数学Ⅰの最初にある式の展開公式の確認を基本的なところから見ておきます。
中学数学と高校数学の架け橋となっているところですので、計算出来れば良い、ではなくて、計算ミスを減らす方法として何が足りていないのかを見ておいて下さい。
先ずは少し練習問題を並べてみます。


まずは例題からです。

基本的な計算なので、
問題を見てすぐに計算方法を思い出せることが大切です。

例題
 次の式を展開せよ。
 \( (1) (4x-5y)^2\\
(2) (-2x+5)(-2x-5)\\
(3) (5a+3b)^2\\
(4) (x-3)^3\\
(5) (2a+3b)^3\\
(6) (x-3)(x^2+3x+9)\)

「こんな基礎的なこと」、と思う人もいるかもしれませんが基礎からやりましょう。
数学Ⅰの知識は全ての単元で利用します。
ここが抜けていると後に続きませんので確実にしておいた方が良いですよ。
しかし、一度にまとめてやると、大変なので、少しずつやっていくことにします。

 \( (1)(4x-5y)^2\)

これは中学校で出てくる公式です。
 \(\color{red}{ (a+b)^2=a^2+2ab+b^2}\)
を利用します。

 \( a=4x\,,\,b=-5y\\
と見れば、\\
 (4x-5y)^2\\
=(4x)^2+2(4x)(-5y)+(-5y)^2 \)

(高校生であれば時間のかかる計算が待っているのでここは暗算したいところです。)

 \((与式)=16x^2-40xy+25y^2 \)

もちろん
 \(\color{red}{ (a-b)^2=a^2-2ab+b^2}\)
の公式も使えますよ。

\( この場合は a=4x\,,\,b=5y です。\)
 \( (4x-5y)^2\\
=(4x)^2-2(4x)(5y)+(5y)^2\\
=16x^2-40xy+25y^2\)

 \( 後々、暗算で展開するために、順番をお伝えしておくと、\\
先ず、4x を2乗します。 16x^2 です。\\
次に、4x と -5y をかけてその後2倍します。\\
  -20xy\times 2=-40xy です。\\
最後に、 -5y を2乗します。 +25y^2 です。\)

これを一度にまとめて書くことはありません。
いつものように=を縦にそろえて、
\( (4x-5y)^2\\
= 16x^2 (未完成)\\
= 16x^2-40xy (未完成)\\
= 16x^2-40xy+25y^2 (答)\)

と、順番に書いていけば良いのです。
計算式は一気に書く必要はありませんよ。
一度に二段階の暗算はしない
というのが計算ミスを減らす基本です。

⇒ 計算ミスを減らすコツ

 \( (2)(-2x+5)(-2x-5)\)

これも中学のときの公式を使います。

 \(\color{red}{ (a+b)(a-b)=a^2-b^2}\)

です。

 \( -2x を a ,  5 を b\)
として代入すると、
 \(\hspace{7pt}(-2x+5)(-2x-5)\\
=(-2x)^2-5^2\\
=4x^2-25\)

  \( (3) (5a+3b)^2\)

これも

 \( (a+b)^2=a^2+2ab+b^2\)

を利用します。
 \((与式)= 25a^2+30ab+9b^2 \)

高校生は暗算でできるようになる位練習した方が良いです。

テストのときに暗算を過度にすることはおすすめしていませんが、
「暗算しよう」とする気持ちを持つことでしか暗算はできるようになりません。

テストで間違えたくないので、間違えても良い練習の時に少しずつで良いのでやって行きましょう。

 \( (4)(x-3)^3\)

この展開はパスカルの三角形を覚えておけば、利用する公式は覚えなくてもいい公式です。

しかし、いちいちパスカルの三角形を書かなくても(そんなに時間はかかりませんが)、
この公式ぐらいは覚えておいても良いでしょう。

公式は
 \(\color{red}{(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3} \)
です。
\( これに a\,=\,x,\,b\,=(\color{red}{-3}) として代入するだけです。\)

 \( (x-3)^3\\ \\
=x^3+3(x)^2(-3)+3(x)(-3)^2+(-3)^3\\ \\
=x^3-9x^2+27x-27\)

公式は
 \(\color{red}{ (a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3}\)
もありますので
 \( a=x\,,\,b=3 として代入すると\)

\( (x-3)^3\\ \\
=x^3-3(x)^2(3)+3(x)(3)^2-(3)^3\\ \\
=x^3-9x^2+27x-27\)

としてもかまいませんよ。

 \( (5)(2a+3b)^3 \)

これも公式
 \(\color{red}{ (a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3}\)
を利用します。

 \( {(2a+3b)^3}\\ \\
=(2a)^3+3(2a)^2(3b)+3(2a)(3b)^3+(3b)^3\\ \\
=8a^3+36a^2b+162ab^2+27b^3\)

暗算するのはいいですが、
この3乗展開では係数の計算で2乗する部分が出てくるため、
2重の暗算が入ってきますので、
2行目の「代入した式」は省略しない方が計算ミスが確実に減ります。

 \((6) (x-3)(x^2+3x+9)\)

これは公式
 \(\color{red}{ (a+b)(a^2-ab+b^2)=a^3+b^3}\)
を使います。

展開は時間をかければ覚えていなくてもできるので覚えていない人もいるかもしれませんが、
逆は因数分解公式なので展開公式も覚えておきましょう。

 \( a\,=\,x\,,\,b\,=-3 として公式に代入すると\)

 \( (x-3)(x^2+3x+9)\\ \\
=\{x+(-3)\}\{x^2-(-3)x+(-3)^2\}\\ \\
=(x)^3+(-3)^3\\ \\
=x^3-27\)

もう一つの公式
 \(\color{red}{ (a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3}\)
が使えればもっとはやいです。

 \( (x-3)(x^2+3x+9)\\ \\
=(x)^3-(3)^3\\ \\
=x^3-27\)

数学Ⅰは計算部分からすべての単元につながるので手を抜けるところではないのです。
テストの時、時間が足りないという気持ちも分かります。
でも、計算ミスを減らすために高校の数学でも過度の暗算はやめましょうね。

「暗算している方が遅い」
ということに気がついていない人、割と多いですよ。笑

⇒ 数学Ⅰ基礎 パスカルの三角形と展開公式

公式を覚えていないときでも通用するようにするか、
今のうちに覚えてしまってテストの時に時間を少しでも有効に使うかです。

⇒ 高校の因数分解公式一覧 たすき掛けや手順(やり方)

因数分解公式一覧になります。
展開と因数分解はセットでやっておくと良いですね。
展開は誰でもできるので。笑