数学の問題を解く際には速読の力は必要ないのでしょうか。
普通に考えて速読は国語には必要でも数学には必要無いと考えますよね。
しかし、県立高校入試の数学でも次のような問題が多くなっています。
共通テストの数学にも速読は必要無いと思いますか?


数学の問題は長文化してくる

これは10問中の1問ですが、この問題のんびり読んでいて良いのでしょうか。

まずは問題を見てください。
読み取らなくて良いです、解きませんから。
どれくらい長いのかを見てください。

---ここから---

次は、SさんとTさんの会話の一部である。これを読んで、下の(1)~(3)に答えなさい。

Sさん:
江戸時代に書かれた和算書『勘者御伽双紙(かんじゃおとぎそうし)』の中に
「さっさ立て」という遊びがあるけど、やってみない?

Tさん:
どんな遊びなの?

Sさん:
最初に30個の碁石(ごいし)と2つの空(から)の箱A,Bを用意するよ。
Tさんは「さあ」と声をかけ出しながら、かけ声1回につき、
碁石を2個か3個手に取って、2個取ったら箱Aに、3個取ったら箱Bに入れてね。
そのとき、最初に用意した30個の碁石は残さず全部どちらかの箱に入れてね。
碁石を全部入れ終わったあとで、箱Aに入れた碁石の個数をあててみせるよ。
私は、箱の中が見えないように後ろを向いておくからね。

Tさん:
遊び方はわかったよ。では、始めるよ。
さあ、さあ、・・・・、さあ
Sさん、全部入れたよ。

Sさん:
Tさんは、11回「さあ」と言ったから、箱Aに入れた碁石の数は・・・
わかった!

(1)会話のように「さっさ立て」をしている途中で、
箱Aに2個、箱Bに9個碁石が入っているとき、
それまでにTさんが言った「さあ」のかけ声の回数を求めなさい。

(2)『勘者御伽双紙』には、最初の技師の個数と「さあ」のかけ声の回数を使って、
箱Aに入れた碁石の個数が求まられることが書いてある。
会話のように「さっさ立て」をしたあとで、Tさんは、
Sさんから、『勘者御伽双紙』に書いてあるこの求め方を教えてもらった。
さらに、Tさんは、次のように考察した。

Tさんの考察
箱Aに入れた碁石の個数は、連立方程式を使って求めることができる。
箱Aに碁石を入れた回数をx回、箱Bに入れた回数をy回とすると、
x+y=11
2x+3y=30

この連立方程式を解くことにより、箱Aに入れた碁石の個数を計算出来る。
ところで、この連立方程式を、yの係数をそろえてyを消去して解くと、
Sさんから教えてもらった『勘者御伽双紙』に書いてある次の求め方との関連性がわかる。

<『勘者御伽双紙』に書いてある求め方>
箱Aに入れた碁石の個数は、「さあ」のかけ声の回数を(ア)倍した数から最初の碁石の個数をひいて、
その差を(イ)倍すると求められる。

Tさんの考察において、次の①、②に答えなさい。
①下線部について、箱Aに入れた碁石の個数を求めなさい。
②(ア)、(イ)にあてはまる数を求めなさい。

(3)会話の中の「さっさ立て」では、
用意した30個の碁石を全部入れ終わるまでの「さあ」のかけ声の回数は11回であったが、
「さあ」のかけ声の回数はほかの場合も考えられる。
30個の碁石を全部入れ終わるまでの「さあ」のかけ声の回数は、
11回の場合もふくめて、何通りあるか。求めなさい。

---ここまで---

(引用:2013山口県立高校入試)

見やすくするために適当に改行していますが、
実際に問題を見ると遠慮したくなる問題です。笑

 「『勘者御伽双紙』ってなんだよ。
って最初に思いませんでしたか?
 「問題と関係ある?
とも後にあれば思いませんでした?
そもそも、中学生だと
 「長すぎ!
って思いますよね。笑

これが10問中の1問です。

均等に時間を振り分けたとすると、
この問題は5分くらいで解かなければならないことになります。

ざっと1000文字以上

実は大学入試の問題から引用しようと思ったのですが、
この3倍あって入力がたいへんだったのでやめました。(笑)

この県立高校の入試は問題自体は基本的なものです。
難しくはないのですが中学生にとってはこれほど長い文章題だと、
とりつきにくい、のではないでしょうか?

数学では、図や表も入れてあるので文書以外でも情報がたくさんあります。

文章を読むのに時間をかけたくない、
というか「もっと短い文章にしてくれ!」というのが本音じゃないですか?(笑)

でもいくなお願いしても問題文を短くはしてくれませんよ。

文章題は捨てているという人もいるかも知れませんが、
実は長い文章題というのは難易度としては高くない問題が多いです。

大学入試の場合は本当に難しい問題もありますのですべてとは言えません。

でも、高校入試の場合は、文章が長くても、
「条件を読み取って、数学的に処理できますか?」
というのを聞いてくる基本問題が多いです。

問題を読み取る時間より解答時間

数学では問題を読む時間より、
方針を立てる、
計算する時間、の方が多く必要なのは間違いありません。

だから読むことに時間を取られていては、
解ける問題も解けずに苦手な数学ではそれが悪循環になります。

問題読むスピードは遅いけど、
方針を立てる数学の知識は十分、
計算スピードもかなり速い方なのでカバー出来る。

そういう人は今のままでいいでしょう。

しかし、読むのも遅い、計算スピードも遅い、
という人はかなり苦戦する方向で問題の傾向が変わっています。

つまり文章が長くなっているということです。

短い文章のように見えて、実は表や図が入っていて読み取りに時間のかかる問題も多いです

そこで、ほんの少しでも読むスピードは上げておいた方が数学でも有利だと思い提案したいのが速読です。

達人の域まで速くなる必要は全くない

数学では「ものすごく読むのが速い」という達人の域まで速読をこなす必要はありません。

今よりちょっと早くなれば相当な効果があります。

速読は他の教科にも活かせます。

社会に出てもその能力は活かせます。

一生ものと考えると自分への投資としては非常に効果の高いものですね。
ただ、速読講座は高いものでは数十万円します。

それなりに時間をかけて習得するコースが多いので、
時間もあまりない受験生には向いていません

そこで、

⇒ 【試験に役立つ左脳型速読術】

ですが、

1時間でも無駄にしたくないという人は仕方ないですが、
この速読にかける1時間は、今後の人生で、一体どれくらいの時間を生み出してくれるのでしょうか?

共通テストの数学が長文化する

共通テストの数学問題を見たことありますか?

センター試験の数学と比べると何が違うか。

先ず、数学ⅠAで記述解答が入ります。
大した記述をしなければならないわけではありません。
場合分けをきっちりできればおおよそ大丈夫です。

でも、そこしか気にしていない人は共通テストで失敗します。
なぜなら、問題文が長くなっていることに気がついていないからです。

英語の長文問題が苦手という人多いですよね。
もちろん基本的なことが理解できていないと読み取ることはできないのですが、
読み取るのに時間がかかってしかたがない、という人も多いでしょう。

数学でも同じことが起こってきます。
共通テストの数学ⅠAは長文化する、と考えていていい。

いずれ変わるかもしれませんが、
試作問題、プレテストでは明らかに問題文を読むことに時間がかかります。

数学ⅡBはそれほどセンター試験と変わっていないのですが、
得点がⅡBの方が割と安定していることを考えても、
この点には十分気をつけて、対策が必要だと言えます。

⇒ 【試験に役立つ左脳型速読術】

お勧めしておきます。