共通解とは2つの方程式を同時に満たす解のことですが、2つの2次方程式が共通解をもつときの問題の解き方を説明しておきます。
2つの方程式の解がすべて求まる場合は見比べればすぐに分かりますが、解を具体的に求めずに済むやり方もあるのです。

共通解の性質

2つの方程式 \(f(x)=0\) と \( g(x)=0\) のいずれの解でもある数 \( x\) を、
これらの方程式の共通解といいます。
例えば、
 \((x+1)(x-3)=0\) の解 \( x=-1\,,\,\color{red}{3}\)

 \( (x-2)(x-3)=0\) の解 \(x=2\,,\,\color{red}{3}\)
では、\( \color{red}{x=3}\) が2つの方程式の共通解です。

上のように方程式の解をすべて求めなくてもいい性質が共通解にはあります。

 【共通解の性質】

 \( f(x)=0\,,\,g(x)=0\) が共通解 \( \alpha\) を持つとき、
 \(x=\alpha\) は \( \color{red}{mf(x)+ng(x)=0}\) の解でもある。

難しくい考えなくて良いです。
連立できるというだけのことなので例題で見てみましょう。

例題1

2つの2次方程式 
 \( x^2+ax+5=0\)
 \(x^2+x+5a=0\) 
が実数解を共有するとき、実数 \( a\) の値と共通解を求めよ。

共通解も求めることになっているので、共通解を \( \alpha\) とおきましょう。

すると \( \alpha\) は

 \( \begin{cases}
\hspace{5pt} \alpha^2+a\alpha+5=0  \cdots (1) \\ \\
\hspace{5pt} \alpha^2+\alpha+5a=0  \cdots (2)
\end{cases}\)

を同時に満たしているはずです。

(1)-(2)を計算すると、

 \( (a-1)\alpha+5(1-a)=0\\ \\
\Leftrightarrow \hspace{5pt} (a-1)\alpha-5(a-1)=0\\ \\
\Leftrightarrow \hspace{5pt} (a-1)(\alpha-5)=0\)

より、\( a=1\) または \( \alpha=5\) です。

(1)-(2) は
共通解の性質の方程式 \( mf(x)+ng(x)=0\) において、
 \( m=1\,,\,n=-1\) としていることなのですが、
単に2次の項を消すために引き算しただけです。

 \( a=1\) だとすると
2次方程式は \(x^2+x+5=0\) で一致し、
判別式 \(D=1^2-4\cdot 5=-19< 0\) より実数解は存在しません。

 \( \alpha=5\) だとすると \( 25+5a+5=0\)  
このとき \( a=-6\)
よって、
 \( \underline{a=-6}\) 共通解は \( \underline{5}\) となります。

ちなみに、\( a=-6\) を与方程式にもどすと、

 \( x^2-6x+5=0 \\ \\
\Leftrightarrow (x-1)(x-5)=0 \\ \\
\Leftrightarrow x=1\,,\,\color{red}{5}\)

 \( x^2+x-30=0 \\ \\
\Leftrightarrow (x+6)(x-5)=0 \\ \\
\Leftrightarrow x=-6\,,\,\color{red}{5}\)

となり、確かに共通解は5だけであることが確認出来ます。

この問題では共通解も求めることが要求されていたので、共通解を \(\alpha\) とおきましたが、\( x\) の方程式のまま処理しても問題ありません。

共通の実数解を持つ条件と範囲

共通解の問題では実数解の存在条件も確かめる問題が多いです。
判別式を使いますので復習しておきましょう。

例題2

2つの方程式
 \( x^2+ax+b=0\) ・・・①
 \( x^2+bx+a=0\) ・・・②
が共通の実数解を持つ条件を求めよ。

例題1と同じように(連立して)①-②を計算します。

[解答例]

 \( x\) が①,②の共通解であるとすれば、①-②より
 \( (a-b)x-(a-b)=0 \Leftrightarrow (a-b)(x-1)=0\)
 \( ∴  a=b\) または \( x=1\)

 ⅰ) \( a=b\) の場合、
①,②はともに
 \( x^2+ax+a=0\) ・・・③
となり、これが実数解を持てばよい。
 判別式 \( D=a^2-4a=a(a-4)≧ 0\)
より \( a≦ 0\,,\,4≦ a\)
 \( ∴  a=b (a≦0\,,\,4≦ a)\) ・・・④

ⅱ) \( x=1\) の場合、
①,②はともに
 \( a+b+1=0\)
このとき①,②はそれぞれ
 \((x-1)(x-b)=0 , (x-1)(x-a)=0\)
であるから、確かに \( x=1\) は共通の実数解である。
 \( ∴  a+b+1=0\) ・・・⑤

ⅰ)ⅱ)より
 \( \underline{a=b\hspace{10pt}(a≦ 0\,,\,4≦ a)\hspace{5pt},\hspace{5pt} a+b+1=0}\)

点 \( (\,a\,,\,b\,)\) が動く範囲を図示するときの軸は \( xy\) ではなく \( ab\) ですよ。

このように実数解を持つ条件がよく使われるのです。

⇒ 2次方程式の判別式(実数解の個数の見分け方と使い方)

実数解を持つ条件といえば判別式ですよね。