滋賀県で行われた公立高校入試2019年(平成31年)度の数学、データの活用問題の解説です。
図とヒストグラムがたくさん与えられていますが、データの活用では良くあることです。
読み取れる条件からどのヒストグラムがどのクラスかを見分けるができれば難しい問題ではありません。

問題は滋賀県が公開してくれています。

⇒ 2019年滋賀県公立高校入試数学問題

2.標本調査とデータの活用

標本調査と推測

標本調査を行うときは、できる限り条件をつけないように広い範囲で調査対象を選ぶことです。

対称は全校生徒です。

(1)
ア:「花子さんのクラス」の中から\(\,30\,\)人は条件を絞りすぎです。
全校生徒を対象にした標本調査なので特定のクラスは向いていません。

イ:「協力してくれる人を呼びかける」と回収に協力的な人を呼びかけることになりかねません。
だから、多く持ってきた人が呼びかけに答える可能性が高いです。
全校生徒の標本としては不適切です。

ウ:「\(\,3\,\)年生全員」もクラスよりは広いですが、全校生徒が対象の調査なので条件が絞られています。

エ:「全校生徒に番号をつけ、くじ引きで選ぶ」

これですね。
選ばれる可能性は誰にでもあるので条件は誰もが同じなので標本としては適しています。

答え \(\,\underline{ エ }\,\)

(2)
標本調査は一部を抜き取り、全体を推測する調査です。
一部の比例関係から全体を推測します。

比例式です。

 \(\,\color{red}{30}\,\)人中\(\,50\,\)個より多く持ってきた人は\(\,\color{blue}{12}\,\)人

では、全校生徒\(\,\color{red}{485}\,\)人では何人と推測できるか?

全校生徒の中で\(\,50\,\)個より多く持ってきた人を\(\,x\,\)人とすると

 \(\begin{eqnarray}\displaystyle
\color{red}{30}:\color{blue}{12}&=&\color{red}{485}:\color{blue}{x}\\
30x&=&12\times 485\\
\displaystyle x&=&\frac{12\times 485}{30}\\
&=&194
\end{eqnarray}\)

よって、答えはおよそ \(\,\underline{ 194 }\,\) (人)

ヒストグラムの読み取りと代表値

(3)
ここからは全校生徒が対象ではありません。
\(\,3\,\)年生\(\,5\,\)クラス\(\,150\,\)人のデータを扱いますので、(1)(2)とは切り離して考えて良いです。

全体の平均は\(\,59.4\,\)ですが、階級の幅によって平均値を含む階級の度数が一番大きいとは限らないという話を花子さんと太郎さんはしています。
これは、階級を細かく分ければ分けるほど分布の特徴が分かる、ということですがその理由が答えです。

図\(\,2\,\)は問題に与えられているヒストグラムを見てください。
平均値を含む階級の度数が一番大きくなっていません。

図\(\,2\,\)から\(\,3\,\)年生のデータの特徴をあげると、

 平均値を含む階級の度数より度数の多い階級が、
 小さな階級と大きい階級の両方にある。

ということをいえば良いでしょう。

もっと詳しくいえばいろいろなことが言えるでしょうけど、
平均値を含む階級が最も度数が大きいとは限らない、ということを示したいわけです。

⇒ 度数分布表とは?階級の幅と階級値および累積度数とヒストグラム

ヒストグラムについては代表値の求め方から確認しておきましょう。

(4)
《ヒストグラムから読み取れること》から、ヒストグラム\(\,5\,\)つがどのクラスか決めてしまいましょう。

問題のヒストグラムを見ながら説明を見てください。
(決してヒストグラムを書くのがめんどうだからではありません。笑)

 《読み取れることその\(\,1\,\)》

 \(\,\mathrm{B,C,D}\,\)は中央値が同じ階級

中央値はデータの小さい順(または大きい順)に並べて中央にくる順番になる人の値です。

全クラス\(\,30\,\)人なので\(\,15\,\)番目と\(\,16\,\)番目の人のデータの平均が中央値になりますが、
\(\,15\,\)人目と\(\,16\,\)人目がどの階級に入っているかを見れば良いだけです。

それぞれの中央値が入っている階級は

 \(\,(Ⅰ)\,\) \(\,60\,\)以上\(\,80\,\)未満の階級
 \(\,(Ⅱ)\,\) \(\,40\,\)以上\(\,60\,\)未満の階級
 \(\,(Ⅲ)\,\) \(\,60\,\)以上\(\,80\,\)未満の階級
 \(\,(Ⅳ)\,\) \(\,40\,\)以上\(\,60\,\)未満の階級
 \(\,(Ⅴ)\,\) \(\,40\,\)以上\(\,60\,\)未満の階級

このことから\(\,\mathrm{B,C,D}\,\)は\(\,(Ⅱ)\,\)、\(\,(Ⅳ)\,\)、\(\,(Ⅴ)\,\)のどれかです。

 《読み取れることその\(\,2\,\)》

 \(\,\mathrm{B}\,\)は\(\,\mathrm{C}\,\)より範囲が狭い。

『範囲』は\(\,\color{blue}{最大値-最小値}\,\)が表す幅です。

\(\,\mathrm{B,C}\,\)は\(\,(Ⅱ)\,\)、\(\,(Ⅳ)\,\)、\(\,(Ⅴ)\,\)のどれかなのでこの3つのヒストグラムに注目すると、

 \(\,(Ⅱ)\,\) 範囲は\(\,120-0=120\,\)
 \(\,(Ⅳ)\,\) 範囲は\(\,120-0=120\,\)
 \(\,(Ⅴ)\,\) 範囲は\(\,100-20=\color{red}{80}\,\)

このことから\(\,\mathrm{B}\,\)のヒストグラムは\(\,(Ⅴ)\,\)と分かりました。

 《読み取れることその\(\,3\,\)》

 \(\,\mathrm{E}\,\)の中央値は最頻値、平均値と同じ階級に含まれる。

最頻値と中央値が一致しているのは、

 \(\,(Ⅱ)\,\)\(\,(Ⅲ)\,\)\(\,(Ⅳ)\,\)\(\,(Ⅴ)\,\)

ですが、\(\,(Ⅱ)\,\)\(\,(Ⅳ)\,\)\(\,(Ⅴ)\,\)は\(\,\mathrm{B,C,D}\,\)のどれかなので、

 \(\,\mathrm{E}\,\)のヒストグラムは\(\,(Ⅲ)\,\)です。

 《読み取れることその\(\,4\,\)》

 \(\,\mathrm{B,D}\,\)は\(\,40\,\)%以上の人が\(\,60\,\)個以上持ってきている。

\(\,30\,\)人のクラスの\(\,40\,\)%つまり、
\(\,12\,\)人以上が\(\,60\,\)個以上持ってきていることを示しているヒストグラムは、
\(\,(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅴ)\,\)の4つあります。

\(\,\mathrm{B,C,D}\,\)は\(\,(Ⅱ)\,\)、\(\,(Ⅳ)\,\)、\(\,(Ⅴ)\,\)のどれかで、

\(\,\mathrm{B}\,\)は\(\,(Ⅴ)\,\)と分かっているので、

 \(\,\mathrm{D}\,\)のヒストグラムは\(\,(Ⅱ)\,\)です。

後は《読み取れること》を見なくても、

 \(\,\mathrm{A}\,\)は\(\,(Ⅰ)\,\)
 \(\,\mathrm{C}\,\)は\(\,(Ⅳ)\,\)

と分かりますが必要ありません。


\(\,\mathrm{E}\,\)のヒストグラム\(\,(Ⅲ)\,\)において最頻値が含まれる階級です。

 答え \(\,\underline{ 60\,個以上\,80\,個未満の階級 }\,\)


もう一度度数分布表、ヒストグラムから代表値を求める方法を見直しておいて下さい。

⇒ 代表値とは?度数分布表の平均値,中央値の求め方と最頻値の答え方

平均値は総点数を総人数で割れば出てきますが、
度数分布表、ヒストグラムの場合は、その階級にいる人の点数はすべて階級値と見なします

例えば、\(\,\mathrm{D}\,\)組のヒストグラムでは
 \(\,0\,\)個以上\(\,20\,\)個未満の階級の\(\,3\,\)人は\(\,10\,\)個
 \(\,20\,\)個以上\(\,40\,\)個未満の階級の\(\,6\,\)人は\(\,30\,\)個
 \(\,40\,\)個以上\(\,60\,\)個未満の階級の\(\,9\,\)人は\(\,50\,\)個
 \(\,60\,\)個以上\(\,80\,\)個未満の階級の\(\,3\,\)人は\(\,70\,\)個
 \(\,80\,\)個以上\(\,100\,\)個未満の階級の\(\,6\,\)人は\(\,90\,\)個
 \(\,100\,\)個以上\(\,120\,\)個未満の階級の\(\,6\,\)人は\(\,110\,\)個
ということになります。

よって平均値は

 \(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{10\times 3+30\times 6+50\times 9+70\times 3+90\times 6+110\times 3}{30}\\
\displaystyle =\frac{30+180+450+210+540+330}{30}\\
\displaystyle =\frac{1740}{30}\\
=\underline{ 58 (個)}\)

\(\color{black}{\fbox{ 2 }}\)はここまでです。

聞かれていることは基本ばかりですので、
問題をじっくり読んで、分かることを次々と示していけば難しい問題ではありません。

ここまでは確実に得点しておかないと後が厳しくなりますね。

後が長くなりそうなのでここで区切ります。
(更新頻度が落ちているのはサボっているわけではありませんよ。)

⇒ 滋賀県公立高校入試2019年数学問題1.の解説

\(\color{black}{\fbox{ 1 }}\)の小問集合とこの\(\color{black}{\fbox{ 2 }}\)で時間をかけずに確実に得点しておくようにしましょう。
気がついていない人が多いですけど配点はここまでで\(\,60\,\)点あります。

⇒ 滋賀県公立高校入試問題2018(平成30年度)数学の解説

\(\,2018\,\)年も同様だったことを確認しておきましょう。

⇒ 2019年(平成31年)度滋賀県公立高校入試の数学第3問の解説

\(\color{black}{\fbox{ 3 }}\)は比例の計算に慣れている人は少しは取り組みやすいでしょうけど、
普通の受験生は簡単には解決しない問題でしょう。

詳しくすると説明が長くなりそうなので、簡単に済ませる予定です。笑

またこのページで更新を書き忘れたら申し訳ないので、

⇒ 全国の公立高校入試 数学過去問の解答解説

全国の公立高校過去問のまとめページで確認して下さい。

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