1次方程式の意味や解き方と比と比例式の利用方法の解説です。
1次方程式は中学1年で習いますが、算数の延長のようなものです。
注意して欲しいのは、一次方程式は多くの中学生が苦手にしている文章題につながるということです。
しかし、文章題は日本語を数学の言葉に置きかえるだけで、ある程度決まった手順がありますのでそんなに深く考える必要はありません。
比例式は数学に限らず理科などでも活躍しますのでしっかりおさえておきましょう。
方程式は数学の文章
そもそも、方程式自体、数学では文章なのです。
これはほかのところでも説明していますが、方程式は数学では文章としてあつかわれているのです。
つまり、日本語で書かれている文章を数学の言葉に置きかえることができれば簡単に通過できる単元です。
しかも中学1年生であつかう方程式は、一元一次方程式といって文字が1つで一次式です。
実際普通の小学生でもできています。
ところができないという人がいるのは、数学そのものが理解できていない証拠です。
数学は計算ができれば良いのではなくて、言語として見なければならないのです。
英語や他の言語と同じで単語を知らなければ分かりません。
数学も独自の記号や単語を持つ言語なのです。
それを知らずに計算することが数学だと算数の延長をしている人には、方程式は難しく感じるかもしれません。
まず、方程式とは何か、教科書に書いてある言葉を探し出して計算式と違うところを見つけて下さい。
すぐ見つかります。
文字があるかどうかです。
「方程式」というものが扱えるようになれば、
今まで算数で苦しんでいたいた人は、
ウソのように数学というものが便利なものだと気がつきますよ。
算数を一生懸命がんばって勉強してきたかもしれません。
中学受験生なんかは特にそうかもしれません。
でも、方程式を知ったとき、なんてムダな時間を算数にかけてきたんだと思うことでしょう。
(ムダではないのですが、答えを出すには時間がけた違いに違ってきます。)
この単元では、計算処理方法に時間をかけるより、
日本語の文章を数学の文章に変える練習に時間を配分した方がいいので、
学校でのんびりやっているうちに自分で先に進んで文章題に少しでも時間を回した方がいいです。
何度かやっているとパターンのようなものが見えてくるでしょう。
方程式の処理にはコツがありますが、自分なりにどうすれば早く、確実にできるか見つけ出すと良いです。
もちろんこのサイト内でもまとめています。
多少の時間はかかるかもしれませんが、学校で習う時間よりは早く、確実です。笑
時間をもっと節約したいと思う人もあせらずじっくり読んでみて下さい。
数日でコツがつかめます。
1つだけ付け加えておくと、「不等式」につながるところでもありますので、しっかりと理解し、処理方法をマスターしておくべきです。
高校になっても苦労しないためにもね。
例題は別のところで取り上げて説明しますが、学校の教科書を数題解けば十分です。
後は、日本語を数学の言葉に置きかえるだけです。
1次方程式で使われる用語
教科書に出てくる用語とまとめをしておきます。
1.1次方程式
1-(1)等式
等号を使って数量の関係を表した式を等式といいます。(等号は「=」のことです。)
=の左側を左辺、右側を右辺といいます。
\(\color{red}{2+3}=\color{blue}{1+4}\)
1-(2)不等式
不等号を使って数量の関係を表したものを不等式といいます。
(不等号は「<」「>」「≦」「≧」のことです。)
※
不等式の読み方は学校の先生によって違うかもしれないので合わせておけば良いですよ。
一般的かどうかは分かりませんが、
\(\,a\,<\,b\,\)は
\(\,a\,\)小(しょう)なり\(\,b\,\)
\(\,a>b\,\)は
\(\,a\,\)大(だい)なり\(\,b\,\)
のように左から読みます。
\(\,a≦b\,\)は
\(\,a\,\)小なりイコール\(\,b\,\)
\(\,a≧b\,\)は
\(\,a\,\)大なりイコール\(\,b\,\)
<や>と=は同時には成り立たないので、「小なり」や「大なり」と後の「イコール」の間には、英語では「または」の「or」が入ります。
詳しくは高校生になって学校の先生に聞いて下さい。
ここでは読み方もどうでも良いのでスルーして下さい。
1-(3)1次方程式と解
等式の中の文字にある値を代入し成り立つ値があれば、その等式を方程式といい、
文字式が1次のときの方程式を1次方程式といいます。
方程式を成り立たせる値を、その方程式の解といいます。
また、方程式の解を求めることを、方程式を解く、といいます。
1-(4)等式の性質および方程式を解く方法
方程式は次の等式の性質を使って解くことができます。
\( ① \color{red}{a}=\color{red}{b} ならば、\color{red}{a}+\color{blue}{c}=\color{red}{b}+\color{blue}{c} \)
\(\color{red}{7}=\color{red}{7} ならば \color{red}{7}\color{blue}{+2}=\color{red}{7}\color{blue}{+2}\)
\( ② \color{red}{a}=\color{red}{b} ならば、\color{red}{a}\color{blue}{-c}=\color{red}{b}\color{blue}{-c} \)
\(\color{red}{12}=\color{red}{12} ならば \color{red}{12}\color{blue}{-2}=\color{red}{12}\color{blue}{-2}\)
\( ③ \color{red}{a}=\color{red}{b} ならば、\color{red}{a}\color{blue}{\times c}=\color{red}{b}\color{blue}{\times c} \)
\(\color{red}{7}=\color{red}{7} ならば \color{red}{7}\color{blue}{\times 2}=\color{red}{7}\color{blue}{\times 2}\)
\( ④ \color{red}{a=b ならば、a\div c=b\div c} \)
\(\color{red}{12}=\color{red}{12} ならば \color{red}{12}\color{blue}{\div 2}=\color{red}{12}\color{blue}{\div 2}\)
\((ただし c\neq 0 )c\,は\,0\,ではない。 \)
\(\,0\,\)で割ることはできません。
2.1次方程式の解き方
2-(1)移項
等式の一方の辺(右辺、左辺のこと)にある項を、その符号を変えて、他方の辺に移すこと。
\(\begin{eqnarray}
2x\color{red}{-3}&=&7\\
2x-3\color{magenta}{+3}&=&7\color{magenta}{+3}\\
2x&=&7\color{blue}{+3}
\end{eqnarray}\)
※両辺に、符号違いの項を加えることと同じです。
2-(2)1次方程式
移項して整理すると、\(\,(1次式)=0\,\)の形になる方程式を、1次方程式といいます。
\(\begin{eqnarray}
2x+3&=&-3x-7\\
2x+3x+3+7&=&0\\
5x+10&=&0
\end{eqnarray}\)
2-(3)1次方程式の解き方
手順その1:かっこがある場合は、かっこをはずす。
手順その2:係数に小数や分数をふくむ場合は、両辺に同じ数をかけて係数を整数にする。
①\(\,x\,\)をふくむ項を左辺に、数の項を右辺に移項する。
②\(\,ax=b\,\)の形にする。
③両辺を\(\,x\,\)の係数\(\,a\,\)でわる。
これは実際にやってみた方がはやいですね。
⇒ 方程式とは?方程式の解と移項とは?基本問題の解き方(中1数学)
3.1次方程式の利用
3-(1)方程式の解から別の文字の値を求める問題。
方程式の解はその方程式を成り立たせる値なので、解を方程式に代入し、別の文字についての方程式として解きます。
⇒ 1次方程式の文章題 代入して係数を求める問題の解き方のコツ(中1)
3-(2)方程式を使って文章題を解く手順:
① 求めるものを文字で表す。
\(( x を使うことが多い。)\)
② 問題に含まれる数量を文字を使って表す。
③ 等しい関係にある数量を等号で結び方程式にする。
④ ③でできた方程式を解く。
4.比と比例式
4-(1)比の値
\( 比 a\,:\,b において、\)
\( a を b で割った値 \)
\(\displaystyle \frac{a}{b} を a\,:\,b の\color{red}{ 「比の値」}という。\)
4-(2)比を簡単にする
\( m\neq 0 のとき、\)
\( \color{red}{ a\,:\,b\,=\,am\,:\,bm }、\)
\(\displaystyle \color{red}{ a\,:\,b\,=\,\frac{a}{m}\,:\,\frac{b}{m}}\)
を利用して、比を簡単にする。
4-(3)比例式の利用
\( 比例式 \color{red}{ a\,:\,b\,=\,m\,:\,n} のとき、\)
\( \color{red}{bm\,=\,an} が成り立つ。\)
※連比においては(内項の積)=(外項の積)の関係が成り立ちます。
教科書の言葉では分かりにくいので自分で具体的な問題を解いてみて理解を深めましょう。
たぶん日本語だけでは理解できないと思います。
教科書の簡単な問題で良いですよ。
ムダに難しい問題をやる必要もありません。
⇒ 方程式とは?方程式の解と移項とは?基本問題の解き方(中1数学)
ここから方程式はマスターできます。
この1次方程式が解けないと2年生での連立方程式は解けません。
中学\(\,2\,\)年でやる連立方程式は一つひとつが\(\,1\,\)次方程式です。