漸化式にルートがついた形をしたパターンの解き方です。
指数・対数関数でしっかり基礎を身につけている人にとっては通常の作業になるので物足りないかもしれません。
もちろん漸化式の基本的なものは解けることが前提ですので、基本が身についたか確認しておくと良いでしょう。

指数関数では、関数としてあつかうのでルートを使わない、
つまり根号は使わないことを基本にすると何かと都合が良いです。

根号も使いますよ。
でも関数をあつかうのにルートを残したまま考えるということは少ないです。
⇒ 指数の掛け算や割り算や分数の計算問題の解き方

漸化式でも同じようにみたらこの問題はどうなるでしょうね。

例題11

 \( a_1=2\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_2=1\hspace{7pt},\)

 \( a_n=\sqrt{a_{n-1}a_{n+1}}\hspace{7pt}(n≧ 2)\)

である数列 \( \{a_n\}\) の一般項を求めよ。

ルートを見たら指数にしたくなりませんか?
または等式(方程式)のときは平方したくなりませんか?
なりましょうよ。

この漸化式の場合、両辺は正だということは明らかに分かります。
なので両辺平方しましょう。

 \(a_n=\sqrt{a_{n-1}a_{n+1}}\)

両辺を平方すると

 \(a_n^2=a_{n-1}a_{n+1}\)

ここまでくれば気がつきますよね。
⇒ 漸化式が累乗になっているパターン
例題10と同じですね、累乗タイプ。

答は後で出しておきますが、何故指数の基本ができていれば問題ないのか?
ということですけど、

 \(a_n=\sqrt{a_{n-1}a_{n+1}}\\ \\
=(a_{n-1}a_{n+1})^{\frac{1}{2}}\)

とすれば累乗タイプと同じになるからですよ。

両辺の対数を取ることにかわりはありません。

 \( a_n^2=a_{n-1}a_{n+1}\)

通常通り、両辺の常用対数を取ると

 \( \log_{10}(a_n)^2=\log_{10}(a_{n-1}a_{n+1})\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 2\log_{10}a_n=\log_{10}a_{n-1}+\log_{10}a_{n+1}\)

ここが一番のポイントです

 \(\color{red}{b_n=\log_{10}a_n}\) とおくと

 \( 2\color{red}{b_n}=\color{red}{b_{n-1}}+\color{red}{b_{n+1}}\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b_{n+1}-2b_n+b_{n-1}=0\)

となりますが、これは特性方程式が重解を持つ3項間漸化式です。
⇒ 3項間漸化式の特性方程式が重解を持つパターン(例題9)
また、

 \( a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n\)

で \(p+q=1\) のときは一般項がさらに簡単に求まります。

数列 \( \{b_n\}\) を求めます。

 \( n≧ 2\) において

 \( b_{n+1}-2b_n+b_{n-1}=0\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b_{n+1}-b_n=b_n-b_{n-1}\)

と変形できて(特性方程式重解利用)
階差が一定なので数列 \( \color{red}{\{b_n\}}\) は等差数列です。

 \( b_{n+1}-b_n=b_n-b_{n-1}=\cdots =b_2-b_1\)

公差は \( (b_2-b_1)\)

 \( ∴ \hspace{7pt} b_n=b_1+ (n-1)(b_2-b_1) \)

ここで

 \(b_n=\log_{10}a_n\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_1=2\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_2=1\)

( \( a_1\,,\,a_2\) は問題に与えられた値)なので

 \( \color{red}{b_1}=\log_{10}\color{red}{a_1}=\log_{10}2\)
 \( \color{red}{b_2}=\log_{10}\color{red}{a_2}=\log_{10}1=0\)
 \( \color{red}{b_2-b_1}=0-\log_{10}2=-\log_{10}2\)

よって

 \( b_n=b_1+ (n-1)(\color{red}{b_2-b_1})\\ \\
=\log_{10}2+(n-1)(-\log_{10}2)\\ \\
=\log_{10}2-(n-1)\log_{10}2\\ \\
=\{1-(n-1)\}\log_{10}2\\ \\
=(2-n)\log_{10}2\)

 \( b_n\) を \(\log_{10}a_n\) に戻すと

 \( b_n=(2-n)\log_{10}2\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_{10}a_n=(2-n)\log_{10}2\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \log_{10}a_n=\log_{10}2^{2-n} \hspace{7pt} (n≧ 2)\)

 \( ∴ \hspace{7pt} a_n=2^{2-n}\hspace{7pt} (n≧ 2)\)

これは \( n=1\) のときも成り立つので

 \( a_n=a_n=2^{2-n}\hspace{7pt} (n≧1)\)

と求め方は普通です。

底を「2」で対数を取ると

 \( \log_{2}(a_n)^2=\log_{2}(a_{n-1}a_{n+1})\\ \\ \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 2\log_{2}a_n=\log_{2}a_{n-1}+\log_{2}a_{n+1}\)

で \(\color{red}{ \log_{2}a_n=b_n}\)  とおくと

 \( 2b_n=b_{n-1}+b_{n+1} \\ \\ \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b_{n+1}-2b_n+b_{n-1}=0\)

 \( ∴ \hspace{7pt} b_{n+1}-b_n=b_n-b_{n-1}\)

ここまでは同じで

数列 \( \{b_n\}\)  が階差が一定なので等差数列であることから

 \( b_n=b_1+(n-1)(b_2-b_1)\)

ここも同じです。

違うのが次です。

 \( b_1=\log_{2}a_1=\log_{2}2=1\)
 \( b_2=\log_{2}a_2=\log_{2}1=0\)
 \( b_2-b_1=0-1=-1\)

となるので

 \( b_n=1+(n-1)(-1)\\ \\ =1-n+1=2-n\)

なので

 \( \log_{2}a_n=2-n\\ \\ \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_n=2^{2-n}\)

と割ときれいな数値で処理できるのですが、
何故「底を2」にするか、考えるより常用対数で通す方が良いでしょう。
漸化式相手に余裕が出てきてからで十分です。

ところで、この問題に限っての話ですが、

 \( a_n^2=a_{n-1}a_{n+1}\)

この形って見たことありませんか?

等比数列を勉強したときに、

[等比中項]

  \( a\,,\,b\,,\,c\)  が順に等比数列のとき \(  b^2=ac\) である。

というのがありました。

順に等比数列ということは、公比を \( r\) とすると

 \( b=ar\,,\,c=ar^2\) なので

 \( \color{red}{b^2}=(ar)^2=a\cdot ar^2=\color{red}{ac}\)

だからです。

ということは数列 \( \{a_n\}\) は等比数列とすぐに分かります。

または漸化式を

 \( a_n^2=a_{n-1}a_{n+1}\\ \\
\Leftrightarrow \hspace{5pt}\displaystyle \frac{a_n}{a_{n-1}}=\frac{a_{n+1}}{a_n}\)

と変形できれば

 \(\displaystyle \frac{a_n}{a_{n-1}}=\frac{a_{n-1}}{a_{n-2}}=\cdots =\frac{a_2}{a_1}=\frac{1}{2}\)

 \( ∴ \hspace{7pt}\displaystyle a_n=\frac{1}{2}\,a_{n-1}\)

と等比数列であることから直接一般項が求まりますが、
ここは対数を取るパターンの紹介でした。

基本的には

⇒ 漸化式が累乗になっているパターンの解き方(例題10)

と同じです。
3項間の漸化式ではあるので基本形は解けるようにしておきましょう。