2次方程式を解の公式を使わずに平方根を求める形(2乗の形)と文字の置きかえを利用して解く方法です。
すべての問題を解の公式で解くというのは時間がかかるので効率が悪いです。
解の公式を使う方法は再度説明しますのでここでは基礎となる平方根を求める方法を利用して解いてみましょう。

2次方程式を平方根を利用して解く方法

問題はそれほど多くしませんので、答えよりも計算の方法や処理の仕方をよく見ておいて下さい。

問題1-(1)次の方程式を解きなさい。
 \(x^2-64=0\)

2次方程式を解くのに「こうしなければダメ!」という決まりはありません
解き方に指定があれば別ですが、たかが2次方程式を解く問題で問題作成者はわざわざ指定しません。

試験会場では思い立った方法で突っ走る方が、迷うより答えを出すまでは早いです。
ただ、事前の練習(経験)によって選択する方法がよりよくなることはあります。

  \(x^2-64=0\)

この場合は2つです。
平方根を求めに行くか、因数分解するか。

⇒ 素数とは?素因数分解の方法と平方根の求め方(ルートの使い方準備)

平方根として求めるなら
 \(\begin{eqnarray}
x^2-64&=&0\\
x^2&=&64\\
x^2&=&8^2\\
x&=&\pm 8
\end{eqnarray}\)

因数分解して求めるなら
 \(\begin{eqnarray}
x^2-64&=&0\\
x^2-8^2&=&0\\
(x+8)(x-8)&=&0\\
x&=&\pm 8
\end{eqnarray}\)

\(\,64\,\)は平方数なのでどちらも同じです。
答えの書き方は \(x=8,-8\) でもいいです。

これを解の公式で解こうとする人はいないでしょうけど、ムダな時間になります。

ここで高校生でもしっかり理解できていない人が多いので少し説明を加えておきます。

 \(\color{red}{(x+8)(x-8)=0}\) を解くということは、
 \(\color{red}{x+8=0 または x-8=0}\)
ということです。

文字が入ってくるときや、解が分数になるとき(\(x\)の係数が1じゃないとき)にとまどっている高校生をよく見ます。
中学生では係数が1ではないときの因数分解はありませんが、意味は覚えておきましょう。

因数分解された方程式は「または」です

⇒ 数学1A 命題と逆に使う「かつ」と「または」と日常生活の違い

知らない人が多すぎます。高校生になったらここは確認し直しておくといいです。

文字の置きかえでミスを減らす解き方

問題1-(2)次の方程式を解きなさい。
 \((x+1)^2=6\)

 \((x+1)^2=6\) を展開して \(x^2+2x-5=0\) として解の公式を使ってもかまいません。

しかし、時間がもったいないです。
せっかく平方された形になっているので平方根として求めましょう。

 \(x+1=A\) と置きかえると、
\((x+1)^2=6\) は \(A^2=6\) です。

これをいったん \(A\) について解くと
 \(\begin{eqnarray}
A^2&=&6\\
\color{red}{A}&=&\pm \sqrt{6}
\end{eqnarray}\)

ここで \(A=x+1\) を戻すと
 \(\color{red}{x+1}=\pm \sqrt{6}\)
なので
 \(\underline{ x=-1\pm \sqrt{6} }\)

もちろん解の公式でも同じ答えは出てきますが、まとめて文字で置きかえる、という方法はよく使いますので覚えましょう。

問題1-(3)次の方程式を解きなさい。
 \(25(x-2)^2=16\)

迷うくらいなら展開して解の公式でいいですが、時間短縮のための準備をしてきましょう。
(2)と同じように文字で置きかえます。

 \(x-2=A\) とおくと \(25A^2=16\)
なのでいったん \(A\) について解きます。

 \(\begin{eqnarray}
25A^2&=&16\\
\displaystyle A^2&=&\frac{16}{25}\\
A&=&\pm \sqrt{\frac{16}{25}}=\pm \frac{\sqrt{16}}{\sqrt{25}}\\
\color{red}{A}&=&\pm \frac{4}{5}
\end{eqnarray}\)

ここで \(A=x-2\) を戻すと、

 \(\begin{eqnarray}
\displaystyle \color{red}{x-2}&=&\pm \frac{4}{5}\\
x&=&2\pm \frac{4}{5}
\end{eqnarray}\)

これは \(\color{red}{\pm のままではダメ}\)です。
まだ計算できるので別々に求めなければなりません。

一気に2つとも計算することもできますが、計算ミスが多いところなので確実にしましょう。

±が使えないときの解の求め方注意点

この解は、
 \(\displaystyle x=2+\frac{4}{5}\) と \(\displaystyle x=2-\frac{4}{5}\)
となるので別々に計算した方がミスは確実に減ります。
 \(\begin{eqnarray}
\displaystyle x&=&2+\frac{4}{5}\\
\displaystyle &=&\frac{10+4}{5}=\frac{14}{5}
\end{eqnarray}\)
と、
 \(\begin{eqnarray}
\displaystyle x&=&2-\frac{4}{5}\\
\displaystyle &=&\frac{10-4}{5}=\frac{6}{5}
\end{eqnarray}\)

(答え)\(\displaystyle\underline{  x=\frac{14}{5}\,,\,\frac{6}{5} }\)

これを \(\displaystyle x=2\pm \frac{4}{5}\) のまま答えとしたら「×」ですよ。

次は因数分解を利用しましょう。

⇒ 2次方程式の因数分解を利用する解き方のコツと注意点

文章問題では一番使うことになります。

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