対数の計算公式を一覧にしておきます。
底の変換と真数の掛け算割り算を変形できれば計算問題は解けますので、方針さえ固定してしまえばそれほど難しいところではありません。
最近では電卓などが計算してくれるので必要無いかというと入試ではこの基本的なことが大切になるのです。

対数の計算は、微分積分に関係しないところでは非常に簡単です。
しかし、基本的なことが抜けていると理解しにくいので確認しておきましょう。
指数同様、方針を1つにすることで計算を楽にしてくれます。

「定義」は飛ばして「定理」からでも計算できるようになります。
「定義ぐらい知っている」という時間が無い人は「定理」からでいいです。

対数の定義と注意点

先ずは定義を確認しておきましょう。

 【対数の定義】

 \( a>0 , a\neq 1\) のとき

 \( P=\log_aN  \Leftrightarrow  a^p=N\)

正の数 \( N\) に対し、\(a^p=N\) を満たす実数 \( p\) がただ1つ存在します。

このとき、\( a\) を「底(てい)」といい、\(p\) を正の数 \(N\) の対数といいます。

 \( P=\log_aN\)

の \( N\) を「真数(しんすう)」といいます。

この説明は省略します。

 \( 2^3=8\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_2 8=3\)

この数字の位置関係だけ覚えておけば大丈夫です。笑

 \( y=a^x \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_a y=x\)

この \( x , y\) を入れ換えたものが対数関数です。
だから、指数関数と対数関数は逆関数( \( y=x\) に対称)の関係にあるのです。

ただ、2つだけ注意しておいてください。

対数を用いるとき \(\log_aN\) において

 \( a>0 , a\neq 1 , N>0\) ・・・①

です。
①は底と真数条件を示しています。

もう一つは数学Ⅲをやっていない人にとっては意味がわからないかもしれませんが、一応書いておきます。
ここは飛ばしても良いので気にしないでください。

「底が10」の「常用対数」 \(\log_{10} N\) のときは底を省略しないでください。

ちょっと(かなり?)前には常用対数の底を省略して
 \(\log_{10} N=\log N\) と書いていましたが、
底を省略した対数は「自然対数」という「底を \( e=2.71\cdots\) 」とした対数を意味するので、
 ( \(\log_e N=\log N\) )
今では常用対数の底は省略しません。
(化学でも常用対数は、底を省略しないのが普通です。)

どちらにしても対数の底は省略せずに書くようにしておきましょう。
もし、省略されている場合は、\( \log x=\log_e x\) の意味です。

さて、これから計算問題が解けるようになる方法です。
いいですか?
いろいろな方法を知っておくことは大切ですが、1つでもいいので自分の突っ走れる方法を持っておくことです。

ここでも方針は1つです。

底をそろえる

それだけです。
なんだ?と思うでしょうね。
でも、それができていないから、問題が解けないんです。

定理(公式)を確認して例題に入りましょう。

対数の定理(公式)一覧

教科書にもあることなので一覧にして進みます。
教科書に出てくる順番とは違うかもしれませんが気にしないでください。
すべて使いますのでこれだけは証明しなくても覚えて使えるようになってください。

 【対数の法則および定理】

 \(x , y\) は正の数、\( m\) は実数とします。

 \( \log_a a=1\)

 \( \log_a 1=0\)

 \( \log_a (xy)=\log_a x+\log_a y\)

 \( \log_a (x^m)=m\log_a x\)

 \( \log_a \displaystyle \frac{x}{y}=\log_a x-\log_a y\)

 \( \log_a \displaystyle \frac{1}{x}=-\log_a x\)

 【底の変換公式】

任意の正の数 \( N\) に対し、\( a , b\) とすると

 \(\displaystyle\log_a N=\frac{\log_b N}{\log_b a}\)

この公式から

 \( \log_a b=\displaystyle \frac{1}{\log_b a}\)

 \( \log_{a}b \cdot\log_{b}c \cdot \log_{c}d=\log_{a}d\)

もう一つ

  \( \displaystyle a^{\,\log_{a}b}=b\)

例題の中でも説明はしますがこれだけあれば十分です。
証明は定義に戻ればすぐにできますので省略します。

中には、

  \(\displaystyle \log_a \color{red}{\frac{x}{y}}=\log_a{(\color{red}{x\cdot y^{-1}})}=\log_a x-\log_a y\)

のように指数法則を合わせれば覚えなくても良いものもありますが、
これくらいは覚えておきましょう。

後は大小関係ですが、グラフをやってからの方が分かり易いので、
グラフのところで取り上げることにします。

底がそろっている対数計算の例題と解き方

前書きが長くなりましたがここからがお伝えしたいところです。

例題1

次の計算をせよ。

(1) \( \log_{10} 8+\log_{10} 400-5\log_{10} 2\)

(2) \( \log_{2} (\sqrt{7}+\sqrt{3})+\log_{2} (\sqrt{7}-\sqrt{3})\)

(3) \(\displaystyle \frac{1}{2}\log_{3} \frac{1}{2}-\frac{3}{2}\log_{3} \sqrt[3]{12}+\log_{3} \sqrt{8}\)

指数がなく対数の計算になっているように見えますが、
指数の計算は真数部分に含まれています。

指数のときの方針と同じで

  「根号を残さず指数に変えて計算する。

というポイントを抑えて考えれば教科書程度の基本となります。

指数の計算でもいっているので重複することになるかもしれませんが、
指数の計算問題は、基本的には、根号を残したままにしないで、指数に直して計算するようにしておいてください。

では、対数計算にはいります。

(1) \( \log_{10} 8+\log_{10} 400-5\log_{10} 2\)

これは基本中の基本ですが、底がそろっているので、
「対数の足し算は真数のかけ算」

 \( \log_a (xy)=\log_a x+\log_a y\)

「対数の引き算は真数の割り算」

 \( \log_a \displaystyle \frac{x}{y}=\log_a x-\log_a y\)

の逆の形の確認です。

 \( \log_{10} 8+\log_{10} 400-5\log_{10} 2\\ \\
=\log_{10} 8+\log_{10} 400-\log_{10} 2^5\\ \\
=\log_{10}(8\times 400\div 2^5)\\ \\
=\log_{10}(100)\\ \\
=\log_{10} 10^2\\ \\
=2\log_{10} 10=\underline{2}\)

(2) \( \log_{2} (\sqrt{7}+\sqrt{3})+\log_{2} (\sqrt{7}-\sqrt{3})\)\)

これも底がそろっているので「対数の足し算は真数の掛け算」です。

 \( \log_{2} (\sqrt{7}+\sqrt{3})+\log_{2} (\sqrt{7}-\sqrt{3})\\ \\
=\log_{2} \{(\sqrt{7}+\sqrt{3})(\sqrt{7}-\sqrt{3})\}\\ \\
=\log_{2} (7-3)\\ \\
=\log_{2} 4=\log_{2} 2^2=2\log_{2} 2=\underline{2}\)

いつもこんなにていねいにやっていたら時間がかかりすぎます。
慣れている人は途中の計算は飛ばして良いところもありますので適当に合わせてください。
ただ、暗算はあまりしない方がミスは減ります。

(3) \(\displaystyle \frac{1}{2}\log_{3} \frac{1}{2}-\frac{3}{2}\log_{3} \sqrt[3]{12}+\log_{3} \sqrt{8}\)

先程からいっていますが、対数や指数では底をそろえることを基本にしておきましょう。

ここでも底はそろっているので、「真数のかけ算割り算」です。
対数では、「係数は真数の指数」であることは確認しておいてください。

 \( m\log_a x=\log_a (x^m)\)

計算です。
「底が3」なので「真数も底が3の指数」で表したいところですよね。
  
 \( \displaystyle \frac{1}{2}\log_{3} \displaystyle \frac{1}{2}-\displaystyle \frac{3}{2}\log_{3} \sqrt[3]{12}+\log_{3} \sqrt{8}\\ \\
=\log_{3} \left\{\left(\displaystyle \frac{1}{2}\right)^\frac{1}{2}\div(12)^{\frac{1}{3}\times \frac{3}{2}} \times 8^\frac{1}{2}\right\}\\ \\
=\log_{3} \left\{\left(\displaystyle \frac{1}{2}\right)^\frac{1}{2}\div(12)^{\frac{1}{2}} \times 8^\frac{1}{2}\right\}\)

です。
真数部分がややこしそうに見えますが、根号をなくして指数に統一し、通常の計算をすれば良いだけです。
真数部分だけを見ると指数が同じなので

 \( \left(\displaystyle \frac{1}{2}\div 12 \times 8\right)^\frac{1}{2}\\ \\
=\left(\displaystyle \frac{1}{3}\right)^\frac{1}{2}=(3^{-1})^\frac{1}{2}=3^{-\frac{1}{2}}\)

なので

 \( \log_{3} \left\{\left(\displaystyle \frac{1}{2}\right)^\frac{1}{2}\div(12)^{\frac{1}{2}} \times 8^\frac{1}{2}\right\}\\ \\
=\log_{3} 3^{-\frac{1}{2}}=-\displaystyle \frac{1}{2}\log_{3} 3=\underline{-\displaystyle \frac{1}{2}}\)

指数計算でやったように、
素因数分解で基本通りでももちろん良いですよ。

 \( (2^{-1})^\frac{1}{2}\div (2^2\times 3^{\frac{1}{2}})\times (2^3)^{\frac{1}{2}}\\ \\
=2^{-\frac{1}{2}}\div (2^1\times 3^\frac{1}{2})\times 2^{\frac{3}{2}}\\ \\
=2^{(-\frac{1}{2}-1+\frac{3}{2})}\div 3^{\frac{1}{2}}\\ \\
=1\div 3^{\frac{1}{2}}=\displaystyle \frac{1}{3^{\frac{1}{2}}}=3^{-\frac{1}{2}}\)

底が真数と一致する場合が非常に多いです。
違えば答は対数を含んだままになりますからね。

底がそろっていない対数計算問題

次は底がそろっていない場合の問題ですが、
底をそろえることを最初にやっておけば後は例題1と同じです。
ちょっと違う(4)タイプも入れておきました。

例題2

次の計算をせよ。
(1) \(\displaystyle \log_{2} 27+\log_{4} 9+\log_{2}\frac{1}{9}\)

(2) \( \log_{3} 4\cdot \log_{8} 9\)

(3) \( (\log_{4} 3+\log_{8}3)(\log_{3} 2+\log_{9} 2)\)

(4) \( \displaystyle 9^{\log_{3} 7}\)

例題1でもいっていますが、指数・対数の「計算」であっても、
関数として扱うようになるので、底をそろえることを基本にして下さい。

(1)底がそろっていません。

 「底の変換公式」

 \( \log_{a} b=\displaystyle \frac{\log_{c} b}{\log_{c} a}\)

 \( \log_{a} b=\displaystyle \frac{1}{\log_{b} a}\) 

が利用出来ます。

 \( \log_{4} 9=\displaystyle \frac{\log_{2}9}{\log_{2}4}=\displaystyle \frac{\log_{2}3^2}{\log_{2}2^2}=\displaystyle \frac{2\log_{2}3}{2\log_{2}2}\\ \\
=\displaystyle \frac{\log_{2}3}{1}=\log_{2}3\)

と部分的に底の変換が出来ます。
底を2にしたのは他の項の底が2であったからで、
すべての底を10にするということも出来ますが遠回りですよね。

全体は

 \( \log_{2} 27+\log_{4} 9+\log_{2}\displaystyle \frac{1}{9}\\ \\
=\log_{2} 3^3+\log_{2} 3+\log_{2}3^{-2}\\ \\
=3\log_{2}3+\log_{2}3-2\log_{2}3\\ \\
=(3+1-2)\log_{2} 3\\ \\
=\underline{2\log_{2}3}\)

(2)
対数の積の場合計算公式

 \( \log_{a}b \cdot\log_{b}c \cdot \log_{c}d=\log_{a}d\)

があって、底の変換を繰り返した結果です。

 \( \log_{a}\color{red}{b} \cdot\log_{\color{red}{b}}\color{blue}{c} \cdot \log_{\color{blue}{c}}d\\ \\
\displaystyle=\log_{a}\color{red}{b}\times \frac{\log_{a}\color{blue}{c}}{\log_{a}\color{red}{b}}\times \frac{\log_{a}d}{\log_{a}\color{blue}{c}}\\ \\
=\log_{a}d\)

と、これを繰り返すことも出来ます。
前にある対数の「真数」、とかける対数の「底」が一致していることに注目です。

証明は簡単で、上の様に底をそろえて変換してやれば、終わります。

(2)では真数と底が一致していないように見えます。
しかし、

 \( 4=2^2\,,\,8=2^3\)

と見れば、この2つの数は底は同じです。

対数の底を3にそろえる変換を行うと、

 \( \log_{3}4\cdot \log_{8}9\\ \\
=\log_{3}2^2\cdot \displaystyle \frac{\log_{3}3^2}{\log_{3}2^3}\\ \\
=2\log_{3}2\cdot \displaystyle \frac{2\log_{3}3}{3\log_{3}2}\\ \\
=\displaystyle \frac{2\log_{3}2\times 2\log_{3}3}{3\log_{3}2}\\ \\
=\underline{\displaystyle \frac{4}{3}}\)

と、底をそろえることを基本にしておけば容易です。
係数の2,3と真数の2,3の見分けを間違えないようにして下さい。
真数と係数や真数どうしの約分はできません。

(3) \( (\log_{4} 3+\log_{8}3)(\log_{3} 2+\log_{9} 2)\)

は(1)(2)の確認問題です。

底がバラバラなのでそろえます。
底を何にするかは自分で決めて良いですよ。結果は変わりません。
今回は底を3でそろえてみます。

 \( (\log_{4} 3+\log_{8}3)(\log_{3} 2+\log_{9} 2)\\ \\
=\left(\displaystyle \frac{\log_{3}3}{\log_{3}4}+\displaystyle \frac{\log_{3}3}{\log_{3}8}\right)\left(\displaystyle \frac{\log_{3}2}{\log_{3}3}+\displaystyle \frac{\log_{3}2}{\log_{3}9}\right)\\ \\
=\left(\displaystyle \frac{1}{\log_{3}2^2}+\displaystyle \frac{1}{\log_{3}2^3}\right)\left(\displaystyle \frac{\log_{3}2}{1}+\displaystyle \frac{\log_{3}2}{\log_{3}3^2}\right)\\ \\
=\left(\displaystyle \frac{1}{2\log_{3}2}+\displaystyle \frac{1}{3\log_{3}2}\right)\left(\displaystyle \frac{\log_{3}2}{1}+\displaystyle \frac{\log_{3}2}{2\log_{3}3}\right)\\ \\
=\left(\displaystyle \frac{1}{2\log_{3}2}+\displaystyle \frac{1}{3\log_{3}2}\right)\left(\displaystyle \frac{\log_{3}2}{1}+\displaystyle \frac{\log_{3}2}{2}\right)\\ \\
=\underline{\underline{\displaystyle \frac{\log_{3}2}{2\log_{3}2}
+\displaystyle \frac{\log_{3}2}{2\log_{3}2\times 2}
+\displaystyle \frac{\log_{3}2}{3\log_{3}2}
+\displaystyle \frac{\log_{3}2}{3\log_{3}2\times 2}}}\\ \\
=\displaystyle \frac{1}{2}+\displaystyle \frac{1}{4}+\displaystyle \frac{1}{3}+\displaystyle \frac{1}{6}\\ \\
=\displaystyle \frac{6+3+4+2}{12}=\displaystyle \frac{15}{12}=\underline{{5}{4}}\)

二重線の展開がややこしく見えますが、
自分で展開して見ると、実は簡単だとわかります。

 \(\color{red}{\log_{3}2=a}\) とでもおいて展開するとあっという間です。
あ、通分よりは展開を先にした方が楽ですよ。

底は何でも良いので、底を2にそろえても同じ結果が得られることを自分で確認して下さい。

(4) \(\displaystyle 9^{\,\log_{3} 7}\)

これが一番忘れやすいかな?

指数に対数があるときの公式は、

 \( \displaystyle a^{\,\log_{a}b}=b\)

です。
対数の定義から簡単に導ける公式ですが、他にも

 \( \displaystyle a^{\,\log_{a}b}=\color{red}{x}\) とおいて、

底を \( a\) とする両辺の対数をとると

 \( \displaystyle \log_{a}a^{\,\log_{a}b}=\log_{a}x\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_{a}b=\log_{a}x\)

つまり

 \( \displaystyle b=x \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b=a^{\,\log_{a}b}\)

これを覚えていたとして公式利用すると、

 \( \displaystyle 9^{\,\log_{3}7}=(3^2)^{\,\log_{3}7}\\ \\
=3^{\,2\log_{3}7}\\ \\
=3^{\,\log_{3}7^2}\\ \\
=7^2=\underline{49}\)

別の解法としては、公式を導いたときのように

 \( \displaystyle 9^{\,\log_{3}7}=x\)

とおいて、両辺の対数を取ります。底は3がいいですね。
すると、

 \( \displaystyle \log_{3} 9^{\,\log_{3}7}=\log_{3}x\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_{3} (3^2)^{\,\log_{3}7}=\log_{3}x\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_{3} 3^{\,2\log_{3}7} = \log_{3}x\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 2\log_{3}7= \log_{3}x\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_{3}7^2=\log_{3}x\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} x=49\)

と計算出来ます。

求めたいものを文字で置く、これはいつになっても使えますね。

⇒ 指数の掛け算や割り算や分数の計算問題の解き方

対数計算と指数計算はセットでやっておきましょう。
それほど難しい問題は出ないので、基本をおさえておけば目標点は取れるようになります。
例えこの分野の目標点が満点でもです。
ただし、

⇒ 指数不等式の解き方と指数関数のグラフの利用

⇒ 対数方程式の解き方と対数関数のグラフの書き方

グラフの概形が書けることは必要事項になります。