 式の計算(中2)文字式展開の係数の分配と(かっこ)をはずす順番
(かっこ)をはずす順番は高校になっても苦手にしている人もいます。
⇒ 式の計算(中2) 分数の文字式の加法(足し算)と減法(引き算)のコツ
分数計算での加減(足し算引き算)でのコツは正の数負の数と同じです。
⇒ 式の計算(中2) 文字式の乗法(かけ算)除法(割り算)のコツと注意点
と続きますが、ここが一番の基本ですのでしっかり復習しておいた方が良いです。