指数の範囲を掛け算や割り算、分数まで広げた計算問題の解き方です。
つまり指数の部分を有理数までの数字で計算をするということですが、基本は中学のころやっている自然数の場合と同じです。
ただ、指数関数としてあつかうのでちょっとしたコツでこの単元は簡単になります。

指数計算のコツ

先ず始めにお伝えしておきますが、
指数の計算のコツは、「根号を使わない」ということです。

根号の意味は説明しますが計算では使う意味はほとんどありません。
根号のまま計算をすれば楽なことはあるし、根号を使って答を書くこともあります。
しかし、
指数関数としてあつかう限りできる指数計算に根号は必要無いのでやることを減らしましょう。

基本的なこともおさえなければならないので説明は加えますが、
例題の中で必要な内容を取り上げながら進めましょう。

例題1
次の計算をせよ。
(1)

 \( \sqrt{16}\times \sqrt[5]{32}\div\sqrt[3]{-\sqrt{64}}\)

(2)

 \( \sqrt[3]{81}+\sqrt[3]{-24}+\sqrt[3]{\displaystyle \frac{1}{9}}\)

指数計算に慣れていない人にとっては、
「いきなりこれ?」
となるかもしれませんが、基本通りやれば同じです。

根号の外し方の練習からしても良いのですが、
回りくどいのではじめから指数関数を意識して根号を指数に換えましょう。

指数計算の進め方

何から始めるかというと、「素因数分解」です。
指数関数では底は1つで考えます。
だから指数計算でもできるだけ底を減らす方向で進めます。

(1)の底になっている数字をすべて素因数分解しておきます。

 \( 16=2^4\,,\,32=2^5\,,\,64=2^6\)

です。

ここで根号の説明をしておきます。

 \( \sqrt{16}\) のルートの左上には「2」という数字が省略されています。
 \( \sqrt[\color{red}{2}]{16}\) ということです。

この「2」は2乗根(平方根)を意味します。
 \( \sqrt[3]{a}\) は \( a\) の3乗根という意味です。

 \( \sqrt[n]{a}\) は「 \( a\) の \( n\) 乗根」で、
 \( \color{red}{n 乗すると a になる数}\) という意味になります。

この \(n\) 乗根を指数で表すと

 \(\large{ \displaystyle{\color{red}{\sqrt[n]{a}=a^{\frac{1}{n}}}}}\)

なので先ずはこれを覚えておきましょう。
後は今までと同じで大丈夫です。
文字で表すとややこしいのですが定義を書いておきます。

指数が分数の場合の見方

[分数指数の累乗]

 \( m\,,\,n\) を自然数とするとき,
分数指数の累乗 \( a^\frac{m}{n}\) は,

 \(a^\frac{m}{n}=\sqrt[n]{a^m}\)

これで分数(有理数)で定義されたことになるので後は使うだけです。

 \(a^m\) を1つの数 \( b\) だとみれば、

 \( \sqrt[n]{b}=b^{\frac{1}{n}}\)

となるので累乗根の左上の数字を分母にして、指数にすれば良いだけです。

間違えやすいのは

 \( a^{-n}=\displaystyle \frac{1}{a^n}\)

です。

 \( a^{-1}=\displaystyle \frac{1}{a}\)

なので、

累乗根のときは指数の分母になる

 \( \sqrt[n]{b}=b^{\frac{1}{n}}\)

マイナスの指数は全体が分母になる

 \( a^{-n}=\displaystyle \frac{1}{a^n}\)

ということを間違えないようにして下さい。

実際の数字でやってみましょう。

(1)

 \( \sqrt{16}\times \sqrt[5]{32}\div\sqrt[3]{-\sqrt{64}}\\ \\
=\sqrt{2^4}\times \sqrt[5]{2^5}\div\sqrt[3]{-\sqrt{2^6}}\\ \\
=(2^4)^\frac{1}{2}\times (2^5)^\frac{1}{5}\div \sqrt[3]{-(2^6)^\frac{1}{2}}\\ \\
=2^2\times 2^1\div \sqrt[3]{-(2^3)}\\ \\
=2^2\times 2^1\div \{-(2^3)^\frac{1}{3}\}\\ \\
=4\times 2\div (-2)=\underline{-4}\)

すべてを指数で表そうとすれば上手くいきます。

説明を加えておくと、

 \( \sqrt[3]{-\sqrt{64}}=-\sqrt[3]{8}=-2\)
 \( \sqrt[3]{-125}=-\sqrt[3]{125}=-5\)
 \( \sqrt[5]{-\sqrt{10}}=-\sqrt[5]{10}\)

のように

 \(a>0\) で \(n\) (累乗根を表す数字)が奇数のとき

 \( \color{red}{\sqrt[n]{-a}=-\sqrt[n]{a}=-a^\frac{1}{n}}\)

が一般的に成り立ちます。

こんな説明より問題を見ていった方が分かり易いです。
方針は、根号を使わない、です。

(2)今度は先に累乗根の部分を分数にしてみます。

 \( \displaystyle \sqrt[3]{81}+\sqrt[3]{-24}+\sqrt[3]{\displaystyle \frac{1}{9}}\\ \\
=(81)^\frac{1}{3}+(-24)^\frac{1}{3}+\left(\displaystyle \frac{1}{9}\right)^{\frac{1}{3}}\\ \\
=(3^4)^\frac{1}{3}-(2^3\times 3)^\frac{1}{3}+(9^{-1})^{\frac{1}{3}}\\ \\
=3^\frac{4}{3}-(2^{3\times \frac{1}{3}}\times 3^\frac{1}{3})+(9)^{-\frac{1}{3}}\\ \\
=3\times 3^\frac{1}{3}-2\times 3^\frac{1}{3}+(3^2)^{-\frac{1}{3}}\\ \\
=3\times 3^\frac{1}{3}-2\times 3^\frac{1}{3}+3^{-\frac{2}{3}}\)

ここまでは、これほどていねいにする必要は無いので見た目以上に楽な計算です。
ただ、

 \(\displaystyle 3^{-\frac{2}{3}}=\frac{1}{3^{\frac{2}{3}}}=\frac{\color{red}{3^{\frac{1}{3}}}}{3^{\frac{2}{3}}\cdot \color{red}{3^{\frac{1}{3}}}}=\frac{3^{\frac{1}{3}}}{3}\)

の分母の有理化ができるかどうかです。

根号計算でもいい

無理だと思ったら根号のまま計算できるようになるまでひたすら練習問題を解いてください。

 \( \displaystyle \sqrt[3]{81}+\sqrt[3]{-24}+\sqrt[3]{\displaystyle \frac{1}{9}}\\ \\
=3\times 3^\frac{1}{3}-2\times 3^\frac{1}{3}+3^{-\frac{2}{3}}\\ \\
=3\times 3^\frac{1}{3}-2\times 3^\frac{1}{3}+\displaystyle \frac{1}{3}\times 3^{\frac{1}{3}}\\ \\
=\left(3-2+\displaystyle \frac{1}{3}\right)\cdot 3^{\frac{1}{3}}\\ \\
=\underline{\displaystyle \frac{4}{3}\cdot 3^{\frac{1}{3}}}=\underline{\displaystyle \frac{4}{3}\sqrt[3]{3}}\)

答は指数でも根号でも同じ意味です。
問題に指定が無ければどちらでもかまいません。

底となる部分を素因数分解して、根号を無くして計算する、です。
ちなみに、「」とは
 \(y=a^x\) の \( a\) のことです。

ここが乗り越えられたら指数の計算はできます。

ややこしそうに見える問題もたいしたことありませんよ。

例題2
次の計算をせよ。

(1)

 \( \left\{\left(\displaystyle \frac{25}{9}\right)^{\frac{2}{3}}\right\}^{-\frac{3}{4}}\)

(2)

 \( (\sqrt[4]{8}\times 32^{\frac{1}{2}})^2\div \left(\displaystyle \frac{1}{16}\right)^{-\frac{5}{8}}\)

(1)

 \( \left\{\left(\displaystyle \frac{25}{9}\right)^{\frac{2}{3}}\right\}^{-\frac{3}{4}}\\ \\
=\left\{\left(\displaystyle \frac{5^2}{3^2}\right)^{\frac{2}{3}}\right\}^{-\frac{3}{4}}\\ \\
=\left\{(5^2\cdot3^{-2})^{\frac{2}{3}}\right\}^{-\frac{3}{4}}\\ \\
=(5^2\cdot3^{-2})^{\frac{2}{3}\times \left(-\frac{3}{4}\right)}\\ \\
=(5^2\cdot3^{-2})^{-\frac{1}{2}}\\ \\
=5^{2\times(-\frac{1}{2})}\cdot 3^{(-2)\times (-\frac{1}{2})}\\ \\
=5^{-1}\cdot 3^1\\ \\
=\displaystyle \frac{1}{5}\cdot 3=\underline{\displaystyle \frac{3}{5}}\)

底を触るより指数を先に

 \( \left\{\left(\displaystyle \frac{25}{9}\right)^{\frac{2}{3}}\right\}^{-\frac{3}{4}}=\left(\displaystyle \frac{25}{9}\right)^{\frac{2}{3}\times \left(-\frac{3}{4}\right)}=\left(\displaystyle \frac{25}{9}\right)^{-\frac{1}{2}}\)

とした方が簡単ですね。

 \( \left(\displaystyle \frac{25}{9}\right)^{-\frac{1}{2}}=\left(\displaystyle \frac{9}{25}\right)^{\frac{1}{2}}=\displaystyle \frac{3}{5}\)

とするとはやいです。

計算できるようになるコツは、
人の計算をながめていてもダメ
ということ。
自分でやってみることです。

(2)

 \( (\sqrt[4]{8}\times 32^{\frac{1}{2}})^2\div \left(\displaystyle \frac{1}{16}\right)^{-\frac{5}{8}}\\ \\
=(2^{\frac{3}{4}}\times 2^{\frac{5}{2}})^2\div (2^{-4})^{-\frac{5}{8}}\\ \\
=2^{\frac{3}{2}}\times 2^5\div 2^{\frac{5}{2}}\\ \\
=2^{\left(\frac{3}{2}+5-\frac{5}{2}\right)}\\ \\
=2^4=\underline{16}\)

根号を使った計算はできた方が良いですよ。
ただ、指数関数をあつかうようになるので指数だけで処理できるようにしておきました。

 \( \large{\color{red}{a^m\times a^n=a^{m+n}}}\)

 \( \large{\color{red}{a^m\div a^n=a^{m-n}}}\)

 \( \large{\color{red}{(a^m)^n=a^{mn}}}\)

などの基本的なことはチェックしておきましょう。

それと

 \(\Large{ \color{red}{a^0=1}}\)

と定義されますので忘れないでください。

⇒ 対数の計算公式一覧(底の変換と真数の掛け算・割り算の変形のしかた)

これができていれば対数計算は楽になります。

⇒ 指数関数と対数関数の要点

指数対数の要点をまとめています。