数学Ⅱでの複素数は単なる代数(ほぼ計算)です。
定義となる実部(実数部分)と虚部(虚数部分)の見分け方や「相等定理」などの用語を覚えておけば何とかなります。
ここが出来ていない人は数学Ⅲは選択しない方がいいと思います。
厳しいかもしれませんが「複素数平面」はきっと無理です。
複素数とは?
\( i^2=-1 を満たす i (-1の平方根)を虚数単位とするとき、\\
実数 a\,,\,b を用いて\\
\color{red}{ a+bi で表される数}\\
を複素数といいます。\)
これが複素数の定義です。
先に虚数単位という言葉が出てきてややこしいですが、
虚数単位とは、2乗して-1になる数のことで、
\(\Large{\color{red}{\hspace{7pt} i^2=-1}}\)
ということになります。
\(何故 i で表すのか?\)
\( それは i 虚数がイメージ(image)の世界の数だからです。\)
今まで中学に入ってすぐに数の世界が広がりました。
正の数と0から「負の数」へです。
中学3年の時に「無理数」の世界に広がりました。
今度は「複素数」という世界に広がります。
ご安心ください、これで終わりです。
複素数は実数、虚数両方を合わせた世界
多くの高校生に言えることなのですが、注意しておいて欲しいのは、
\(\color{red}{\hspace{7pt} 複素数は i が付く数だけではない}\)
ということ。
例えば、
\( 2+3i これは複素数です。\\
3i これも複素数ですが、\\
\color{red}{ 2(実数だけ)これも複素数の一部}なのです。\)
つまり、複素数の世界は、実数と虚数の両方を合わせた世界だということですね。
実数部分(実部)と虚数部分(虚部)
\(\hspace{7pt} 複素数 a\,+\,bi において、\\
a を実数部分(または\color{red}{ 実部})といいます。\\
b を虚数部分(または\color{red}{ 虚部})といいます。\)
間違えないようにいっておきたいのは、
\(「 a\,+\,bi において虚部を答えよ。」\)
という基本問題があったときに、
\( bi としないこと。虚部は \color{red}{ b (係数部分だけ)}です。\)
\( a=0 のとき bi となり虚数単位が残ります。\)
これを純虚数といいます。
実数部分が0ですが複素数の一部です。
\( b=0 のとき a となり虚数単位がなくなります。\)
これは実数です。
虚数部分がありませんが複素数の一部です。
分かりますか?
\( i を含もうが含むまいが複素数ですよ。\)
複素数のもう一つの定義
\(\hspace{7pt} a\,,\,b\,,\,c\,,\,d を実数とするとき、\\
\color{red}{ a\,+\,bi=\,c\,+\,di \hspace{10pt} \Leftrightarrow \hspace{10pt} a\,=\,c\,,\,b\,=\,d}\)
特に、
\(\color{red}{ a\,+\,bi=0\hspace{10pt} \Leftrightarrow \hspace{10pt} a=0\,,\,b=0}\)
これを「複素数の相等条件」といいます。
どういうことかと言うと、
2つの複素数が等しいのは、
『互いの実数部分と虚数部分がそれぞれ等しいとき』
ということです。
簡単に言えば、実部と虚部が消し合うことはない、ということですね。
用語としては「共役複素数」が残りますが、ここまで覚えておけば基本用語はいいでしょう。
共役(きょうやく)複素数の定義だけでも載せておきますので、表記(表現)方法を覚えておきましょう。
\( \hspace{7pt}複素数 \alpha =\,a\,+\,bi に対して、\\
複素数 a\,-\,bi を \alpha に共役な複素数といい、\overline{\alpha} で表す。\\
すなわち、\\
\hspace{7pt} \alpha =\,a\,+\,bi に対して \overline{\alpha}=\,a\,-\,bi\)
数学Ⅲの複素数平面もここが理解できていなければ、
この先全く分からない世界となりますので、
ここは理系文系問わずしっかりおさえて次のステップに行きましょう。
複素数の計算法則
複素数の計算法則は、実数と同じです。
\(\hspace{7pt}四則演算( +\,,\,-\,,\, \times \,,\, \div )で実数と同じように計算出来ます。\)
ただ、
\(\hspace{7pt}\color{red}{ i^2 が出てきたら-1と置きかえる}\)
ことは忘れないで下さい。
簡単にですが複素数の定義をまとめて見ました。
新しい数の概念なので覚えるしかありませんよ。
数学が世界共通の言語であるということは忘れないで下さいね。
以上がインプットできたらで次のステップに進んで下さい。
⇒ 1の立方根(3乗根)のω(オメガ)の性質と関係式の使い方
1の立方根では複素数と共役な複素数との関係式がポイントになります。
ただ、実際に使う関係式はたった2つ、と考えていても良いですよ。