図形の証明における座標の使い方です。
図形の定理の証明は図形の知識だけでなく座標を使うことで容易になったりします。
その際間違った座標を設定すると見た目や煩雑さ、結果何が言いたいのかわからなくなることもあるので注意が必要です。
中線定理の証明
図形の定理の証明は座標を使うことで簡単に示すことができます。
ここでは中線定理(パップスの定理)を証明してみましょう。
座標を用いた中線定理の証明
\(\color{red}{\fbox{中線定理(パップスの定理)}}\)
\(\,\mathrm{△ABC}\,\)において辺\(\,\mathrm{BC}\,\)の中点を\(\,\mathrm{M}\,\)とする。
\(\hspace{10pt}\mathrm{AB^2+AC^2\,=\,2(\,AM^2+BM^2\,)}\)
が成り立つことを座標を用いて証明せよ。
分かっているとは思いますが\(\,\mathrm{BM=CM}\,\)なので\(\hspace{10pt}\mathrm{AB^2+AC^2\,=\,2(\,AM^2+CM^2\,)}\)
も同じことです。
(証明)
図のように\(\,\mathrm{M}\,\)が原点、\(\,\mathrm{BC}\,\)を\(\,x\,\)軸上にあるように座標軸をとる。
こうすることで文字の設定個数が少なくて済みます。
点\(\,\mathrm{A}\,\)の座標を\(\,\mathrm{A}\,(\,a\,,\,b\,)\,\)、
点\(\,\mathrm{B}\,\)の座標を\(\,\mathrm{B}\,(\,-c\,,\,0\,)\,\)とすると、
点\(\,\mathrm{C}\,\)は\(\,\mathrm{M}\,\)が中点であることから\(\,\mathrm{C}\,(\,c\,,\,0\,)\,\)とおけます。
ここで、
\(\hspace{10pt}\mathrm{AB}^2=(a+c)^2+b^2\,,\,\mathrm{AC}^2=(a-c)^2+b^2\)
から
\(\begin{eqnarray}
\mathrm{AB^2+AC^2}&=&(a+c)^2+b^2+(a-c)^2+b^2\\
&=&2a^2+2c^2+2b^2\\
&=&2(\color{red}{a^2+b^2+c^2})
\end{eqnarray}\)
また、
\(\hspace{10pt}\mathrm{AM}^2=a^2+b^2\,,\,\mathrm{BM}^2=c^2\)
なので
\(\hspace{10pt}\mathrm{AM^2+MB^2}=\color{red}{a^2+b^2+c^2}\)
よって、
\(\hspace{10pt}\mathrm{AB^2+AC^2}=\,2\,(\mathrm{AM^2+BM^2})\)
これは原点に\(\,\mathrm{M}\,\)をとったから成り立ったわけではなく、
一般的に成り立ちます。
もしこれを\(\,\mathrm{A}(a\,,\,a’)\,,\,\mathrm{B}(b\,,\,b’)\,,\,\mathrm{C}(c\,,\,c’)\)とすると、
なり立つことは示せますが、
嫌になるくらい煩雑で、見てもわからないくらいになります。
何せ、中点\(\,\mathrm{M}\,\)が\(\displaystyle \left(\frac{b+c}{2}\,,\,\frac{b’+c’}{2}\right)\)なので、
この後の計算がどれだけなのか想像がつくと思います。
座標を用いた証明の場合、原点の使い方、対称点の設定を考えると楽になることが多いです。
中線定理と角の二等分線定理を間違えやすいので注意しておきましょう。