2項間漸化式で数列以外の部分が定数ではなくnの関数になっているタイプの解き方です。
1つの例題では漸化式そのものが階差数列になっているので簡単です。
階差数列になっていない場合でも変形によって普通の漸化式になるものも多いですので見ておくと良いでしょう。

指数関数を持つ2項間漸化式の解き方

例題3

数列 \( \{a_n\}\) は

 \( a_1=2\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_{n+1}-a_n=2^n+n\hspace{7pt}(n=1\,,\,2\,,\,3\,,\cdots\,)\)

によって定められる。
 数列 \(\{a_n\}\) の一般項を求めよ。

階差数列の形に変形するというパターンをいくつかやりましたが、これはそのまま階差になっています。

 数列の和が求められる。
 シグマが使える。
という人にとっては単なる計算問題になるのですぐに済ませましょう。

置きかえしなくても良いですね。

 \( n≧ 2\) において

 \( \displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}(2^{k}+k)\\ \\
\displaystyle =2+\sum_{k=1}^{n-1}2^{k}+\sum_{k=1}^{n-1}k\\ \\
\displaystyle =2+\sum_{k=1}^{n-1}2\cdot 2^{k-1}+\sum_{k=1}^{n-1}k\\ \\
=2+\displaystyle \frac{2(2^{n-1}-1)}{2-1}+\displaystyle \frac{1}{2}n(n-1)\\ \\
=2+2^n-2+\displaystyle \frac{1}{2}n(n-1)\\ \\
=2^n+\displaystyle \frac{1}{2}n(n-1)\)

これは \( n=1\) のとき \( a_1=2\) で成り立つので

 \( a_n=2^n+\displaystyle \frac{1}{2}n(n-1)\hspace{7pt}(n≧ 1)\)

等比数列自然数の和を求めただけです。

ここで階差数列の確認をしておきます。

 \( \displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\)

において

 \(\color{red}{b_k=a_{k+1}-a_k}=2^k+k\)

なので

 \( \displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\\ \\
=a_1+(a_2-a_1)+(a_3-a_2)+\cdots +(a_n-a_{n-1})\)

ここで \( a_{n+1}-a_n=2^n+n\) なので

 \( \displaystyle a_n=a_1+(2^1+1)+(2^2+2)+\cdots +\{2^{n-1}+(n-1)\}\\ \\
=2+(2^1+2^2+\cdots +2^{n-1})+\{1+2+\cdots +(n-1)\}\\ \\
\displaystyle =2+\sum_{k=1}^{n-1}2^k+\sum_{k=1}^{n-1}k\)

でも同じですから、書き出した方が意味が分かりやすい場合は書き出すと良いです。

指数関数を持つ漸化式の頻出タイプ

指数が出てきたので1つ追加しておきました。

例題3-②

 \( a_1=1\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_{n+1}=2a_n-3^n\)

で定められる数列 \(\{a_n\}\) の一般項を求めよ。

このように \( a_{n+1}\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_n\) など以外の部分が定数でなくても漸化式です。
こちらが一般的で定数の場合が特殊だと思って良いです。

漸化式を一般的に表すと

 \( a_{n+1}=pa_n+q(n)\)

のように \( q(n)\) が \( n\) の関数で表されたものも多くあります。
今回は指数関数になっていますが、\( n\) の多項式の場合もあります。

それは機会があれば解説しますので、
ここでは指数を含んでいて、階差になっていない場合を考えましょう。

階差ではないからと今までのように階差をつくろうとしても上手くいきません。

 \( a_{n+1}=2 a_n-3^n\)
 \( \, a_n=2 a_{n-1}-3^{n-1}\)

両辺の差を取ると
 \( a_{n+1}-a_n=2(a_n-a_{n-1})-(3^n-3^{n-1})\)

問題は \( 3^n-3^{n-1}\) がなくならないことです。

階差部分を \( b_n=a_{n+1}-a_n\) とおいても

 \( b_n=2b_{n-1}-2\cdot 3^{n-1}\)

と何をやっているのか分からなくなります。

どう考えても指数部分がじゃまで上手くいきません。
こういうときは、関数部分を無視して階差をつくることを考えます。

漸化式中の \( a_n\) の係数「2」に着目して、
漸化式全体を \( 2^{n+1}\) で割って係数1の漸化式をつくります。

何故割るのは \( 2^n\) ではないのかというと、
漸化式の添え字に合わないからです。

割る数を \( 2^{n+1}\) とすることで定数は分数になりますが、漸化式の係数が2つとも1となることで階差がとれて都合が良いので、添え字の大きい方に指数を合わせます。

 \( a_{n+1}=2a_n-3^n\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \displaystyle \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}=\displaystyle \frac{2a_n}{2^{n+1}}-\displaystyle \frac{3^n}{2^{n+1}}\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \displaystyle \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}=\displaystyle \frac{a_n}{2^n}-\displaystyle \frac{1}{2}\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n\)

ここで
 \(\displaystyle \frac{a_n}{2^n}=b_n\) ・・・①

とおくと

 \( \displaystyle \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}=\displaystyle \frac{a_n}{2^n}-\displaystyle \frac{1}{2}\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b_{n+1}=b_n-\displaystyle \frac{1}{2}\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b_{n+1}-b_n=-\displaystyle \frac{1}{2}\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n\)

これは階差数列となっているので \( n≧ 2\) において

 \( \displaystyle b_n=b_1+\sum_{k=1}^{n-1}\left\{ -\displaystyle \frac{1}{2}\cdot \left( \displaystyle \frac{3}{2}\right)^k\right\}\\ \\
=\displaystyle \frac{a_1}{2}+\sum_{k=1}^{n-1}\left\{ -\displaystyle \frac{3}{4}\cdot \left( \displaystyle \frac{3}{2}\right)^{k-1}\right\}\\ \\
=\displaystyle \frac{1}{2}-\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{3}{4}\left\{\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^{n-1}-1 \right\}}{\displaystyle \frac{3}{2}-1}\\ \\
=\displaystyle \frac{1}{2}-\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{3}{4}\left\{\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^{n-1}-1 \right\}}{\displaystyle \frac{1}{2}}\\ \\
=\displaystyle \frac{1}{2}-\displaystyle \frac{3}{4}\times \displaystyle \frac{2}{1}\left\{\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^{n-1}-1 \right\}\\ \\
=\displaystyle \frac{1}{2}-\displaystyle \frac{3}{2}\left\{\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^{n-1}-1 \right\}\\ \\
=\displaystyle \frac{1}{2}-\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n+\displaystyle \frac{3}{2}\\ \\
=2-\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n\)

これは \( n=1\) のときも成り立つので

 \( b_n=2-\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n\hspace{7pt}(n≧ 1)\)

よって①の両辺に \( 2^n\) をかけることによって

 \( a_n=2^n\cdot b_n\\ \\
=2^n\left\{2-\left(\displaystyle \frac{3}{2}\right)^n\right\}\\ \\
=2^n\left(2-\displaystyle \frac{3^n}{2^n}\right)\\ \\
=\underline{2^{n+1}-3^n}\hspace{7pt}(n≧ 1)\)

 \( b_n\) を求めるときの等比数列の和の部分は、
別に計算した方が見やすいし、ミスが減ると思いますよ。

この漸化式を階差の形にする方法を『定数変化法』というのですが、説明すると余計分からなくなると思えるので説明はなしにします。
多項式の変形も含めて、変形方法の1つとして覚えてしまいましょう。
多項式の問題はまたの機会に紹介します。

少し長くなりますがもう一つの別の解き方を示します。
今度は関数部分を定数にする方法です。

⇒ 定数部分が指数関数になっている漸化式のタイプ(例題3別解)

普通の参考書だとこちらが解法になっているかもしれません。