2019年(平成31年)度に行われたセンター試験の数学1A第4問の整数問題の解説です。
第4問は不定方程式から問題にされていますが、整数は限られた数なので調べ尽くせば必ず答えは出る、という意気込みで取り組むとある程度は正解が得られます。
整数を選択する以上、一般的な整数解を文字で表すというのにはなれておきましょう。

正解はセンターが発表していますので確認してください。

⇒ 2019(H31)年センター試験数学1A問題

この問題は数学\(Ⅰ\mathrm{A}\)のみの部分掲載となります。

第4問整数問題の特長

整数をあつかっている性質上、ほとんどの答えが整数だというのが特長です。

算数のように調べて行けば、全問正解とはいかなくてもある程度得点を確保できますよ。

論理的に解く方法は学校や予備校の先生方がしてくれていると思うのでここでは徹底的に調べ尽くすというのをやってみます。
といってもかけ算と引き算だけなので大して時間はかかりません。

当然ですが算数だけでは無理な部分も出てくるのでちょっとした数学の手法は使います。

(1)不定方程式です。

 \(49x-23y=1\)

を満たす自然数\(\,x,y\,\)の中で\(\,x\,\)が最小のものを見つけます。

これよくありますが一桁の自然数なので\(\,x=1\,\)から調べて行けば答えは出てきます。
ところが毎年のように\(\,x\,\)は後半にあります。笑

「うお-、後ろから調べれば良かった。」
となるのですが最も小さい自然数を見つけるので、もしかしたら小さい方に答えがあるかもしれないのでやはり\(\,x=1\,\)から調べます。

余計なこと書いているので長く見えますが、実際の試験中には計算に入っているのでどんどん進めていくのですよ。

 \(\,49\,\)の倍数と\(\,23\,\)の倍数で差が\(\,1\,\)

となる自然数を見ていきます。

差ができるだけ小さくなる相手を見つけていきます。

 \(\,49\,\)の倍数は
 \(\begin{array}{|c|c|} \hline
\color{red}{x} & \color{red}{49x} \\ \hline
1 & 49 \\ \hline
2 & 98 \\ \hline
3 & 147 \\ \hline
4 & 196 \\ \hline
5 & 245 \\ \hline
6 & 294 \\ \hline
7 & 343 \\ \hline
8 & 392 \\ \hline
9 & 441 \\ \hline
\end{array}\)

 \(\,23\,\)の倍数は
 \(\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline
\color{blue}{y} & \color{blue}{23y} & &\color{blue}{y} & \color{blue}{23y} \\ \hline
1 & 23 & & 11 & 253\\ \hline
2 & 46 & & 12 & 276\\ \hline
3 & 69 & & 13 & 299\\ \hline
4 & 92 & & 14 & 322 \\ \hline
5 & 115 & & 15 & 345 \\ \hline
6 & 138 & & 16 & 368 \\ \hline
7 & 161 & & 17 & 391 \\ \hline
8 & 184 & & 18 & 414 \\ \hline
9 & 207 & & 19 & 437 \\ \hline
10 & 230 & & 20 & 460 \\ \hline
\end{array}\)

この組み合わせで\(\,49x-23y=1\,\)を満たす最小の\(\,x\,\)は
 \(\hspace{10pt}49\times \color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 8 }\,\)}}-23\times\color{black}{\fbox{\(\, \color{red}{ 17 }\,\)}}\\
=392-391=1\,\)

あまりにも算数過ぎでしょう?
と思われた人もいると思うのでちょっと変形しておきます。

 \(\color{red}{49x}-23y=1\\
\color{red}{3x+46x}-23y=1\\
3x-23(y-2x)=1\)

と変形し、整数\(\,m\,\)を用いて
 \(\,y-2x=m\,\)
とおくことで
 \(49x-23y=1\)

 \(3x-23m=1\)
と変形できます。

さらに
 \(3x\color{blue}{-23m}=1\\
3x\color{blue}{-21m-2m}=1\\
3(x-7m)-2m=1\)

と変形し、整数\(\,n\,\)を用いて
 \(\,x-7m=n\,\)
とおくことで
 \(\,3n-2m=1\,\)

これを満たす整数の組を探す方が楽にはなります。
 \(\,m=n=1\,\)のとき\(\,x=8\,,\,y=17\,\)

しかし、後で上の算数のような視察が役に立たないかを示しておきます。

(1)の残りは整数の組が見つかったので
 \(\hspace{34pt}49x\hspace{4pt}-\hspace{10pt}23y\hspace{16pt}=1\\
\underline{-)\hspace{14pt}49\times 8-23\times 17\hspace{10pt}=1 }\\
\hspace{10pt}49(x-8)-23(y-17)=0\)

これから
 \(49(\color{red}{x-8})=23(\color{blue}{y-17})\)

\(\,49\,\)と\(\,23\,\)は互いに素なので

\(\,\color{red}{x-8}\,\)は\(\,23\,\)の倍数

 \(\begin{eqnarray}
x-8&=&23k\\
x&=&\color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 23 }\,\)}}k+8
\end{eqnarray}\)

であり
 
\(\,\color{blue}{y-17}\,\)は\(\,49\,\)の倍数

 \(\begin{eqnarray}
y-17&=&49k\\
y&=&\color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 49 }\,\)}}k+17
\end{eqnarray}\)

です。

この処理ができない人は整数を選択しない方が賢明です。

(2)縦にずれるのでもう一度書いておきます。

 \(\,49\,\)の倍数は
 \(\begin{array}{|c|c|} \hline
\color{red}{x} & \color{red}{49x} \\ \hline
1 & 49 \\ \hline
2 & 98 \\ \hline
3 & 147 \\ \hline
4 & 196 \\ \hline
5 & 245 \\ \hline
6 & 294 \\ \hline
7 & \color{blue}{343} \\ \hline
8 & \color{red}{392} \\ \hline
9 & 441 \\ \hline
\end{array}\)

 \(\,23\,\)の倍数は
 \(\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline
\color{blue}{y} & \color{blue}{23y} & &\color{blue}{y} & \color{blue}{23y} \\ \hline
1 & 23 & & 11 & 253\\ \hline
2 & 46 & & 12 & 276\\ \hline
3 & 69 & & 13 & 299\\ \hline
4 & 92 & & 14 & 322 \\ \hline
5 & 115 & & 15 & \color{blue}{345} \\ \hline
6 & 138 & & 16 & 368 \\ \hline
7 & 161 & & 17 & \color{red}{391} \\ \hline
8 & 184 & & 18 & 414 \\ \hline
9 & 207 & & 19 & 437 \\ \hline
10 & 230 & & 20 & 460 \\ \hline
\end{array}\)

これを見ていくと

\(\,49\,\)の倍数\(\,\mathrm{A}\,\)と\(\,23\,\)の倍数\(\,\mathrm{B}\,\)の差の絶対値が\(\,1\,\)になる組は

 \(\,\mathrm{A=392}\,\) と \(\,\mathrm{B=391}\,\)

なので

 \(\begin{eqnarray}
(\,\mathrm{A}\,,\,\mathrm{B}\,)&=&(\,392\,,\,391\,)\\
&=&(\,49\times \color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 8 }\,\)}}\,,\,23\times \color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 17 }\,\)}}\,)
\end{eqnarray}\)

また、\(\,49\,\)の倍数\(\,\mathrm{A}\,\)と\(\,23\,\)の倍数\(\,\mathrm{B}\,\)の差の絶対値が\(\,2\,\)になる組は

 \(\,\mathrm{A=343}\,\) と \(\,\mathrm{B=345}\,\)

なので

 \(\begin{eqnarray}
(\,\mathrm{A}\,,\,\mathrm{B}\,)&=&(\,343\,,\,345\,)\\
&=&(\,49\times \color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 7 }\,\)}}\,,\,23\times \color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 15 }\,\)}}\,)
\end{eqnarray}\)

(2)は終わりです。

必要条件と誘導

データの活用でもありましたが、「すべての」とか「常に」とかあれば、必要条件から攻めれば答えは出ます。
筆記の場合は十分性を示しますが、ここでは必要ありません。

さらに、(1)(2)は何故あるのか?誘導してくれているんですよね。

(3)連続する三つの自然数
 \(\,a,a+1,a+2\,\)
例えば、
 \(\,1,2,3\,\) や \(\,2,3,4\,\)
を考えると、
 
 \(\,1と2\,\) や \(\,2と3\,\) の最大公約数は1
 \(\,2と3\,\) や \(\,3と4\,\) の最大公約数は1
 \(\,1と3\,\) や \(\,2と4\,\) の最大公約数は1または\(\color{black}{\fbox{\(\color{red}{ 2 }\)}}\)

「すべての」自然数\(\,a\,\)で成り立つとき
 
 『 条件:\(\,a(a+1)(a+2)\,\)は\(\,m\,\)の倍数である。』

\(\,a=1\,\)のときも成り立たなければおかしいので
 
 \(1\times (1+1) \times (1+2)=6\)

 \(\,6\,\)の約数は\(\,1,2,3,6\,\)

なので\(\,a(a+1)(a+2)\,\)はこの4つの数の倍数であることはいえます。

この4つの約数のうちで、
 最大の自然数は\(\,m=\color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 6 }\,\)}}\,\)

(4)高校入試みたいですが、まずは素因数分解しておきましょう。

 \(2\hspace{4pt}\underline{)\hspace{4pt}6762}\\
3\hspace{4pt}\underline{)\hspace{4pt}3381}\\
7\hspace{4pt}\underline{)\hspace{4pt}1127}\\
7\hspace{4pt}\underline{)\hspace{10pt}161}\\
\hspace{28pt}23\)

 \(6762=2\times \color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 3 }\,\)}}\times 7^\color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{2}\,\)}}\times \color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 23 }\,\)}}\)

(1)(2)と(3)を思い出して下さい。

 \(\,3\,\)連続自然数は\(\,6\,\)の倍数
 \(b(b+1)(b+2)\)が\(\,6762\,\)の倍数
 \(\,b,b+1,b+2\,\)のどれかは\(\,7^2=49\,\)の倍数
 \(\,b,b+1,b+2\,\)のどれかは\(\,23\,\)の倍数

ということは、
 \(\,b\,\)と\(\,b+1\,\)の差、\(\,b+1\,\)と\(\,b+2\,\)の差は\(\,\color{red}{1}\,\)
 \(\,b\,\)と\(\,b+2\,\)の差は\(\,\color{blue}{2}\,\)
なので

 \(\,49\,\)の倍数と\(\,23\,\)の倍数との差の絶対値が\(\,\color{red}{1}\,\)か\(\,\color{blue}{2}\,\)となる最小の自然数


\(\,49\,\)の倍数
 \(\begin{array}{|c|c|} \hline
\color{red}{x} & \color{red}{49x} \\ \hline
1 & 49 \\ \hline
2 & 98 \\ \hline
3 & 147 \\ \hline
4 & 196 \\ \hline
5 & 245 \\ \hline
6 & 294 \\ \hline
7 & \color{blue}{343} \\ \hline
8 & \color{red}{392} \\ \hline
9 & 441 \\ \hline
\end{array}\)
\(\,23\,\)の倍数
 \(\begin{array}{|c|c|c|c|c|} \hline
\color{blue}{y} & \color{blue}{23y} & &\color{blue}{y} & \color{blue}{23y} \\ \hline
1 & 23 & & 11 & 253\\ \hline
2 & 46 & & 12 & 276\\ \hline
3 & 69 & & 13 & 299\\ \hline
4 & 92 & & 14 & 322 \\ \hline
5 & 115 & & 15 & \color{blue}{345} \\ \hline
6 & 138 & & 16 & 368 \\ \hline
7 & 161 & & 17 & \color{red}{391} \\ \hline
8 & 184 & & 18 & 414 \\ \hline
9 & 207 & & 19 & 437 \\ \hline
10 & 230 & & 20 & 460 \\ \hline
\end{array}\)

から探せばいいのですが、
(1)を思い出すと差が絶対値\(\,\color{red}{1}\,\)と\(\,\color{blue}{2}\,\)の場合を見ておいたので

差の絶対値が\(\,\color{red}{1}\,\)のとき\(\,49\,\)の倍数が最小となるのは

 \(\hspace{10pt}49\times 8-23\times 17\\
=392-391=1\)

このとき
 \(\,49\,\)の倍数は\(\,\color{red}{392}\,\)

 \(\,23\,\)の倍数は\(\,\color{blue}{391}\,\)
です。

このとき\(\,b(b+1)(b+2)\,\)は

 \(\,\color{blue}{391}\times \color{red}{392}\times 393\,\)
または
 \(\,390\times \color{blue}{391}\times \color{red}{392}\,\) 

この二通りが考えられます。

差の絶対値が\(\,\color{blue}{2}\,\)のとき\(\,49\,\)の倍数が最小となるのは

 \(\hspace{10pt}49\times 7-23\times 15\\
=343-345=1\)

このとき
 \(\,49\,\)の倍数は\(\,\color{red}{343}\,\)

 \(\,23\,\)の倍数は\(\,\color{blue}{345}\,\)
です。

このとき\(\,3\,\)連続自然数\(\,b(b+1)(b+2)\,\)は

 \(\,\color{red}{343}\times 344 \times \color{blue}{345}\,\)

だけです。

これらの中で最小の自然数\(\,b\,\)は

 \(\,b=\color{black}{\fbox{\(\,\color{red}{ 343 }\,\)}}\,\)

これで第\(\,4\,\)問は終わりです。

⇒ 2019年度センター試験数学1A第5問平面幾何問題の解説

第\(\,5\,\)問は平面幾何です。
大きなスペースをあけてくれているので図は書きやすい上に、誘導がしっかりされているので乗れれば最後まで一気にいけます。

⇒ 2019年(平成31年)度センター試験数学1Aの問1の解説

第\(\,1\,\)問は数と式および命題です。

2019年度センター試験数学1Aの問2三角比とデータの活用の解説

第\(\,2\,\)問は三角比とデータの活用です。
データの活用でも整数と同じように必要条件が使えました。

⇒ 2019年度センター試験数学1A第3問確率問題の解説

第\(\,3\,\)問は確率です。
条件付き確率は公式を使わずベン図で出しておきました。